大富豪のマイルズから友人たちに届いたからくり仕掛けの招待状。地中海の孤島で犯人当てゲームをしようというものだった。待ち合わせ場所には呼ばれてないはずの名探偵ブノワ、さらにマイルズと喧嘩別れしたアンディの姿までもあった。彼らにとって思い出深いバーの名前「グラスオニオン」からとったガラス張りの玉ねぎドームなど豪華な別荘でパーティで自由に過ごすはずが、どうも様子がおかしい。しかも本当に殺人が起きてしまい……。
エドワード・ノートン、ジャネール・モネイ、キャスリン・ハーン、レスリー・オドム・Jr、ジェシカ・ヘンウィック、マデリン・クライン、ケイト・ハドソン、デイヴ・バウティスタら豪華共演。
あらすじ
IT業界の大富豪マイルズ・ブロン(エドワード・ノートン)は地中海のプライベートアイランドに友人たちを招き、ミステリーゲームをしようと提案する。しかし、島で実際に殺人事件が起きたことで状況は一変し、参加者たちは事件の容疑者となってしまう。不穏な空気に包まれる中、名探偵ブノワ・ブラン(ダニエル・クレイグ)は友人同士の間に渦巻く思惑と、事件の真相を解き明かすべく捜査を開始する。(シネマ・トゥデイより)
えーっと、ガチガチの謎解きミステリーというよりはかなりコメディ要素が大きくてこれはこれでとても面白かったです。まず共演者が豪華だし、舞台となる場所も豪華だし。そもそも探偵役のお喋りが面白くて。普通もうちょっと上品だったりクールだったりするんですけど貶すときはめっちゃ貶すし、すごい人間くさいんですよね。犯人当てゲームに勝てたら商品ないの?とか聞いてみたり。予告動画でもその片鱗が見えてるんですが、ちょっと変人だし見下してるけどそれが不思議と嫌じゃない。特にダニエルクエイグは普段007でジェームズボンドやってたわけで、そのギャップがすごい。
ほんのちょっとで終わっちゃうけど最序盤のからくり式の招待状からすごく引き込まれて、ストリーマー(Twich配信者)の同居してる母が的確なヒントつぶやくところマジでツボだった。科学者やファッションモデル、知事など全然タイプの違う面々だからこそ協力し合うのいいし、この時は仲が良さそうだなぁってシンプルに思ってた。
劇中の言葉では「金のおっぱい」って表現されてましたけど、かつては友人だったのに今はマイルズとお金でのつながり。資金と引き換えに不満を抱えてて、本当に殺害するような動機がある。しかも少しずつ明らかになるけどかなり悪どい方法で生き延びてるし、現在進行で危ないことしようとしてる。見てるこっちもマイルズに対していい感情は持ちません。浮気してるしなぁ。
誰にも動機があってやろうと思えばできた、という意味ではメインの殺人事件もいいのですが、それ以上にこのたびに来る前の出来事が一気に描写されてからが本番という形で、なぜ招待状がない探偵ブノワがきたのかとか、描写されてない部分で動いてた「探偵助手」的な存在とか前半を別の立場で見られる構成も良かった。過去の方の「誰が」の方がかなり気になりました。
一方で全部の謎解きは割とあっさり目で、特に本来予定していた推理ゲームを瞬殺するくだりは嬉しそうなブノワと準備が無駄になってマジで怒ってるマイルズが面白かった。商品のiPad投げつけてるし。殺人の方も割と多くの人が予想しやすいんじゃないかと思います。アレルギーとか普通に伏線はってるし、消去法を使うまでもなくわかる。
でちょっと時間が余るからなんなのだろうと思ったらそこからもシュールな展開で、金でなんでもやってこれた男への反撃としてはすごいスカッとしました。あそこちょっと羨ましいというか、ストレス解消にいいと思う。現実じゃ作った人に申し訳なくてできないし。何回も何回も防犯ガラスのシーンやってるから「モナリザは悲惨な目になるのだな」って分かってたけど想像を超えるものだったし(芸術がああなるのは残念だけど)皮肉が効いててナイス。
ユーモアが随所に散りばめられてて、ニヤニヤしながら見れるのも好き。ブノワの同居人とか、ちょい役ですごい人たちのカメオ出演があったり、ジャレッドレドのカクテルやジェレミーレナーの激辛ソースとか細かいネタが笑えました。施設内のジムでオンラインでセリーナ選手とトレーニングできるのに無視して捜査会議してるのとか勿体なさすぎで爆笑。
アガサクリスティとかみたいに本気で犯人当ててやるぞ!ていうタイプではないけど提示された謎の真相を予想しながら見るのが楽しい作品でした。軽い気持ちで見られますのでぜひ。
Netflixで吹き替え版で視聴。
23日より配信中。
なお、1作目は22年12月末現在吹き替え字幕ともにAmazonプライム会員見放題対象です。

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