ガルヴェストン / 余命がわずかだと知った裏社会の男ロイ。組織に裏切られ、命を狙われるも返り討ちにし、囚われていた少女ロッキーを連れて逃亡することに。二人は当てもない旅を続けるが、いつしか彼の故郷ガルヴェストンへ。

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『マグニフィセント・セブン』の脚本などで知られるニック・ピゾラットの小説「逃亡のガルヴェストン」を、フランス女優メラニーロランが監督し実写化したアクションスリラー。組織に裏切られた殺し屋の男と捉えられいた娼婦が出会い逃避行する様を描く。
裏社会で生きてきた男ロイはある日末期の肺癌で余命がわずかだということを知るが、ボスからの司令で新しい任務に赴く。しかしそれは罠であり、命を狙われる。なんとか返り討ちにするが、その場所にはロッキーと名乗る若い娼婦が捉えられており、最終的に彼女を連れて逃げることに。ロッキーの妹を救いだしたり、海へ行ったり。逃げながらも穏やかな日々が続くと思われたが……。
残りの人生をかけて守ろうとした男の、切ない物語。
主演はベン・フォスター、ヒロインをエル・ファニングが勤める他、リリ・ラインハート、アデペロ・オデュイエ、マリア・バルベルデ、C・K・マクファーランドら共演。
あらすじ
裏社会に生きるロイ(ベン・フォスター)は自分が末期ガンで余命わずかなことを知る。その夜ボスの指令で向かった先で何者かに襲われ組織に裏切られたことを悟った彼は、相手を撃ち殺してその場に捕らわれていた少女(エル・ファニング)を連れて逃げる。行く当てもなく体を売っていたという彼女はロッキーと名乗り、二人は果てのない逃避行に出る。(シネマ・トゥデイより)


最初に言っておくと非常に暗くて切ないお話です。PG12指定なのでドンパチシーン、を受けてのダメージも割ときつめですし、けして見てて楽しい気分になる作品じゃありません。ここで何度も「ハッピーエンド至上主義」って書いてるほど、普段なら受け入れがたい終わりなんですけど、それでもその「切なさ」がめちゃくちゃ印象的で、深く心にささるんですよね。上の予告動画がすごく良くできてて、作品を見終わってから見ると思い出してそれだけで泣いちゃいそうになるっていう。

変に恋愛要素全開にしてないのがまたいいんですよね。劇中での年齢差も相当あるので仮にそうだったらおとぎ話すぎたとは思うんですけど。ロイのロッキーへの想いは我が子を守るんだっていうような愛情に近いかも。こう書くとなんとなく名作「レオン」ぽさも感じますが、見てた時はあまり意識してなかったですかね。どちらかというと余命わずかになった悪党が、最後に自分の人生をかけて意味のあることをしたいという強い願いを感じます。かつての恋人に会いに行くシーンとか、彼が人生を振り返ったり、色々と後悔してるのだろうなって思えてグッときます。ずっと咳してますし、見せないだけで「死の恐怖」と戦ってたんだろうし。

ロッキーもロッキーで生きるために必死だったというのがありありと見れて、こっちも辛かったですね。出会ってすぐの時とか、助けてくれたお礼として売春的なことを仄かしたり、「すがる」という言葉が似合いそうな痛々しさ。そうじゃなきゃ生きてこれなかったんですよね。映画の中では直接は描写されませんが、一時的にロイが戻らなかった時にはまたそういう仕事を始めちゃったし。19歳にしてこっちも相当濃い人生を歩んできた。それでも「すぐには妹を助け出せなかった」って泣くシーンからも、とてもいい子だってわかります。ちなみにこの妹はある秘密があるのですが、まあ多くの人がすぐピンとくると思います。

その海を見たことないという妹のために3人で出かけたり(ロイにちょっとずつ懐いてくのが微笑ましい)、ロッキーに進学を勧めたり。このまま新しい人生が始まるというパターンでもいいんだよ、それで映画終わってくれ〜って束の間の幸せ的な流れになっていくのですが、やはりそれでは許してくれない。悲劇が起きてしまいます。
これがね、散々伏線貼ってる病気の方かと思いきや、組織の方なんですよ。突然襲われてしまう。予告動画でも使われていますね。ここも割と緊迫感が凄まじいアクションなのでこっちまで息するの忘れちゃいそうですし、片方しか描写しないせいで「無事なのか?まさか?」と一緒になってかなり焦る。

他の映画だと無事に助け出してなんの不安要素もなくなり、奇跡で病気も治ってハッピーエンドとなるんでしょうが(個人的にはそういう映画が好きなんですが)、これは違っていて。ラストに出てくる「ハリケーン」という自然現象が登場人物たちの心情を表しててほんとに胸が苦しくなりました。ある人物が訪ねてくるのですが、もう起きてしまった悲劇は覆せない反面、明るい兆しが見えて、そこだけが救われるのも良かったし、真実がちゃんと伝えられたのも泣けました。
で、そのあとがすごかった。あれはつまりそういう事なんでしょうけど、マジかよ……。って。めちゃくちゃ深く心に残りました。感動したよ!とか、幸せな気持ちになる!ってタイプじゃないのですが、すごい物語を見たな、って余韻に浸れる作品。

WOWOWで録画&Amazonプライムビデオにて吹き替え版で視聴。
2020年11月現在、会員は無料対象です。





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