魔界探偵ゴーゴリ 暗黒の騎士と生け贄の美女たち / 実在の作家ゴーゴリを、闇の力を持つダークヒーローとして描くゴシックホラー殺人。若い女性の連続殺人。黒騎士の伝説。バディと共に捜査を進めるが……。

19世紀の作家ニコライ・ゴーゴリ。彼自身がもしも闇の力を持っていたら、という設定で、著作の前日譚を描く。主演はアレクサンドル・ペトロフ。探偵と組んで殺人事件をおう彼が体験する不可解な出来事。そこにあるのは闇の力か、あるいは……。
事件の検証の書記として雇われた作家ゴーゴリ。重要なてかがりを発見し、居合わせた探偵に認められたことで彼とバディを組んで、とある村の連続殺人事件を捜査することになる。金持ちの婦人に心奪われたり、死んだはずの女性の幻覚を見たりとさまざまな体験をしつつも、少しずつ真相に近づいてく。
あらすじ
1829年のロシア。駆け出しの作家ニコライ・ゴーゴリと探偵のグローは、若い美女がターゲットにされている連続猟奇殺人事件の捜査に乗り出す。土地勘があり異世界の者とつながる力を持つゴーゴリは、自分の力を制御できずにいた。捜査を進めていくと、黒騎士なる人物が容疑者として浮上する。(シネマ・トゥデイより)


実はこの作品だけではかなり中途半端なところで終わっていて、「魔界探偵ゴーゴリⅡ 魔女の呪いと妖怪ヴィーの召喚」「魔界探偵ゴーゴリⅢ 蘇りし者たちと最後の戦い」と3部作となっています。しかも各作品それぞれが2部構成になってますので、6エピソード=映画3本というイメージ。だからこの映画だけだと序盤なんですよね。ロシアの情報で詳しく辿れなかったのですが、もしかしたら元々は連続ドラマで、それを再編集して映画化したのかも。
冒頭で「著作の前日譚」と表現しましたが、2作目の副題の妖怪ヴィーって言葉が示す通りゴーゴリの著作「ヴィィ」は過去に数回映画化されたりしてるのでご存じの方もいるかも。ただ今回のシリーズはゴーゴリ自身が、って設定にしてるので新しいですよね。

予告動画から察するとおり全体的に暗くて空気が重たい世界観ですし、舞台がロシア。さらにはゴーゴリ自身も青白く気弱、相棒のグローも顔が白いので冷たい印象を受けますが、このジャンルとしてはかなりワクワクさせられます。ティムバートンの、たとえば吸血鬼モノの「ダークシャドウ」とかを思い出しました。そこに持ってきて「魔界探偵」ですからね。単純なホラーというよりも、エンタメ性のある方向。漫画とかであってもめちゃくちゃ面白かったと思います。

ゴーゴリには突然気を失って事件の鍵となる映像が見える、キーワードを勝手に筆記するという【発作】があるのですが、天才的なひらめき、の大袈裟な表現という考え方もできるので最初こそ「闇の力とか言ってるけど、やばい薬とかによる幻覚なのでは」「都市伝説になぞらえてるだけで、実はシンプルな殺人事件」という展開も視野に入れていました。が、これだけは先にネタバレしてしまうと、本当に闇の力が働いていて、さらにゴーゴリ自身もそれを一部使うことができる(謎空間に迷い込む、など) という感じで少しずつコントロールしていくため、『魔界探偵』という言葉に偽りなしです。

ただ本当に気弱だしハリーポッターみたいに魔法で闇を払うみたいなことは(2作目の途中を見ている段階では)出てこないので、主人公が無双するってタイプの作品ではありません。あくまで力を使うことで真相にたどるための手がかりが増えるって程度。あまり協力的ではない警察や、生きてる人間は見られない医者などの仲間の協力を経て一歩ずつ前進します。

ラブロマンス要素としても、お金持ちの伯爵夫人といい感じになりつつも、人妻だから当然許されない恋だし、そのことを死者の女性に嫉妬されたりと前途多難。彼女を救うためにもなんとしても解決しようと頑張ります。闇の世界とか、彼が魅せられる幻覚?のシーンでヌード等若干大人向けなのでご注意を。

ホラーやグロっていう面も割とおどろおどろしいですがそこまで目を背けたくなるっていう感じではないです。問題の黒騎士も全身黒に体から棘みたいなツノが生えたりしてますが「フィクションのキャラ」っていうフィルターがかかるので逆に怖くない。魔女?の力によって宙に浮かされてしまうところとかむしろコメディみたいでした。

だから本格的なホラー映画ファンというよりは、ダークファンタジー好き(Yahooのレビュー欄にはスーパーナチュラルって文字が見えました)がより楽しめると思いますし、僕はわかりませんでしたがゴーゴリの著作からちょいちょい小ネタを入れたりしてるみたいなので原作既読者にもおすすめしたいと思います。書評で酷評されたからって自分で買い占めて全部燃やしたい、ってほどメンタルが弱くてなんだから愛らしくなってしまいましたが、実際のゴーゴリはどんな人だったんでしょう。いつか読んでみたくなりました。

繰り返しになりますがこの映画それ自体では本当に中途半端なのところで終わってますし、最後に思わせぶりな映像が映るので誰もが続きを見たくなるでしょうし、一気見をおすすめします。僕自身も今2作目の半分が終わったところ。今週中には三部作完走したいな。
予告、というか紹介どうでも触れていますが、大ヒットドラマ「シャーロック」の日本語吹き替えと同じコンビである、森川さん、三上さんが主役の吹き替えを担当してて、どちらもピッタリでした。

アマプラで吹き替え版を視聴。(元々は数年前にWOWOWで字幕版録画して、まだ見れずにいました。)

22年4月現在、3部作とも字幕、吹き替えともにプライム会員見放題対象です。

動画はこちら
https://amzn.to/3O3M713

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