ホムンクルスのグラトニーに飲み込まれてしまったもののなんとか脱出したエドだが、彼の父ホーエンハイムにそっくりな[お父様]と呼ばれる存在にあい、国家全土、そして大量の人類を巻き込んだ計画を立てていることを知る。エド自身も人柱として利用されようとする中、各地の仲間たちと共に計画を阻止すべく最後の戦いを挑む。
前作から引き続き本田翼やディーン・フジオカ、蓮佛美沙子、本郷奏多、新田真剣佑、内野聖陽らが続投したほか、新キャストとして栗山千明も参加。舘ひろしが多数のアクションシーンで活躍。
あらすじ
エドワード・エルリック(山田涼介)らはグラトニーに飲み込まれるも、人体錬成の考え方を応用し、脱出することに成功する。ところが、そこには「お父様」と呼ばれる、ヴァン・ホーエンハイムと同じ見た目の男(内野聖陽)がいた。エドたちはお父様が国土全体を使った錬成陣計画を企てていることを知る。(シネマ・トゥデイより)
僕のように原作を知ってる身からすると思い出深いシーンが実写になって見ることができるので、久しぶりに漫画を読み返したような、再びあの面白さ、感動を味わえて良かったというのが正直な感想なのですが。改めて調べるとコミックスでいう13巻あたりから完結27巻の内容に相当するのでかなり圧縮されてますし、ダイジェスト感があるかもしれません。
でもこの3作目はお父様とホーエンハイムの過去に触れつつ、何を企んでいるのかが判明。そしてそれをみんなで力を合わせて阻止するっていう王道の展開が描かれるため一番入り込みやすいし、完結作品なので最後スッキリ終わることができて原作知らない人も十分楽しめる作りになっていると思います。
アクションシーンに関しては劇中屈指の強さである舘ひろし扮するブラッドレイがサーベルでのバトルシーンが複数回あって見応えがありました。錬金術もダイナミックですごいんですが、ありえないことが起きる＝CGだからどうしてもそこだけ浮いちゃう感があって。主に肉体を使って頑張ってるシンの面々といい、そういう泥臭い戦いの方が個人的にはテンション上がりました。前述のように時間的制約で主人公らに比べると掘り下が弱いものの、じいやとかランファンとかの絆にグッとくるものがあります。どのような覚悟でこの国に来てるかっていう。
一方CG面ですが、グラトニーの腹とかスロウス、本性を出したお父様などなどホムンクルス陣営は異形のために多用されていましたが、そこがますます「人間に非るもの」っぽさ出てて良かった。まあ彼らなりの人格や意志があってどこか通じ合う部分もあるんだけどね。なんというか悲しきモンスター的な側面が強いので、変に特殊メイクとかじゃなく振り切ってくれて正解だと思う。
そのお父様の関係で、山田涼介、内野聖陽は一人二役をやる形になってまして。この演じ分けが特に良かった。人類を守るために方々回ってた関係でエドたちにとってはあまりいい父親とは言えなかったかもしれないけど、ホーエンハイムの聖人っぷり、優しい物腰がほんとぴったりでしたね。それと対照的な自分本位のお父様。それこそカツラやメイクもあるけど、主要キャラはなんとなく日本人じゃないように見えて再現度高かった。真剣佑は前回も触れましたが、今回は栗山千明さんも解釈一致すぎて最高だった。原作読んだ時もあんな感じで想像してた。
あとは過去2作で声とモーションキャプチャーでアルを演じてた水石亜飛夢(僕にとってはキラメイブルー)がついに実写で登場したのも、原作してててもなお良かった。「勝てよ兄さん」はトップレベルの名シーンなんで、ぜひお楽しみに。というか最終盤はね、最大の敵を前に全員で総攻撃して、最後は主人公が決めるっていう少年漫画のラスボス戦の模範解答みたいな展開なのでほんと素晴らしいのよ。繰り返しになりますが、改めて実写で見れて良かった。
ちなみに1作目でポスターに載ってるのに本編に出なかったブラックハヤテ号(ホークアイの犬)が一瞬だけ出てきますのでそこも犬好きには嬉しいポイントでした。マスタングチームもすごい好きなので良かったな。文字通りの女房役みたいな形で、2人の共闘もグッときた。
例によってコスプレ臭がしたり、前述の通り時間の関係で原作を好きな人ほど気になる部分は多少ある作品だと思いますが役者たちがあの世界観を再現しようと頑張ってるのは伝わってきたし、なんにせよ完結までやってくれたのはありがたかった。特に1作目の影響で興業的にはあまりよくなかったかもしれませんが普通に盛り上がるし面白かったので、ぜひそういう評価に騙されずに見てほしいと思います。
Netflixにて視聴。
22年10月末現在、3作品とも全て配信中です。
まだソフトは発売されてないみたいです。
こちらは1作目。
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