ワイルド・スピード/ファイヤーブースト / カーアクションの枠を超えたド派手映像でお馴染みの大ヒットシリーズ最終章2部作のパート1。ドムに父親を殺された男が復讐のため次々とファミリーを襲う。過去作キャストが集結。

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ド派手カーアクションで世界的ヒットの人気シリーズ最新作。1作目から22年、スピンオフ含まずに10作目となる今作はいよいよ最終章2部作のうちのパート1。復讐に燃える男がドミニクやファミリーたちを痛めつけ、最大級のピンチがおとずれ流。今回も主演をヴィン・ディーゼルがつとめ、新キャストにジェイソン・モモア。
数年前、ドムたちがブラジルで金庫ごと車で盗み出して倒した麻薬王のレイエスには息子ダンテがおり、復讐のチャンスを伺っていた。ドムの仲間たちや、実の息子を含めた「ファミリー」たちに次々とピンチが襲う。罠を仕掛けられたローマでの爆弾や、避難場所でのレース。息子の拉致。一方で秘密組織にも動きがあり……。

あらすじ
レティ(ミシェル・ロドリゲス)と息子のブライアンと共に穏やかに暮らすドミニク(ヴィン・ディーゼル)の前に、かつてブラジルで倒した麻薬王レイエスの息子ダンテ(ジェイソン・モモア)が現れる。父親が殺されたダンテは、ドミニクたちに復讐(ふくしゅう)を仕掛ける。(シネマ・トゥデイより)


基本的な要素としてはド派手アクションなので映画の中でも何個も見応えある映像がある一方で、シリーズ完結に向けた集大成、総括、同窓会的な側面もあるからある程度過去作を追ってないと人間関係とピンとこないかもしれません。最序盤に今回の敵であるダンテとの因縁を説明する映像が流れますが、5作目「MEGA MAX」の名シーンがまた見れて嬉しい。完全に後付け設定ですが、実はこの時に息子がいたんだよってわかる。この潔さ好き。
ちなみに金庫をひきづる件はおバカパロディ映画「ワイルドなスピード AHO MISSION」でも別のもので再現されてますのでそちらもぜひ。

141分と割と長めな中に過去作のキャラほとんどぶっ込んで次々に展開していくのでテンポもいいしボリュームもすごいことになってるんですが、個人的には売りである「ローマの中での球体爆弾」でのハラハラもめちゃくちゃ良かった反面、あのキャラの妹などを交えての「レース」が原点回帰って感じで良かった。大勢のギャリーに見守れながらのスタート、どのタイミングでブースト仕掛けるんだ?みたいな駆け引き。ダンテのクズっぷりは過去一番なのでめちゃくちゃ最低の決着するのがむかつきましたけどね。勝負に水を刺すなよ。

今回ほんと同情の余地ないくらいの悪役なのでかえって気持ちいくらい。人を刺した後にナイフ舐めるとか2023年に見るとは思わなかったし、ほしいものを手に入れるためには家族を拉致して脅すのも厭わない。自分だって父親奪われてるのにね。あとは綺麗なローマをあんなふうに遊んでるのも色々と怒られそう。坂道が多い街だから転がりやすいけども、実際にやっちゃダメだし、爆弾も……。

ファミリーが大きくなって、それぞれの絆が固くなった上での「それこそれが弱み。全員は救えない」ってのが繰り返し出てきて、色々とショッキングな展開もありました。敵対してたり捜査官とか仲間になってしまって、劇中でも「車のカルト」って表現されてて(ピッタリで笑った)だからこそ敵だった2人が共闘するのとかグッとくるものあるのに、次々に安否不明になってく。メタ的なことを言えばドムの息子だけは無事だろうなと思った反面、逆に言うと他はどうなるか分からない恐怖。

ずっとペアになっていたおじさんのジョンシナとのやりとりがいちいち面白くて、バカ丸出しの黒人チームもいいけど、こっちの「本人は真面目なんだけどアホ」っていう笑いも大好き。ピースメイカーでさらに好きになっちゃってたからね。Fワードを言っていいのはタンスに小指をぶつけたときだけ(笑) 守る姿がカッコよかった。

今回も人間同士の戦闘アクションシーンもたっぷりあって、特にジェイソンステイサムやシャーリーズセロンがカッコ良かった。新キャラとしてブリーラーソンも出てきて強強でしたね。ちなみに今回はそのキャプテン・マーベル/アクアマン/「ヤングスーパンマン」アクアマン&「タイタンズ」ホークと新キャストが軒並みアメコミ俳優でした。

すでに触れた通り例によってカーアクションは今回も規模を超えていますが、クレーンに体当たりして爆弾を弾くとか、ヘリコプターで引っ張られてるのを逆に。奪われた子供を救う一瞬のタイミングや、予告でも使われるダムを急降下などなどダイナミックすぎてほんと唖然。絶対不可能だろってことを全力でやって見せてくれるからやっぱりワイスピは面白い。金ピカな車や、スパイアイテムぽいラジコンとかも面白かった。

同じ前後編の「アベンジャーズ/インフィニティウォー」と同様に、この後どうなってしまうの?無事なのってところで終わるのですごく悶々とする部分もありますので、あえて見ないで次と同時に見るもよし、予想しながら待つもよしだと思います。でもめちゃくちゃ見応えあるので我慢するのは勿体無いかな……。スケールも大きくなったし登場人物もおおいしでMCUじゃないけどシリーズ追ってきて良かったって思いながら見れました。

残念ながらこの映画には出ませんでしたが、過去作出演者のあの人が次は出ることが示唆されましたし、諦めていたあの人まで再登場してくれてびくり。ぜひエンディングの後もお見逃しなく。


冒頭でも触れた通り最終章の2部作のうちパート1なので次でラストってことですが、なんか23年8月現在「3部作でもいいかな」的な空気が出てきたらしいのでさらに1作あるかも。まだまだこのワールドが続いてくのは大いに期待しちゃいますね。


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