1940年代。ニューヨークの社交界でも有名人のマダムフローレンス。ある日舞台を観て感激した彼女は、自身も歌を習いたいと言い出す。オーディションを経て、練習に付き合うピアノの伴奏者も決定しレッスンがスタートするも持病の薬の副作用のためか彼女の音程は決して良いとは言えず。しかもそのことを誰も指摘しないからピアニアストは困惑するばかり。しかもそのままどんどん突き進みついにはあのカーネギーホールで歌うことになってしまい・・・。
実在の人物をモデルに、面白おかしく、そして夫婦愛にグッとくる物語に描かれた傑作ヒューマン・コメディ。主演の二人の名演は言わずもがな、ピアニスト役のサイモンヘルバーグも演技がひかる。
あらすじ
ニューヨーク社交界のトップとして華やかな毎日を送る一方、ソプラノ歌手を目指して活動しているフローレンス・フォスター・ジェンキンス(メリル・ストリープ)。しかし、その歌唱力は音痴というしかないレベルであった。夫シンクレア(ヒュー・グラント)は、マスコミを買収したり、理解者だけを集めた小規模なリサイタルを開いたりと、病を抱えながらも夢を追う彼女を支えていた。そんな中、フローレンスがカーネギーホールで歌いたいと言い始め……。(シネマ・トゥデイより)
予告動画とかみずにいきなり本編を見始めたので、歌唱シーンは本当に衝撃でした。ググってみたところメリルはこの役のためにわざと下手に歌う練習を数ヶ月もしたそうで、その成果もあって本当にやりきってて凄いです。しかも映画の最後に実際のフローレンスの録音が流れるんですが、この映画が誇張でもなんでもないって改めて痛感できてまたビックリです。
最近ネットなんかにも「共感性羞恥」なんて言葉が普通に使われててご存知のかたも多いと思いますが、例えば「フィクションの中で登場人物が恥をかく」シーンに対して、こっちまで辛くて見てられないっていう現象がありまして。ほんのちょっと不安だったのですが、ほぼ終盤にならないとマダム本人は音痴だってことに気がつきませんし、意外な人物がスカッとする言動をしてくれてすぐに持ち直すので、そこまで不快になることはありませんでした。
実はそれがこの映画のもう一つの核であり、夫の献身というか、必死になって彼女の夢を応援するんです。この場合お金があるから出来たことだし、本人を騙すことが果たして本当に最善なのかっていう議論もあるとは思うのですが、それでマダムが傷つかないで来れたのなら良いじゃないか。最後はそう思ってしまいます。上記あらすじでも触れられていますが、基本的にヨイショの連続ですし、褒めてくれそうな人だけコンサートに読んだり、マスメディアでの論評も肯定的に書くように圧力をかけたりという涙ぐましい努力。終盤あたりの「ニューヨークタイムズ」の流れなんか感動しました。
そこにつき合わされたピアニストのコズメ。彼の演技も本当にすごくて、音痴発覚後の「笑いたいけど笑えないし、気がついてるのは僕だけなんでしょうか・・・」っていう気弱な青年の表情が本当に面白かった。ヨイショ要員その2としても奮闘しますが、コンサート直前のマダムに対する言葉は彼の本心から出てたでしょうし、それが序盤から伏線としてあった「カバンの中身」に繋がっていくのも納得。演じている彼は昨年末ぐらいから僕がドハマりしてこのブログでも紹介したドラマ「ビッグバンセオリー」のメインキャラの一人ハワードでおなじみのサイモンヘルバーグなのですが、この映画では全てのシーンで実際にピアノを引いているというからビックリ。あのドラマとはまた違った役柄で新鮮でした。
この映画より先に、マダムフローレンス をモデルに少しアレンジを加えた「偉大なるマルグリット」という映画もフランスで製作されていまして、そちらもスターチャンネルで録画したので近いうちに視聴してここで紹介したいと思います。
吹き替え版を録画、視聴。
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5月に廉価版が発売予定。
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