映像研を立ち上げたまではいいものの、膨大な数の部活動研究会に悩む生徒会によって統廃合の動きが活発化し、吸収合併されそうになる。折衷案として、文化祭でロボットを扱ったアニメ作品を発表しようと試みるのだが、経験値や圧倒的なリソース不足で難航。さらには親にはアニメ関係であることを隠していたことも露見しそうになって……。
小西桜子、グレイス・エマ、福本莉子、松崎亮、桜田ひよりをはじめ、赤楚衛二や浜辺美波も参加。
あらすじ
アニメ好きで想像力豊かだが人見知りの浅草みどり(齋藤飛鳥)と、彼女の友人で金もうけが好きな金森さやか(梅澤美波)が入学した芝浜高校では、413の部活動と72の研究会・学生組織を大・生徒会が運営していた。そこで彼女たちは、カリスマ読者モデルでアニメーター志望の新入生・水崎ツバメ(山下美月)と出会う。意気投合した三人はアニメで最強の世界を作り上げるため、映像研を設立しようとする。(シネマ・トゥデイより)
映像研を中心にしつつも、部活動にいそしむ学生たちのドタバタをファンタジーって規模でわちゃわちゃ描かれててお祭りみたいな作品でした。あらすじから分かる通り笑っちゃうくらいいろんな部活が登場するし、その分生徒は出てくるし、「シン・ゴジラ」を彷彿とさせる人物紹介テロップのあらし。もうギャグとして成立してる。生徒会じゃなくても『お前らそれ何が違うんだよ』ってツッコミ入れたくなりますよ。
僕はそもももそドラマから入った口。ずっと気になっていたものの原作、アニメ共に見れずにいた状況で、なんとなく録画してみたのが結構面白くて。続編であるこちらも楽しみにしていました。それらがヒットしていた関係でどうしても比べられちゃうし、尺の都合でどこにスポットを当てるかってのが難しいのは間違いないと思うんですけどね。個人的には「主役の3人をアイドルがやっている」という事実で若干ハードルが下がってるのも功を奏したのたのか(そのジャンルが全部どうこうって話ではありません。) すごく面白かったし、単純に続きが見られること、「ドラマからよりパワーアップしてる」のを感じられてとても楽しかったです。ちなみに監督は「あさひなぐ」の英勉さん。
ちなみに序盤の方でドラマ版の総集編のように同じ流れがあるので、見ていなくても問題ないです。
ドラマと重複する部分の後、大きな軸としては文化祭の出し物としてロボットアニメを制作するって部分ですが、実際の作業そのものよりも妄想が爆裂してイメージ映像がどんどん広がっていく……という演出はオタク気質ある人間としてはすごく共感しちゃったし、折衷案を考えてる中でのみんなの「絶対に折れたくはないこだわり」もあるあるすぎてニヤニヤ。個人的に何作品かガンダムを見たくらいで劇中で触れられるロマンそのものはピンと来ないものもありましたが、【好きなものに対する情熱】とか誰もが理解できるポイントだと思うので、乗れると思います。青春そのもの。
大生徒会という権力の前になんとしても平伏さないぞ、という気概とか団体の垣根を超えて協力、取引して立ち向かうのも燃える展開でしたし、3人のうちの一人、金森がつっぱしる二人の代わりに軍師的な役割をするのが面白かった。フィクション的なご都合もあるものの、あそこまで活用できたら実際なんとかなりそうな気がするくらいには、3人だけの研究会と思えないリソースが使えるよになってました。最終盤「文化祭前日の徹夜を阻止する」攻防も笑えました。学園モノであるあるですよね、最後の追い込みで夜遅くまで、って。
一個だけネタバレしちゃうと、一応作品は完成します。ただその上で発表の場にツバメの両親が来ちゃうってなった時の葛藤と友情のくだりは映画の中で一番泣ける部分だし、実際に作り手としても最後にそういう場面を持ってきたんだと思います。一緒になってドタバタをやった中ではくぐまれた絆。3人ともちょっと変わってるけど、その歯車がきちっと噛み合ってる感じがしますし、みどりも人見知りなだけで対人関係で空気が読めないわけではない。その流れを経ての「二人は娘のお友達?」って台詞への返答がまたジーンとくるんです。ピンチを一緒に切り抜けてるから、戦友みたいなものだと思う。
生徒会の方も、特にグレイスエマさん演じるキャラが非常に良くて、主人公チームにとってはいわば敵の彼女が、最終盤で……ってとこも良かったです。主役3人に次いで存在感があった気がします。最初に触れた通りものすごい人数が出演してて、その分出番自体が少ない人も出てきちゃうんですけど。あんな人もこんな人も、って驚きがあるのも見どころですのでぜひ画面の細かいとこまでチェックしてみてください。
動画サイトで配信されていると思うので、後ほどアニメも視聴したいと思ってます。
WOWOWにて録画、視聴。
22年4月現在、アマゾンプライムビデオでも会員見放題対象です。
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