エターナルズ / 7000年に渡り、秘密裏に脅威と戦ってきた10人の地球の守護者たち。絶滅したはずの怪物が再び姿を現したり、各地で異変が起きたことで再び仲間が集結することに。MCU(アベンジャーズ)作品。

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スパイダーマンの最新作も大ヒット中、MCU作品群に新しいメンバーたちが追加。人類の裏で、秘密裏に脅威と戦っってきた宇宙からの守護者エターナルズ。能力も性格も違う彼らの奮闘により平和が訪れたはずが、地球に再び異変が起きる。散らばった仲間たちを集め、再び立ち向かうことになるが、そう上手くはいかず……。
かつて地球の守護者として怪物と戦い、全滅させた10人の戦士たち。その一人である女性セルシは人間社会に完全に溶け込み、普通の男性と付き合っていた。しかし世界各地で地震が起きたり、モンスターが復活するなどの異変が起きる。そこで散らばったかつての仲間たちに会いにいくことに。そこで異変の真相と、自分達の本当の使命を知ることに。
ジェンマチェン、アンジェリーナジョリー、ソマンドクら多種多様なキャスト共演。監督はクロエ・ジャオ。
あらすじ
ヒーローチームが不在となった地球で、人類の行動が新たな脅威を呼び起こしてしまう。そんな中、7,000年にもわたって宇宙的規模の脅威から人類を見守ってきたエターナルズと呼ばれる10人の守護者たちが、数千年の時を経て次々と姿を現す。散り散りになっていた彼らは、人類滅亡まで7日しかないと知って再結集する。(シネマ・トゥディより)



このブログでもほぼ全ての作品を紹介している、マーベルの一連作品の一つになるのですが、今回は今まで全く出てこなかった面々がいきなり大量に登場しますし、逆にこれまでのキャラは出てこないので(今後の作品の示唆はちょいちょいある) 、シャンチー同様に過去作見てなくてもすんなり入りやすいです。ただまあエンドゲーム関係での「指パッチンで世界の半分が突然消えた」とかあるいは固有名詞は出るので【同じ地球を舞台にしている】って前提はあります。

そもそも上記あらすじがちょっとズレてて、別にヒーロー不在ってわけでもないし(この映画で描かれてないだけ) 引き金になってるものの人類の行動が悪かったわけでもないです。エターナルズには「ディビアンツ」というモンスターと戦うという使命が課せられていて、それ以外はするなと言われていた。でももう一つ隠された任務があって、それによって……が劇中で明らかになっていくわけで。完全に彼らを中心とした物語です。
この余計なことするな、という設定で「あんなに強いならサノス倒してくれよ」ってツッコミを封じてるのが面白いです。

スーパーマンのような人、怪力、超高速移動、変身厳格、機械を作る、物質変化、人を操る、癒し、武器を題して戦闘特化、指から弾丸。と、その能力が結構強いしロマンあるし、なのでこいつらでアベンジャーズとして戦ったら大抵のヴィランは一瞬で倒せてしまうという。だけどそれぞれに価値観や性格が違うから、人間に介入しちゃダメなのに戦争を止めようとしたがったり(偉い)、進歩するのが面白くて新しい技術を教えたがったり(シミュレーションゲームみたいだしね)、恋愛感情や、兄貴のように慕ったりなどの関係性もある。固有名詞のオンパレードなんでそこでハードル高く感じる人もいそうだけど(笑) 見ていくうちにわかっていくのでご安心を。
基本的に主人公はセルシ(ジェンマ・チャン)で、彼女の目線で展開していきます。この人は物質を変化させる能力を持ってて、途中でリーダーを受け継ぎます。スーパーマンみたいなイカリスと一度は相思相愛だったものの彼が一方的にさり、今は普通の人間と付き合ってる。だからこそ人間が、人間社会が好きで、任務か、人類かの天秤で人類を選ぶ。ちなみにMCU映画としては珍しく、そこまで露骨じゃないもののラブシーンで裸が映ります。

予告動画で赤いでっかいのがチラッと映りますが、これがアリシェム。これがエターナルズを派遣した本当の目的を知った時、仲間達の反応もさまざまで、最終的に敵対していくことに。だからアクション方面では エタナールズVSディビアンツ(モンスター)、あるいはエターナルズVSエターナルズという要素があります。前述の通り特に先頭に特化したタイプの能力はものすごい派手で、それこそマンオブスティールのような、パンチ一発殴っただけでめちゃくちゃ重たい、的な映像表現はとてもワクワクしました。さらにそれぞれ色鮮やかなユニフォーム着てるし、金色の特殊な紋様が浮き上がるので綺麗なんですよね。マッカリが個人的に高速移動で助走つけて殴るのと、あとは己の拳一つで戦うギルガメッシュ(マ・ドンソクがピッタリ)が好きです。ディビアンツも独特のキモさがあり、特に後半進化するんでね……。ビジュアル的にちょっとウルトロンを思い出します。

156分という長さにおいて、これが初登場なので各キャラの掘り下げ、回想、仲間集めも同時に行うため正直アクションがもう少し欲しかったという気持ちも否めなくはないのですが、それぞれの譲れない思いがある中で最終的に人類のために再びチームが集結してって流れは良かったです。脅威の規模が想像よりずっとスケールのでかい話で衝撃を受けつつも、最後には思いの力でとんでもないことをやってのけるという感動。もう戦いには行きたくないってキャラに対して、その夫が「息子が成長する姿を見れる可能性が、その戦いで増えるなら行ってきて」って送り出すシーンがすき。そもそもエターナルズがいろんな人種ですが、ここも男性同士のカップルだし、聴覚障害者のヒーローいるし、配慮されていました。

ギャグシーンもちょいちょいあって、予告のイケアの新作テーブルを含めニヤニヤするポイントもありました。特にキンゴ周りがね。吹き替えが杉田さんってこともあって笑えます。唯一普通の人間として同行してくるキャラがいるし。ボリウッド要素とか、あるいは宗教的なのも少し。ただこの人スプライトとかの三角関係とか、自分と他のメンバーの能力差とかちゃんと見てて、普段おちゃらけてるけど実は……って魅力的なキャラなんですよね。アベンジャーズでもアントマンあたりが割とコミカル担当してるけどそんな感じ。幽遊白書の霊丸じゃないけど、真似しやすそうだし。

全てが終わった後もちゃんと描写されて、他の宇宙へ向かうもの、もう戦闘には参加しそうにないもの、そして今後を示唆する流れ。セルシどうなっちゃうの〜も衝撃的でしたけど、新キャラが複数。マーベル恒例の、エンドクレジット前後のおまけシーンはほんとお見逃しなく。「シーハルク」や「ガーディアンズオブギャラクシー」そして声だけながら、一度は実写映画3作やったあのダークヒーローまで出てきますよ。

公開当時はいろんな意見を見かけましたが、自分で見てみると、これまでのアベンジャーズ系とはやはり違う感じはしましたね。「ノマドランドの監督」という、アメコミやアクションとはあまり関わってない人がとうとこうやって人間ドラマメイン、そして地球という環境の素晴らしさにスポットが置かれるんだなぁという印象でこれはこれで好きでした。日本人として科学の進歩によって起きた原爆を悔やむシーンがあったのは多くの人が目にするMCUでやったことに意味があるだろうし。10人の価値観の違いを、自分ならどのひとに近いかなって考える見方も面白いと思います。
逆にいうとこれまでのド派手アクション、どかーん!的なのを期待しすぎるとあれってなっちゃうかも。
強さ的には「ホークアイとかこの人たちと共闘してバランスとか大丈夫なのか?」って思うほどチート級なんですけどね。

ディズニー+にて吹き替え版で視聴。会員の方は追加料金なしで見れます。

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