NYで暮らしはじめて15年が経ち、ティーンエイジャーになったモーガンのことや、都会での忙しい日々にストレスが溜まってきたジゼルたち家族はモンロービルという郊外に引っ越すことに。新天地でのびのび暮らせるはずが、ボヤ騒ぎやご近所さんたちとの関係などトラブルが続き戸惑う。お祝いに願いが叶う杖をもらい、軽い気持ちでおとぎ話のような世界になればいいと願った結果、彼女が想像してたのとは別の形に変化が起きて……。
主演のエイミー・アダムス、夫役のパトリック・デンプシーやイディナ・メンゼル、ジェームス・マースデンらが再集結したほか、ガブリエラ・バルダッキーノ、マーヤ・ルドルフが参加。
あらすじ
魔女によっておとぎの国アンダレーシアを追放され、たどり着いた現代のアメリカ・ニューヨークで弁護士ロバート(パトリック・デンプシー)と恋に落ちたジゼル(エイミー・アダムス)。彼と結ばれ15年たち、幸せな日々を送る彼女はロバートの娘であるモーガン(ガブリエラ・バルダッチノ)と3人で郊外の街モンロービルに移り住む。ところが思い描いていた生活とは異なるトラブル続きの現実に戸惑うジゼルは、魔法の力を借りる。すると街全体がアンダレーシアのようなおとぎ話の世界に変貌してしまう。(シネマ・トゥデイより)
かなり前から続編が出る出るっていってて、やっと実現。まずは無事に完成してくれて良かった。改めて15年って相当経ってますね。今でこそミュージカル映画の割合も増えてきたけど、当時はめちゃくちゃインパクトあって一気に心が持ってかれた。おとぎ話の世界を実写でていうのも魅力的だし。
今回はその良さを入れつつ、捻ったというか皮肉った内容になっててこれまた面白かった。予告動画等々にある通り「魔法が意図しない方向に働く」んですが、よりによってジゼルが意地悪キャラに。シンデレラにはじめ継母は意地悪キャラという【プリンセス作品あるある】を公式でパロディしていくのは笑ちゃいます。同時に昨今ディズニー実写映画の【悪役にスポットを当てる】要素でもあるし。
マルヴィーナとその腰巾着2人というわかりやすい悪役が出てきて、彼女たちにいじめられるのかと思ったら闇落ちジゼルと彼女とで悪女対決的な展開になっていくし、愛すべきマスコットキャラ、リスのビップが猫になっちゃうし。予想の斜め上すぎました。
でも基本的には母と娘の関係が一番のテーマ。モーガンも劇中では典型的なティーンエイジャーって言われてるけど別にそこまで反抗期ってわけじゃなくて、あのジゼルのノリによく合わせてくれてると思う。「また歌うのかよ」ってうんざりしてても拒絶してるわけじゃないし、仕方ないとはいえ花柄の服も着てくれるし。もうそこまで干渉しなくても独り立ちしていくんだよ、っていう時期と、いつまでも色々やってあげたいジゼルとの思いの温度差でギクシャクしてしまう感じなのかなって。
それなのに魔法の力で変貌したら虐めるようになってしまうのがなんとも切なくて。これはあくまでファンタジーですが、心配のあまり口うるさくなってそれをウザがれれたり、厳しくしつけすぎたりみたいなことにも共通してる感じがして共感できるポイント高かったかなーと。母親同士のマウントの取り合いとか、派閥だとか色々考えちゃう(笑)
一応宿敵マルヴィーナの息子とモーガンとのラブロマンス的な要素もあるにはありますが、メインじゃないから抑え目。進展するのは後日談とかかな。でもシンデレラでいうところの王子ポジションなので終盤に見せ場があります。もちろん夫で父のロバートも活躍しましたよ。妻に合わせて郊外に来たから毎日長距離通勤しなきゃいけなくて、車内でのシーンの哀愁がツボだった。巨人との戦いっていうアクション要素も担当してたし、散々ダメっぽいとこやった後での最後は決める。さすがジゼルが選んだ相手だ。
そして実写版ソニックでもカッコよかったジェームズ・マースデンはね、ほんと「おとぎ話の王子様」を最初から最後までやりきってて本当に良かった。アンダレーシアでは普通、現代社会では非常識っていう価値観を屈託のない笑顔で無邪気に提案してくるの可愛すぎる。
もちろんパフォーマンスシーンもこのシリーズの売りなので、これでも勝手くらい出てきてマジで明るい気分にさせてもらいます。若干Amazonオリジナルの「シンデレラ」を連想してしまいましたが、似たようなテーマなのでしょうがない。特に前述の「悪女対決」の曲が好きです。あとは部屋の片付けしてる時もいろんな物が踊ってて良かったなー。
12時の鐘っていうタイムリミットがある中、そこはディズニーなんでハッピーエンドは当然だと思いつつも結構なピンチでハラハラしました。何が最後の希望になるのか。おとぎの世界でのアレがヒントになってこっちでもなんとかなるっていう流れが美しかったし、15年という空間があいたけどこの家族は確実にいろんな思い出を作って今日まできたんだなってことを改めて実感してジーンときちゃいましたし、「魔法を使う条件」を活かした流れは感動的だった。継母じゃないよ。母だよ。
歌唱シーン盛り込みつつもも家族の絆物語をきっちりやってくれたのも良かったし、例によって「ファンタジーの世界観を実写で表現」っていうのが自分もおとぎ話に入ったみたいで楽しかった。腰巾着2人とか、喫茶店のマスター(のちに鏡も兼任?)とかちょい役のキャラも濃かったし。リスのままだとできることに制約あるからってメタ的な要素かもしれなけど、まさかの猫だったのも笑いました。
タイトルの通り続編映画なので1を見てないと思い入れが少なくて勿体無いと思いますが、再序盤で経緯説明があるから初見や内容忘れてた人も大丈夫かも。他社だからやらないだろうけど、金曜ロードショーはこのタイミングで1をやれば良かったのに。
ちなみに原題は"Disenchanted" で。製作決定のニュースとかでも「魔法がとけて」って仮題がついてた気がする。おとぎの国から離れても、幸せはあるよ、ってニュアンス出てエモい。邦題は「魔法がとけても」とかだったらどうかな。まあ「2」が分かりやいし、今回も魔法にかかるから間違ってないけど。
Disney+にて吹き替え版で視聴。独占配信中。
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