デッドプール2 / やりたい放題のダークなヒーロー「俺ちゃん」が帰ってきた。主にウルヴァリンを中心にあらゆるジャンルを茶化しつつ、ド派手アクションもパワーアップ。新たな仲間も増えた、傑作ファミリームービー。

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アベンジャーズやX-menのマーベルコミック原作のアメコミ「デッドプール」第4の壁を超え、読者に向かって話しかけたり、他の作品の話題を出したりやりたい放題、おまけに本人の能力も「不死身」という事で、彼の良さを最大限に引き出し、これでもかと言うくらい破茶滅茶でゴキゲンな実写作品となって大ヒットした前作。早くも帰ってきたこの第2弾では新しい仲間も増え、アクションも、バイオレンスも、笑いも全てがパワーアップ。勿論シリアスな場面もちゃんとありますし、グッときて爽やかな終わり方はこれぞエンターテイメント。
アベンジャーズで猛威をふるったジョシュ・ブローリンや、日本からは忽那汐里らが加わり登場人物が増えたところも見所。
あらすじ
のんきに過ごすデッドプール(ライアン・レイノルズ)の前に、未来から来た“マシーン人間”のケーブル(ジョシュ・ブローリン)が現れる。大好きなヴァネッサ(モリーナ・バッカリン)のためにまっとうな人間になると決めたデッドプールは、ケーブルが狙う不思議な力を持つ少年を守ろうと、特殊な能力があるメンバーだけのスペシャルチーム「Xフォース」を作る。(シネマ・トゥデイより)

冒頭からいきなり映画「LOGAN/ローガン」の最終場面をネタにしてくるなど、例によって現実世界の色々なことに言及してきますし、「映画で必ずある、どん底に落ちるシーン」だとか「これ伏線ぽいよね」などなど、メタ的なセリフがバンバン。だからこればかりは「元ネタわかればわかるほど面白いです」って言わざるを得ないです。半減しちゃうかも。
特にアベンジャーズ最新作で最強の敵サノスを演じたジョシュ・ブローリンが今回ケーブルと言うキャラで登場するのでそのことをネタにしたり、あまりにもシリアスなので「暗すぎるよ、DCユニバース出身か?」ってセリフがあったりとほんと面白かった。このブログでも散々言及してますが、最近のバットマンとかスパイダーマンって画面も暗めだしお話もかなり真面目なんですよね。もっと頭空っぽにして見れる内容でもいいのに。やっぱり世界共通の認識なんですね笑

敵地に降りる時の決めポーズなんかも含め、予告動画でも出てくる映像だけでも笑ますが基本的に前編そんな感じで進んでいきます。なるべく逃さずに見るぞって意気込んだのですが、ケーブルが現代にやってきた時に「今は何月何日だ?」って聞いてる相手がすごい俳優だったのは、見終わったとにググるまで気がつきませんでした。そうそう「デッドプール2 トリビア」などで検索すると小ネタの解説が見れますので、「映画を見終わったら」ぜひチェックを。先に知っちゃうとつまらないです。

前述の通りXフォースと言うチームを組んで戦うんですが、その中の一人、ヴァニッシャーと言う透明人間がいまして。一瞬だけ映る彼の素顔がね。絶対これカメオ出演だな、と思って楽しみにしてたのですが、予想以上の人物でビビりました。お楽しみに。スタンリーじゃないですよ。
他のキャラでいうと新ヒロインのドミノ。デップーが「ただラッキーなだけって地味じゃない?」というのがネタふりに聞こえるくらい、めっちゃ鮮やかな芸当を見せてくれて楽しかった。ピタゴラスイッチ的というか、全てが彼女にとってプラスに動くのは圧巻です。

見るまではあまり出番はないのでは?と不安だったユキオですが、戦闘シーンもあり、嬉しかったです。でもそれ以上に出てくるたびに「可愛らしい」っていう言葉がぴったりのキャラで、デップーとのやりとりがほんと微笑ましかった。そこだけ違う映画みたい。前作から続投のネガソニックのことは例によってジャスティンビーバーとかふざけてますけどね。

そうそう、X-menのメンバーがネガソニックとコロッサス以外で「いくら予算がなくても」なんてネタにしてたあれ、今回はそれに対してちょっとしたサプライズがありまして、かなり嬉しかったです。基本デップーはバカにしまくりで、プロセッサーXの車椅子で「恵まれし子らの家」暴走するのとかほんと爆笑でした。ローガンを含め、あくまで「X-men映画シリーズのいち視聴者」としてコメントできちゃうのがすごいですよね。デップーの設定だからこそ。

アクション映画としても見応えバッチリでして、R指定でバイオレンスの規制も弱めな分とても爽快なバトルシーンがバンバン出てきます。序盤では世界をまたにかけて悪党を倒す彼の姿もみれますし、刑務所でのシーンや、敵キャラとのバトルもほんと最高。スーパーヒーロー着地を膝に負担がかかると言ったり、コロッサスとあのキャラとのバトルを「ここからCG戦闘シーン」なんて茶化したり、ギャグも忘れてないからすごい。

でもなんといってもそうやって破茶滅茶やりながらも、最後は全部がまとまって、グッとくる物語になっちゃうから凄いです。「なるほど、確かにファミリームービーだった」って自信を持って言えちゃう。Xフォースメンバーだけじゃなく、前作からおなじみの、盲目のおばあちゃんや、友人のバー店主、タクシー運転手ドーピンダーを含め、デップーの仲間たちはほんと魅力的だった。ファイアーフィストも思春期のこじらせた子供って感じで感情移入しやすかったし。

あの大ヒット作の後なのでどうなるかと少し不安でしたが、上がったハードルをちゃんと超えてきて、違う魅力を追加して帰ってきたのはホント嬉しいですよね。おそらく続編も作られるでしょうし、今後も楽しみです。最後の「次回作を予感させそうなアレ」はギャグ時空としてなかったことにされるのか、それともしれっと本編に組み込んでくるのか。期待してます。
グリーンランタンをネタにするのホント笑っちゃう。僕は好きですけどね。

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