幼少期の体験のトラウマにより人を避けて生きてきたダニー。彼の不思議な能力を求めて今なお亡霊たちは追ってきていたが、善良な亡霊のアドバイスによって「箱」に封印することに成功。同じ頃、彼のような能力をもった子供たちを次々に狙ってはその正気(スチーム)を手に入れる謎の集団の存在が判明。ダニーより強力な能力を持つ少女アブラと協力し、その集団「トゥルーノット」の野望を砕こうとするのだが……。
レベッカ・ファーガソン、カール・ランブリー、カイリー・カラン、エミリー・アン・リンドら共演。
あらすじ
40年前、雪山のホテルで父親に殺されかけたことがトラウマになっているダニーは、人を避けるようにして生きてきた。同じころ、彼の周囲で子供ばかりを狙った殺人事件が連続して起こり、ダニーは自分と同じような特殊能力によってその事件を目撃したという少女アブラと出会う。事件の真相を探る二人は、あの惨劇が起きたホテルにたどり着く。(シネマ・トゥデイより)
長い!(笑)まだここで紹介できていない映画「IT完結編」もそうですが、普段2時間弱の映画になれてると152分は体感的にめちゃくちゃあって、ものすごいボリュームを感じます。実際に、ダニーがどう暮らしてたか、悪の集団トゥルーノット、アブラの能力と犠牲者探し、直接対決、そして「シャイニング」の舞台である吹雪くホテルでのバトルなどなど、盛り沢山の内容で、小説でいう"章"がいくつもある感覚。
例えば人の心に直接話しかけることができるダニーが、余命いくばくもない患者に対して安心させる言葉をかけ、それによって【ドクタースリープ】と呼ばれるエピソードも良くて。能力がいやで一度は酒に溺れ最低な生活をしてた主人公がやっと意味のある使い方ができた、生きがいを見つけられたという感動があってこれだけでも1本の映画になり得ます。
逆に敵側のトゥルーノットも、世の男性全てを敵とみなし、ロリコンを釣っては人を操る能力で肉体的な傷、心の傷両方植え付ける少女【スネークバイト・アンディ】が加入し、彼女の目線で組織がどういう存在なのか、どうやって何百年、何千年と闇の中をながらえてきたのかが解って面白かった。リーダーである【ローズ・ザ・ハット】のカリスマもどんどん伝わってくるし。
ただ如何せん味方が強すぎた。シャイニングというのは不思議な能力全般を指してるんですが、もう一人の主役アブラは誰よりも強力なシャイニングの持ち主で、遠く離れた人の頭に入り込んだり、彼らを通してその景色を見たりと、あるいは幻覚を見せたりとそりゃもう圧倒的なパワーを見せてくれます。だからこそトゥルーノットからターゲットにされてしまうわけですが、彼女自身がほとんど動かなくてもサポートや反撃できちゃっててすごいです。
敵は生気(スチーム)を吸って半不老不死(?)な状態なので、直接攻撃がきくというのも面白かったですね。単純な亡霊だと何で倒していいんだって感じですが、普通に銃や交通事故で戦える。だからこそダニーが秘密を話して手伝ってもらったビリーも結構な活躍をしてくれるんですが、能力に対する体勢がないので、やはり最後はダニーが頑張らないといけないことになります。そこで満を辞してのあのホテルの登場ですよ。
正直最後に「シャイニング」見てから時間経ってて内容が抜け気味ですが、それでも数々の映画でオマージュされるような象徴的な場所やキャラクター、演出は忘れられないもので。予告でも使われてますが結構懐かしかったです。特にバーテンダーの姿がああいう形になってたのはびっくり。もちろん別の俳優さんなんですが、シャイニングのとあるキャラそっくりでした。
しかもご丁寧にオノまで登場して予想外のピンチになるんでそこも衝撃でしたね。罠にはめて倒す、のではなく、あくまで自分にとっても敵にとっても危険な場所でのラストバトルにしてるからこその緊迫感。
良き精霊の言葉的になんとなくそういうラストかなっていう予感はあったのですが、そこからさらに捻っていてなんなら続編作れるかもよ、という終わりなのも個人的には好きです。
映像表現としては、随所に心音のような、ドクンドクンという効果音があるんで、それにこっちまでつられて独特の緊張感が続いてましたし、部屋の重力の方向が変わったり、あるいはホテルでの不思議現象などなどそれなりにホラー風味にはなっていましが、「怖い」っていうのとはまた違う方向でしたね。何が起きるんだろ、どうなるんだろっていう不気味さ。全体的に画面も暗めですし。
オカルトとか好きな人には特にオススメしたい1本です。もちろん1作目見てない方はそちらも合わせてぜひ。
今回も原作未読のまま視聴してしまいましたが、いつか必ず読んでみたいと思ってます。
Netflixにて吹き替え版で視聴。
ドクター・スリープ(吹替版)
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この記事へのコメント
映画マン
最初の方は全くあのホテルが出てこなかったので、「いつ出てくるんだ?」とずっともやもやしてましたが、最後の最後に登場しましたね。
しかも、敵との最終決戦の場! これは粋でした。
ダニーとアブラにとっても、敵にとっても危険な存在というのが、ホテルの不気味さを掻き立ててますね。
あの双子もまた登場してくれて、「来た!」って感じでした。
やはり前作「シャイニング」を観てからの方が断然楽しめますね。