雨の日は会えない、晴れた日は君を想う / ジェイク・ギレンホール主演。交通事故で突如妻を失った男。想像してたより大きな感情は湧きおこらず困惑する。自販機のクレームを入れる形で身の上話をしたためるのだが……。

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『ダラス・バイヤーズクラブ』のジャン=マルク・ヴァレ監督がメガホンをとった、ジェイクギレンホール主演のヒューマンドラマ。妻を失った男性を主人公に、彼が自身の感情と向き合っていく姿を描く。
ウォール街のエリートであるデイビスは上司の娘でもある妻を交通事故で失ってしまう。周りは気を使って接するが、当の本人は予想していたほど深い悲しみもなく、ごく普通に出勤する。しかしだんだんと彼の行動は不可解なものになっていき……。
共演はナオミ・ワッツ、クリス・クーパー他。
あらすじ
ウォール街のエリート銀行員ディヴィス(ジェイク・ギレンホール)は順調に出世し、リッチで何不自由のない生活をしていた。ある日、交通事故で美貌の妻が他界するが、涙を流せず、感覚を失っていることに気付く。彼は義父の言葉をきっかけに、身近なものを壊し始め……。(シネマトゥデイより)


非常に印象に残るタイトルで、ずっと気になっていたのですがNetflixにあったので視聴。原題はdemolitionで、建物などの破壊などを意味する単語。確かに全体を表した題名だと思います。「破壊と再生の物語(物理)」ですから。
ちなみに邦題はというと一応劇中に出てくるワードでして、かなり終盤の方で明らかになります。ただこれあんまり内容に関係してないようなきもします。検索するとそういった意見が多く出てくるので、僕のように「どういう映画なのだろうか?」と強い興味を引くのはかなり成功だと思いますけど、それだけになっちゃってる気がします。
まあ映画で強調される「無関心」とリンクさせているのでしょうけども。

そうそう、この映画劇中で登場人物に「全てが何かのメタファーに感じる」とまではっきり言わせてるんですよね。なかなかすごい。上記あらすじにある通り、無関心から色々なものに興味を持ち始めたデイヴィスはいろんなものを分解し、あるいは家の解体を手伝ったりするようになる。月並みな表現になりますが、壊してるのは果たしてなんなのか、ってお話なんです。
でも本来深い悲しみに襲われるのが普通なのにそういう事にもならず、モヤモヤをどうスッキリさせていいかわからないときにああいう行為をするのはスカッっとするのはなんとなく分かりますよね。何かを壊すのはストレス解消になるでしょうし。

さらに彼が想いをぶつけるのが、クレームの手紙。妻が運ばれた病院で故障していた自販機の会社に、苦情を入れる形で今回の事故のことやこれまでの日々を誰にあてるわけでもなく書き連ねていく。事務的な返事が来ても、2通目3通目と追加でどんどん送っていく。見ている僕らにとってはこれが回想シーンであり、事故後のデイヴィスがどう過ごしているのかわかるのですが、なかなかにネジが外れててましてね。
ジェイクの特徴的な目というか、「ナイトクローラー」などの少しブッとんだ役柄が似合う俳優さんなので、とにかく気になったら分解してみるっていう彼の行動は狂気を感じて怖いです。だからこそ手紙を受け取ったカレンが最終的に彼と実際に会うようになるのはすごい勇気いるよなぁって思いました。確かにあの手紙はとても心に訴えるものがあるし、「誰かが話し相手にならなきゃどうにかなっちゃうかも」って思わされるのは間違いないのですけどね。

ただこの映画が面白いのは、確かにカレンとその息子の日々が「妻を亡くした男の悲しみを癒した」という単純なストーリーでは無いところなんですよ。すでに触れたタイトルの「破壊」もそうですが、それらの要素が色々絡みあって、感情や妻の存在を、デイヴィス自身が「実感」していく物語なんだなーって。狂気は感じるけど、どっか生き生きしてるんです彼。ヘッドホンして雑踏で踊るし笑

そんな感じでハッピーエンドで終わるのかな、と思いきや、とある事実が判明。ここでやっと自分の本当の気持ちを実感するというか、最後の一滴で一気に溢れだすという感覚でした。ブッとんだ行動で若干置いてけぼり感はありましたが、主人公にかなり感情移入してるのでこっちも色々と込み上げるものがありましたしね。

そして壊してばかりの彼が「再生」させたもの。とても爽やかな終わり方で、大満足でした。色んなことに区切りをつけない限り、前には進めない。いい映画でした。


繰り返しになりますが、Netflixにて吹き替え版で視聴。おととい書いた「プリズナーズ」や、以前紹介した「サウスポー」など、ジェイクギレンホールは高橋広樹さんでほぼ確定のようですね。カッコよくて好きです。

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動画はこちら
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