ロビー・アメル(「アップロード」主演)とスティーヴン・アメル(「ARROW」主演) の従兄弟同士での主演&制作総指揮で送るSFクライムスリラー。監督のジェフ・チャンが元々製作していた同名短編映画を長編化した作品。基金をクラファンで集めて実現。(不確定情報)特殊な能力を持って生まれたものの迫害されたりドラッグの原料として利用された人たちが犯罪に手を染めていく社会で、母の治療費のためにギャングになっていく男の物語を描く。
人口の4%が何らかの特殊能力を持って生まれてくる世の中。コナーは電気を操る能力者だったが、なかなか定職につけず、母の治療費さえままならない。そんな時に能力を悪用しようとするギャングのギャレットに誘われ、訓練をしたり犯罪を犯していく。ギャレットのボスや、犯罪者を取り締まる警察の思惑が交錯し……。
あらすじ
人口の約4％が超能力を持って生まれてくる近未来。超能力者たちは、大多数の非能力者たちから迫害を受けていた。電気を操る能力を持った青年コナーもまたまともな職に就けず、難病に侵された母の治療費に苦心していた。そんなある日、コナーは超能力者のギャング組織を率いるギャレットと出会い、高額な母の手術費用を稼ぐため組織の仲間となる。罪の意識にさいなまれながらも、生きるために犯罪を重ねるコナーだったが……。(WOWOWより)
このブログでも数回紹介している好きなアメコミTVドラマ「ARROW」で主人公を演じていたスティーヴン・アメルと、アマプラ「アップロード」主役などのロビー・アメルという、従兄弟共演てだけでもかなり楽しみにしていた作品。アローと同じ世界観で展開してるドラマ「フラッシュ」でも最初の方ではレギュラーだったので、初共演てわけでもないですけどね。ちなみにこの映画の主役はロビーの方です。
映画の内容自体も好きなジャンルの「超能力モノ」ですし、実際の映像表現なんかでもハリウッド作品に劣らないくらいのクオリティでチープさは感じませんでした。特に主役が電気攻撃なので、捕まえようとするドローンやアンドロイドを故障させたり、一度に複数の電球をつけたりと、相手に向かってバチバチ飛んでくみたいな派手さがないところが良かったんだと思います。地味だけど、かなり強力。世の中電気で制御してるモノだらけですからね。そりゃ悪人としては仲間に入れたい。さらにコナーはレベル5と、訓練を経てめっちゃ強くなりますし。
そう、ケイパームービーとしての面白さがあるんですよ。計画している犯罪者側を主役にしていて、彼らを応援したくなる感じ。何といってもコナーは母親の治療のため、っていう泣かせる理由がありますからね。誉められた手段じゃないけどお金を手に入れてはやく助けてあげたくなっちゃう。二人とも望んで能力者になったわけじゃないのに力が暴走したり、ちゃんとした労働さえできないのだから同情しちゃうよ。劇中の設定では犯罪者の80%が能力持ちってことでしたが、それしか方法がなくて、力を持ってたとしたら道を踏み外してしまう気持ちはわかる。説得力がありました。
そのあたり、警察側の人間の掘り下げにも関わってきて。なんか妙に優しい人がいるなぁと思ったら、身内が能力持ちっていう。しかもそのことを隠してるって感じでしたからね。この世界でどれだけ生きにくいかがここからも良くわかる。一方でドラッグの材料にもなってしまうのがかわいそうでしたね。実社会での臓器売買にも通じるお話ですし、色々風刺めいてます。でもまあ一番悪いのはそういう連中を使ってお金を稼ぎまくってる、悪党の上の方の連中なんですけど。
コナー＋ギャレットチーム、彼らのボスのマーカス、そして捜査官と複数の派閥がある中で、利害の一致により時に連携していく。仲間もやられていくのでかなりの緊迫感がありましたし、明確な悪者って感じで誰を倒すことがハッピーエンドにつながるかわかりやすいのも良かったです。
そちらの問題が片付いた後も「ヒーラー」をめぐる流れで一捻りあったし、それによって最後までコナーを嫌いにならずに済むのも嬉しかった(犯罪は犯してますけど) 後味は悪くない終わり方でしたからね。
なんと続編の独占配信権をNetflixが手に入れたそうで、今後はさらに資金も増えてよりスケールの大きい物語になりそう。そちらも楽しみです。
WOWOWにて字幕版を録画、アマプラにて吹き替え版で視聴。
22年5月現在、字幕、吹き替えともにAmazonプライム会員の見放題対象です。
ちなみに声は代表作のアローやアップロードとは別の人たちでした。
動画はこちら
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