スケベだが仕事は一流、依頼された仕事はスマートにこなす冴羽リョウの活躍を描く「シティハンター」を、大ファンだと公言するフランスのフィリップ・ラショーが監督、主演で実写化。嗅いだものを惚れさせてしまうという強力な香水と、それをめぐる争奪戦。さらには香の兄の死に関係する人物も浮上してきて……。アクション、ユーモア、お色気。原作の魅力をこれでもかと再現した、これぞ実写版と呼べる傑作映画。
ヒロインにエロディ・フォンタン(最高の花婿)の他、監督の過去作常連タレク・ブタリ、ジュリアン・アルッティら共演。
本人の希望でオリジナル版ボイスキャストの神谷明、伊倉一恵はちょい役で登場し、主役二人の吹き替えは山寺宏一、沢城みゆきが担当。
あらすじ
“シティーハンター”ことリョウ(フィリップ・ラショー)は、相棒のカオリ(エロディ・フォンタン)とボディーガードや探偵などの仕事をしていた。ある日、掲示板に“ XYZ”宛のメッセージが書き込まれ、依頼人の父が開発したどんな相手も魅了する“キューピッドの香水”を守るという仕事を依頼される。(シネマトゥデイより)
本国での公開当時からその原作愛の大きさクオリティの高さに話題となり、さらに日本ではデラックス吹き替え版として上陸したことから割と厳しい意見も多いコミックの実写映画においてトップレベルの評価をされている本作。楽しみにしてましたが実際見てみた結果、これぞシティハンターだよ。って感動しちゃいましたよ。
そもそもフィリップラショー監督は個人的に好きで、お下品ネタもあるので万人に勧められるかは微妙なところなんですが、過去にも
世界の果てまでヒャッハー! /フランスで8週連続1位の大ヒットを記録したおバカコメディ。バカンスに訪れた先でプロポーズするはずが、男の方が仲間とともに行方不明に。カメラだけが見つかり、手がかりを求めて再生をスタートするが……。
http://xn--qfusdo8o71s.seesaa.net/article/BABYSITTING2.html
真夜中のパリでヒャッハー! / 30歳おめでとパーティを計画してたのに、社長からの命令で子守をすることに。中止にしようとするも、悪友たちはその邸宅に押しかけ……この後に作られる「世界の果てまでヒャッハー!」はこの映画から始まった!。
http://xn--qfusdo8o71s.seesaa.net/article/BABYSITTING.html
(本文でも触れてますが、時系列的にも公開順的にも 真夜中→世界の果て です) ほとんど間を開けずに2作品それぞれレビューしちゃうくらいにはお気に入りです。ほんとおバカしか出てこないので、頭からっぽにして観れます。
シティハンターの話に戻すと、日本公開の段階で全ての役名などが原作準拠になってるので、上記あらすじの通り主人公はリョウだしヒロインはカオリ、海坊主などなど馴染みある物ばかり。しかも見た目やキャラ性格がそのままなので、舞台が新宿からフランスになっただけって感じでものすごくすんなり入れます。余談ですが今回香水がテーマだったので邦題のサブタイトルに「史上最香(さいきょう)」って使えてすごい偶然ですよね。フランス版はそれぞれニッキーラーソン、ローラマルコーニという名前らしいので本当にたまたま。
大まかなストーリーとしては守れって言われてた香水が敵に奪われ、しかもそのゴタゴタで冴えないオッサンと鞄取り違えがおきたことで事態がさらに悪化。ずっとファンだったランジェリーモデル(パメラ・アンダーソン)に嗅がせに旅立つ彼を追う形でリョウと敵それぞれがバトルする三つ巴状態になります。
随所にギャグシーンが挟まるのでニヤニヤしっぱなしなんですが、「香水の効果で依頼主の男性を好きになってしまった」という特殊な状況下のために女性が出てくるたびに「もっこり」なやりとりをするわけじゃないってのが上手く考えられてるなぁと感心しちゃいます。あんまりやりすぎてもくどいからね。モデルの更衣室にいても全然見向きもしない、っていう別のギャグにまでなっっちゃってるのがすごい。その分冴えないおっさんが色んな人にモテまくり、義理の母の猛烈アタック(日本版はモザイクかかってますが……)とか、ヒヨコちゃんがあとついてきちゃったりとかドタバタっぷりが笑えました。カオリもカオリで香水の効果で変なやつに好かれちゃうし。この二人は監督の手がけた作品の常連なんで懐かしかったです。
一方でアクションシーンもめちゃくちゃかっこよくて、中盤あたりの大量の敵と戦うシーンでは主観映像になって、文字通りバッタバッタとスマートに倒していくのは爽快感がありました。さらにオッサンを拉致しながらのカーチェイスも緊迫感ありますし、カオリと二人並んでのドンぱち合戦も良かったなぁ。いわゆる緩急のバランスがすごくて、普段とんでもないスケベなのにこういうとこでビシッとなるからカオリも好きになっちゃうんだよなぁって納得する魅力がありました。原作そのまま。特にラストの人質を助けるところご期待ください。
ラブロマンスに関しては主にカオリ視点で描かれるのも良かった。自分が恋心を持ってることに気づいたり、よその女性ばっかりで自分には全然何もないのを残念がったり、そしてついに香水を使おうとしたりと、進展しないことをいじらしく思うラブコメの王道ヒロインやってました。友人の妹だし、大事だからこそだって観てる人はわかるんですけどね。最後の最後に本心が何となくわかるのもグッときます。
香水の騒動を通じて海坊主との関係や、兄を殺した奴の存在なども絡めてきて、映画1本でも十分世界が出来上がってた(シティハンター知らない人でも十分のめり込める)のも好きだったし、それと同時に往年のファンを楽しませることも手を抜いてないところがさすがでしたね。日本版のみの特別演出として、エンディングに向かいながらゲットワイルドが流れる(ネタバレになりますが、ハンマーをもったカオリに追いかけられながら終わります)という、シティハンターの締め方として100点の出来栄えですので、これ観れただけでも大満足って思います。
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