チア・スクワッド 不可解な連続死 / 純粋に上手くなりたいチアリーダーを襲う、コーチの魔の手。彼女の執着は暴走していき、次々と犠牲者が。嫉妬に狂う女性の恐怖を描くサイコ・サスペンス。

自分の夢が絶たれたためにその代わりに生徒たちを勝たせようと躍起になるコーチと、それに利用されてしまう生徒の恐怖を描いたサスペンス作品。カナダ、テレビ放送向け映画。主演はマーガレット・アン・フローレンス。
高校生のアメリはチア部の中でも特に実力があるわけでもないが熱意はあり、そこに目をつけたコーチはステロイドの入った自家製サプリを渡したり、特別視して練習を課す。その効果もあってどんどん上達していくが、怒りっぽくなった彼女は両親やメンバーとも衝突。コーチの執着は暴走していき、ついに犠牲者が出始める。
アメリの母はコーチの魔の手から娘を守れるか。サイコサスペンス。
アニタ・ブラウン、カリス・キャメロン、マシュー・ケビン・アンダーソン、ローラ・K・マクドナルドら出演。
あらすじ
あなたの実力を見せてちょうだい。溢れ出す狂気が少女たちの心を変貌させる緊迫のサイコ・サスペンス!チアリーダーを目指す少女たちにとって、トップを張り全国大会に出場するのは大きな夢の一つ。そんな彼女たちのコーチは、夢半ばで挫折した苦い過去があった。あらゆる手段を講じて全国一のチアを育てようと暴走するコーチから娘を守るべく、母親が立ち上がるサイコ・サスペンス!(Amazon商品ページより)

(英語版の予告しか見つかりませんでした。)

ちゃんと読まずに再生を開始しために勝手に「男性コーチ」だと思ってたのですが、女性チアリーダー部が舞台で、コーチも女性。上記あらすじでも触れらている通り、コーチ自身は夢を叶えることができず、それを生徒たちに託してきつい練習をしいていく。こういうのは「親と子」のパターンでもよく見かける関係性ですが、ターゲットにされた主人公アメリ(というかその家族)にとってみればまったモノじゃない。彼女の【もっと上手くなりたい】って気持ちを利用して、自分の代わりに優勝させようとする。パッとみればwin-winにも見えますが、ちょっとやりすぎ。

この映画の特徴としてはアメリがステロイドを隠れて飲む、という設定が割と珍しく、そのせいなのか怒りっぽくなっていきます。心配する親とも、チームメイトとも衝突しがちになっていく。単純に筋力がついて実力がついてくだけなら良かったんですが、自分だけはコーチのお気に入りだし、もっと練習してもっと上手くなるんだ、って方向に仕向けられてしまってる。だから変に飲むのやめたり、練習から離れたらこの頑張りが無駄になっちゃう。負けたくないって思いで逆にどんどん頑なになるわけです。この辺がまだ子供だし、かわいそうです。だからこそコーチ許せん。

一応母親の友人兼同僚がこっそりと諌めようとしてくれるんですが、その頃にはコーチの暴走もエスカレートしていきます。特にアメリの母親ケリーがチア経験者どころか全国大会優勝って知ったところからさらに加速。一番刺激して欲しくないコンプレックスだったのでね。完全に関係ないし逆恨みなのに「私が優勝するはずだったのに」と敵意剥き出しになります。

なぜそんな風になったのか、彼女の高校生時代の回想がちょいちょい出てくることで真相が明らかになりますが、参加できなかった理由こそ彼女に同情する余地もあるものの、怒りのぶつけ方が想像を絶していて、この頃から片鱗があったのだな、と。映画全編を通じていろんな人が犠牲になってますが、ぶっちゃけ「よく調べたらすぐに捕まるんじゃない?」って部分も大きかったりして。まあ彼女の暴走にハラハラさせられるって意味では楽しめましたからね。

投資家の設定が本編で絡みそうで絡まないし、経験者じゃないのかチアっていうチアのシーンは少なかったりと割と粗は見えるものの、最低限サスペンスとして先が来なって見入っちゃったし、日本で言う「2時間サスペンス」と考えれば普通に面白かったなぁと。

もちろん母親に肩入れするようなストーリー展開なのでハッピーエンドなのも後味悪くなかったし、勝負事って勝者がいれば敗者もいるからこそ心にトラウマとして残るしコーチの動機だけはちょっとは共感できなくもなかったですからね。例えば安易にスロイドに頼らなかったり、犠牲者もいなければ最終的に優勝して「最高のコーチ」で終われた可能性もあるでしょうし。彼女もひどいけど、当時のあの人もクズ。

そうそう、全体的に吹き替えがなんというか素朴で変に役者がかってない印象を受けました。検索すると若手声優さんのつぶやきが多数ヒットするのですが、こういう風にどんどん機会が増えてくのはいいことですよね。

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