柔道一家に生まれながらも姉に比べて実力も情熱も少ないハルキ。けがをして休んでいるところに、幼なじみで親友のカズマから「男子チア部」に参加しないかと誘われる。ポスターを作り、部員を増やすところからスタートしたものの、個性的なメンバーも集まり、目標だった7人に。学園祭での披露することも決定したが、それぞれ悩みを抱えていて。
「チアダン」とも共通する、人を応援することの素晴らしさ、何かに一生懸命になる人たちの輝きをえがくどストレートな青春ムービー。
瀬戸利樹、岩谷翔吾、菅原 健、小平大智、浅香航大ら共演。
あらすじ
柔道一家で生まれ育った坂東晴希(横浜流星)は、小さいころから柔道に打ち込んできたが、ある日ケガをしてしまう。そんな折、幼なじみで親友の橋本一馬(中尾暢樹)から、二人で面白いことを始めようと男子チアリーディング部の創設に誘われる。仲間を集め練習に励むうちにチアの楽しさに目覚め、学園祭での初舞台も決まる。(シネマ・トゥデイより)
早稲田大学の実在チームをモデルに書き上げた小説だそうで、作者的にも、すでにアニメ化してヒットしてることからも面白さは保証されていたんですが、想像以上に「青春映画」の王道オブ王道で展開されててびっくりですし、先の流れがわかっていても感動しちゃいましたね。こういう作品は何も考えずに泣けて好きです。
上記あらすじの通り、主人公のハルキは半ば巻き込まれる形で創設メンバーになってしまうわけですが、そこで自分がやりたかったのはこれだ!と気がつき、面白さに目覚めていくわけです。元々性格的に「人を応援する」ことに長けている、自然に思いやれる人間なので自分も頑張るし、共に練習する仲間を応援できるのが見てて気持ちいんですよね。あんな風に言われた、こっちもやれそうな気がする、的な。天性の才能かも。姉こそ終盤くらいまであまり認めていなかったようですが、きちんと家族に伝えて真剣に打ち込む姿も良かった。「柔道から逃げたんじゃなく、チアを選んだ」って言えるようになったのが成長感じてそこもグッとくるポイント。まあその姉がラストで、って言うのも泣けましたけど。
一方で誘った方にもドラマがあって、僕自身おばあちゃん子なので余計に感情移入しちゃいましたよ。みんなをグイグイ引っ張ってくれるリーダー的存在だけど、「なぜチアなのか」という理由だったり、予告でも出てくる衝撃的な「やめる」発言の経緯だったり、人知れず悩んで奮闘してる姿もまたカッコ良かった。キャスト陣の中では知名度的には横浜流星くんがダントツになってると思いますが、このカズマ役の中尾くんも良い演技してました。ちなみに戦隊ヒーローの赤をやってたそうで(見てなかった。) 、仮面ライダーだった瀬戸利樹くんと合わせてかなりの特撮出演者率になってます。
他のメンバーもそれぞれスポットを当てますが、「4年にもなってやっと大学デビューか」と揶揄されながらも頑張ってたメガネ先輩も最後には名言の引用じゃなく自分の言葉で気持ちを表現しててカッコ良かったし、トンちゃんとコンビのように面倒見つつ一緒に練習してる姿が印象的だった。年下ばかりじゃ結構気を使いそうなんだけど、彼もそれから周りもそんなこと感じさせない「一つの仲間」ってオーラが出ててそこも気持ちよかったなぁと。いばらないしね。
そのトンちゃんも、最初こそ「一人はいるよね」的なポジションかと一瞬脳裏を過ぎりましたが、周りがどんどん成功させていく中で焦ったり、でも心折れずに頑張ってみる姿がリアルで、素直に応援したくなる奮闘を見せてくれて良かった。ラストのアレも変にご都合主義にならなくて僕はアレで良かったと思います。大事なのは挑戦する姿。ある意味あれで勇気をもらえると思います。
最後のメンバーであり唯一の経験者である徳川の抱えるトラウマも、チアという、事故の危険もはらんでいる競技としての奥行きを感じさせてくれましたし、唐田えりか扮する女性の奮闘が彼自身を鼓舞するという違う形の「応援」にもなっててグッときます。劇中でも「人を勇気づけるものなんだから、お客さんを不安にさせちゃダメ」ってセリフが出てきますが、実際に悲劇が起きたことをしる人間がいたからこそ重みが出て、みんな丁寧にやれてたのが良かった。この手の作品だと誰かが無理をしすぎて……みたいな展開がありがちで、実際ちょっとその片鱗が見え隠れてして怖かったんですけどね。このエピソードがその代わりになっていて(?)何事もなくて良かった。
できなかったことができていく過程もうおおおお!ってなるんですけど、一番の見所はなんといってもラストの学園祭の披露するシーン。かなり長い時間、色々な技を見せてくれて、物語の集大成としても凄かったですし、メタ的な「キャスト陣頑張ってるなー」って気持ちも重なって余計に感動的でした。オーディエンスもそうだし、ステージとしてめっちゃ作られてたのでかなり盛り上がりましたしね。一緒になって手拍子しちゃう感じ。しかも見にきていたお客さんたちが、メンバーそれぞれの物語の結末という側面もあってグッときます。「お姉ちゃん来てくれたんだ」的な。
そしてその興奮が残ったまま終わるところもすごく心地良くて、このままこのメンバーでもっともっといろんなこと挑戦してくんだろうな、人を笑顔にするんだろうなって想像させるのが好きです。めっちゃ爽やかに見れました。
キャストの名前につられた人だけでなく、万人にオススメできる王道のスポ根ものですので、ぜひぜひ。
WOWOWにて録画、視聴。
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