コンカッション / ウィル・スミス主演。スポーツなどで脳に激しい衝撃が加わることで起きる謎の病気に気が付いた医師が、その事を認めたがらない大企業と孤軍奮闘。実話を元にした物語。

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引退したアメフト選手に起きた謎の症状。相次ぐ自殺。解剖を担当したネイジェリア医師のオマルは脳を調べ、スポーツでの度重なる衝撃がダメージを与えているのではと研究。見事それを突き止め、慢性外傷性脳症と名付けるのだが、NFLはそれを認めず……。
実話を元に主人公医師をウィルスミスが好演。協力者も少ない中、犠牲者を増やさないために奔走し、巨大企業と戦う本物の医者を描くヒューマンドラマ。
共演はレック・ボールドウィン、アルバート・ブルックスほか。メガホンを取るのは、同じく伝記ドラマ『パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間』などのピーター・ランデズマン。

あらすじ
医師のベネット・オマル(ウィル・スミス)は、ナイジェリアからアメリカへと渡る。検死官としても働く彼は、アメリカンフットボールのリーグNFLを引退した元ピッツバーグ・スティーラーズのスター選手、マイク・ウェブスター(デヴィッド・モース)の変死解剖を担当することに。その結果、マイクの死が頭部への激しいタックルが原因で引き起こされる脳の病気・慢性外傷性脳症であることを突き止め、論文にして発表する。しかし、NFLはその見解を全面的に否定し……。(シネマ・トゥデイより)


19年の夏も「朝顔」「ボイス」と検死を扱ったドラマが放送されていましたが、この作品を含めて解剖する事でようやく明らかになる事ってかなりあるんですよね。そして担当するお医者さんも遺体に敬意を払っていて、「教えてください」って態度で接する。上記予告動画でもそんなシーン出てますし、日本のドラマでも共通してますよね。

あらすじの通り、元アメフトの選手に原因不明の症状が現れ、最終的に心を病んで自殺してしまうという悲劇が起きます。体のどこにもその原因として考えられる異常が見つけられない事を不審に思った主人公のオマル医師は脳を調べ、最終的に「衝撃のダメージが蓄積された事によって起きた」と突き止めます。調べたらこれ、いわゆる「パンチドランカー」としても知られてた病気なんですね。そっちの方が馴染みがあると思いますが、この研究などによって原因がわかり、ボクシングに限った話じゃないと判明していったようです。そうです、前述の通りこれ実際のお話です。

ただスポーツの激しいプレイが原因だって発表して協会が黙っているわけもなくて、NFLはこれを認めません。ファンからも「水をさすな」的な意見の荒らしで、オマルには全然味方がいません。論文撤回しろとか言われちゃう。危険だとわかっていてプレイを続行させたとか、責任問題にも繋がっちゃいますし、選手たちが萎縮して本来のパフォーマンスができないなどなど、彼らにとてあまり良い事じゃないのも分かるんですけど、そんな事より大事なことがあるだろ、と。論文に自分の名前が乗って喜んだり、「オマルさんじゃなくてドクター・オマルだ」って反論したり、もちろん自分の功績としての喜びもあったのでしょうが、彼も戦っていくうちに「次の犠牲者を出さないために」っていうシンプルだけど一番強い思いで戦いに望むようになっていく。だからカッコいいし、応援しちゃうんです。

そこに助けてくれるのがチームドクターとして働いてきたジュリアンこれはアレクボールドウィンが担当してますが、序盤でウェブスターを助けられなかったというエピソードを挿入してるからこそ彼にもまたすごく感情移入できます。物語の都合上、一貫してNFLとかを悪役にしていますけど、彼もまた辛い決断をしていた。ケアが不十分だとわかっていながら再びピッチに送り出したんだ、って後悔の念を吐露するところとか彼の立場を考えると泣けて、だからこそオマルへ協力してくれたんだなぁって。

現在ではかなりルールが変更されていて、脳しんとうを起こした選手に対しての復帰についてのガイドラインなども整備されたり(コンカッションプロトコル)、攻撃についても部位によって罰則などになってるようです。ちなみにこの映画のタイトル「コンカッション」は脳しんとうという意味です。オマル医師が負けずに戦い続けたからこそ、より安全に楽しめるようになった。嫌がらせが招いた奥さんの悲劇だとか、ものすごく辛かったでしょうけど、彼のおかげでこの「慢性外傷性脳症」にならずにすんだ選手が増えたのは間違いないと思います。最近「最上の名医」を見たので、無限の樹形図って言葉も思い出しました。

信念が最終的に実るっていう部分もものすごく見応えありますし、何より主人公のひたむきさがすごく魅力的で、それを見事に演じきったウィルスミスはさすがです。当たり前ですがユーモア要素はほとんどありませんし、ついつい手に力が入ってしまって、これもまた見るのに体力がいるタイプの映画ですが、とても楽しめました。カッコ良かったし、おすすめです。

スターチャンネルで録画した字幕版を視聴。

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