バイプレイヤーズ~もしも100人の名脇役が映画を作ったら~ / 名脇役達にスポットを当て、それぞれが本人役で演じた人気ドラマシリーズの劇場版。タイトルに偽りなしの豪華共演で、撮影所にて起きるトラブルを描く。

脇役=バイプレーヤーを主役にし、それぞれが本人役で演じるというスタイルで人気となった連ドラシリーズの、劇場版。森に囲まれ、複数のスタジオが併設する通称バイプレウッドを舞台に、各局のドラマ制作舞台裏、そしてそこを横断して巻き起こるトラブルが描かれる。
バイプレウッドではいつものように多くの人々が行き交いドラマ、映画の撮影が続いていたが、偶然見つけた台本をもとに映画を自主制作している濱田岳らはうまく進めることができないでいた。さらに看板犬として人気だった犬がいなくなったり、外国の配信会社が撮影所を買収しようとしたりと不穏な空気が漂い始め……。
松重、光石、田口、遠藤ら初代からの主人公らに加え、タイトル通り100人を超えるキャストが集結。ドラマには出なかった天海祐希、有村架純らも参加。
あらすじ
数多くの映画や民放各局の連ドラが制作されている撮影所、「バイプレウッド」。そこで田口トモロヲ(田口トモロヲ)、松重豊(松重豊)、光石研(光石研)、遠藤憲一(遠藤憲一)らは、有村架純(有村架純)主演のネット連ドラの撮影に参加する。しかし、有村が共演する犬の風の姿が見えなくなったことから現場は不穏な空気に包まれる。やがて、自主制作する映画のトラブルに悩む濱田岳(濱田岳)やバイプレウッド買収阻止を図る天海祐希(天海祐希)らが巻き起こす騒動も絡み、事態は思わぬ方向に向かう。(シネマ・トゥデイより)


続編、とまではいかないんですが、映画公開直前まで放送されていたドラマ3期『バイプレイヤーズ 〜名脇役の森の100日間〜』と非常にシンクロしてまして、そちらを見ていないとちょっと勿体無い気がしました。100人という数字は想像以上で、尺の都合であまり深く掘り下げられないんですよね「スタジオ1ではこのドラマ、2ではこのドラマ撮っています」って感じになってる。ドラマだと各作品に1話とかたっぷり使って出演者にもスポット当たっていたので、思い入れが段違いになってます。例えば向井理さんの半沢めいたドラマはバズりたくて決め台詞を考えてたりとか(「獅子の子だ!」)、観月ありささんの医療ドラマは色々迷走してた、とか。それぞれ実在作品のパロディになってるのも面白くて、映画の後でもいいので視聴することをおすすめします。

映画はというとちょっと誰が主人公かって言うのが難しいのですが、一応本家(?)ドラマ1期からのおじさん達、そして自主映画制作中の濱田岳くんたちが主になって展開していきます。銀河鉄道のオマージュっぽい作品を撮ろうとするもなかなか上手くいかなくて、結局それぞれ兼任してる別の現場にいっちゃう。濱田組の菜々緒、高杉真宙らって言う面々と監督との関係性も面白いんですが、なんといっても役所広司さんですよね。全力でスタッフを買って出て、それだけで笑っちゃう。この人コメディやってもハマるんだよなぁ。

あと天海さんはドラマ出演はないものの、みんなへの差し入れキッチンカーとして登場。さらに大手配信サービス(ネトフリを意識したと思われる)に買収されたくないなーと、菜々緒に協力してもらったり、さらにバイプレウッドを昔からしる存在としてかなりいいポジションでした。彼女が脇役って言うイメージ全くないから、特別枠みたいなものですね(笑)

その過去にも関連してくるのが、いなくなってしまった犬の「風」この子は濱田くんの映画にも出演するんですが、大事な時にトラブルが発生。彼の文字通りの暴走によっていろんな撮影現場を見ていくのは映像的にも楽しかったし、連ドラ版同様に「舞台裏」を覗き見でてきたような気がしてそのワチャワチャ感が良かったです。当たり前だけどどんな作品もああやっていろんな人が関わってる作られてるんだなって思うとしみじみしますよね。お話に入り込んでしまうと意識しないけど演じてる方も人間なわけで、それぞれの思い抱えてやってる。そういうの見れるのもバイプレのいいところ。

しかもなぜ風がそんな行動をしたのか、ってのが判明してそこも泣かせます。結果としてすごいグッジョブだったし、ほんと偉いやつ。そしてそれだけ大事にされてたんだなぁって考えられるし。優しい世界。順番が前後しますが、思い出を振り返れるような写真がたくさん見れるシーンが最終盤にあるんですが、そこに映ってたある俳優さんを見て号泣しちゃいました。これはシーズン1から見てる人はやばいと思う。

バイプレらしさ、と言えばなんだかんだやりながらみんな協力的なのもすごく好きで、難航していた濱田組の映画がどんどんできていくところもグッときます。体に限界きそうななか、やってくれるおじさん達さすが。僕のこれまでの視聴歴的に、「コワモテ系の俳優さん」たちとは巡り合わなかったのですが、この作品群見て親近感湧きますよね。当たり前だけどヤクザ役ばかりやる人が本当に怖いわけではないっていう。
ああいう形で「汽車のシーン」につなげていくのも、なんか俳優同士の絆、局や作品は別だけど「いいものを作る」と言う思いは一緒なんだって言われてる気がしてジーンときちゃいました。

既に触れてる通り笑えるシーンも随所にあって、何度もこすられる「でかいカエルだと思ったら石だった」エピソードや、おじさんをあだ名で呼ぶ有村架純とか、トモロヲさんのアウトなおふざけなどなど軽い気持ちでニヤニヤできるのも流石でした。

脚本があって、台本があって、もちろん「セリフ」なんだけど、この俳優さんはこういうこと言いそう、こういう反応しそうって言う絶妙なリアル感とか、逆に知らなかった一面なんかも見れて全体を通してほんと楽しませてもらった。一部「よくこの仕事受けたな」って感じの人もいるし、その懐の大きさで好感度上がったりとか。スケジュールの都合で断念した人もいそうだけど、お祭り感があって良かったです。

過去作見といた方が間違いなく楽しめますけど、単純にキャスト陣が全部本人役で出てるのは新鮮だと思いますのでこれを機に触れてみるのも間違いなく面白いと思います。おすすめ。

WOWOWにて録画、視聴。

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映画『バイプレイヤーズ ~もしも100人の名脇役が映画を作ったら~』 Blu-ray 豪華版

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