ブラック・アダム / DCコミックのキャラをドウェイン・ジョンソンで実写映画化。神々の力を得て群衆を守った英雄が5000年の眠りから覚め、破壊の限りを尽くす。彼を止めようとヒーロー軍団ジャスティソサエティも参戦し……。

アクション俳優ドウェインジョンソンがアメコミ映画に参戦。DCEU、シャザムと同じような力を持ったヴィラン(悪役)を主役にしたド派手アクション映画で、『ジャングルクルーズ』でもタッグを組んだジャウマ・コレット=セラがメガホンをとる。5000年の眠りから覚めた街の英雄が、ブラックアダムとなるまでを描く。アベンジャーズやジャスティスリーグのようなヒーローチームも登場。
中東の国カンダックで英雄として語り継がれてきたテス・アダムはかつてシャザムの力を得て悪い王の支配を終わらせたが、5000年後の現在武装集団が軍事力で支配するという闇の時代が戻ってしまっていた。調査でやってきた考古学者が命を落としかけた時「シャザム」と呪文を唱え、アダムが復活。武装集団を一捻りにしてしまう。そのことを知った政府高官のアマンダウォラーは彼を拘束せよと「ジャスティスソサエティオブアメリカ」を招集。ドクターフェイトやホークマンらがカンダックにやってきて……。
ピアース・ブロスナン、オルディス・ホッジ、クインテッサ・スウィンデル、サラ・シャヒ(パーソンオブインターレスト)ら共演。
あらすじ
5,000年の眠りから目覚めた破壊神ブラックアダム(ドウェイン・ジョンソン)。かつて彼の息子は自らの命を犠牲にして父を守り、ブラックアダムの力はわが子の命と引き換えに得られたものだった。息子を奪われた彼は復讐(ふくしゅう)のため現代の地球で暴れ回り、強大な力を使って破壊行為を繰り返していた。そんな振る舞いを見かね、世界の平和を守るスーパーヒーロー軍団JSA(ジャスティス・ソサエティ・オブ・アメリカ)が立ち上がる。(シネマ・トゥデイより)


先日シャザム2のレビューをしましたが、同じ魔術師が人間に神々の力を与えて生まれたスーパーヒーロー(ヴィラン)の物語がこのブラックアダム。同じシャザムでも一応エジプト神話の神々の頭文字になってるようです。ホルスとかアモンとか、聞いたことありますよね。
あっちにも出ていた魔術師がこっちも登場しますし。ついでに言うと冒頭でも触れた通りアマンダウォラーという「スーサイドスクワッド」で一番目にする女性が今回も関わってきますし、「シャザム2」でも出ていた映画「ピースメイカー」のあのキャラも。とはいえDC映画群だってこと意識せずにいきなりこの映画だけ見て全然問題ないです。知ってたら同じ世界なんだな〜ってより楽しめる程度。ポストクレジットのおまけ映像であのヒーローも出るけど知らない人いないだろうしな……。

そもそも今回の映画をアメコミヒーローというのもなんか違うし、でも間違いなくカンダックの英雄ではある。ヒロインの息子のアドバイスを受けて「ブラックアダム」を名乗るのは最後の最後なのでいわゆるオリジン「誕生の物語」ですが、予告の通りヒーローチームと戦うシーンもあるし、その意味ではヴィラン……?昔ウィルスミスがあんまり慕われてないという「ハンコック」って映画がありましたけど、あれが近いのかな。「超強いスーパーパワーの持ち主が自分の信念に基づいて猛威を振るう」しかもそれがドウェインジョンソンっていうね。どこかの紹介記事で破壊神って書かれてますがまさしくそういう感じ。隣の部屋に行くのに壁を人の形に破壊してくるのとか笑えてきちゃいます。

この映画見せ方もすごく良くて、まず基本的にかなり明るいし、青白い雷の能力とか、高速移動、さらには一発一発が重そうな攻撃といったアクションの一つ一つが派手なのでテンション上がるんですよね。全てをぶっ壊して通り過ぎていく、不謹慎な表現ですが自然災害みたいな感じ。そこに加えて彼を止めようとするジャスティスソサエティのヒーローたちも個性豊かで、サイクロンもただの風じゃなくてエフェクトが乗るから鮮やか。そしてなんといってもドクターフェイトの魔術ですよね。コスチュームというかヘルメットが金ピカなのもそうですが、あえてドクター・ストレンジをパロディしてるかのような、鏡というか万華鏡のような特殊なオーラが世界をつつでいくの幻想的ですし、実態を持った分身というのも絵的にカッコよかった。それらを次々に倒すブラックアダムも流石ですが。主人公が黒いコスチュームなだけにJSAの面々がカラフルなのがよかった。巨大化くんもちょっとドジな属性があって面白かったですし。

上記あらすじでちょっとネタバレされてしまってますが、シャザムの力を得る経緯、伝説との現実の間には違いがあってそこが判明するのも切なかったし、アダム本人も話せばわかるって方向に行くのが良かった。後半にかけては予想通り別の脅威が出てきて、ヒーローと共闘する流れになっていくし後味よくないとね。ちなみにに武装集団=ギャングたちは悪人とはいえバンバン犠牲になってしまうので映像的なショックはないものの一応ご注意を。攻撃されたら仕返しするのは普通のことだから気にする必要はないんですけど。

舞台がエジプト地域なのでBGMもそういうイメージのものが多いのですが、どことなくマーベルの「ムーンナイト」を彷彿とさせたりしました。そのほか前述のエジプト神や、闇の力を使った冠(古代言語で書かれたメッセージの本当の意味が後半でわかるのも好き)などなど封印されたヤバいもの、というワクワクがあってアメコミアクションにインディジョーンズ要素もプラスされてる感。やっぱり軽い気持ちで封印といちゃダメだよねっていう。

すぐにピンときましたが「未来が見える」ことで「犠牲者が出る」がわかるという展開も涙を誘いますし、どこか頑固すぎて衝突しがちだったリーダーが親友の思いによって素直になるのもグッとくる。ブラックアダムだけじゃなくそれぞれのキャラが立っていたからこその面白さでしたね。敵役が一番普通の人だった。闇堕ちした理由も王道だったし(いや可哀想なんだけどさ)

そもそもドウェインジョンソン主演のアクション映画でもあのパワーで全てを捻り潰すぜ、って作風が多いのにそれが今回アメコミ原作の世界観スーパーパワーという説得力もたせっちゃってるからとにかくカッケェ!って盛り上がるシーンの連続で「シャザム2」同様に期待通りの楽しさでした。


Netflixにて吹き替え版を視聴。

B0BSFM99Q7
ブラックアダム ブルーレイ&DVDセット (2枚組)

動画はこちら( アマプラ吹き替え版有料)
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0B73XG4P9/ref=atv_dp_share_r_tw_62a522b0ec3c4

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