店主でありながら、義父の名前がでかでかと書かれた薬局で働くしがない男。最初は軽い運動のつもりで始めたサイクリングにハマり、夫なんか放置気味の妻。二人に不満を抱えながらも、強く出れずに毎日を過ごしていたのだが、配達に行った先の美人に心惹かれ、いつしか関係を持ってしまう。ドラッグに手を出したことはないのか、と聞かれた彼は、ついに一線を超えて様々な調合を行っていく……。
あらすじ
ダグ(ロックウェル)は町の小さな薬局を営む薬剤師。妻のカラ(モナハン)は地域のサイクリング・クラスの講師に忙しく、12歳の息子は思春期真っ只中。義父は引退後もなお、ダグの薬局に世話を焼いてくる始末。ダグは言われたことをただやり続ける毎日に嫌気がさしていた。するとある時、処方された薬を届けた先に現れた絶世の美女・エリザベス(ワイルド)がダグを誘惑し、情事に及んだ二人は、ダグの薬局にある薬剤を使って、ハイになる毎日。二人は、エリザベスの夫・ジャック(リオッタ)を殺して駆け落ちする計画を立てるのだが・・・そんなダグの元へ、麻薬捜査官が現れる!(Amazon商品ページより)
原題がBetter Living Through Chemistryなのですが、化学でよりより生活を!でもそんなに上手い話ではなくて……がよく出てますよね。一方で禁断の〜も内容にふさわしい邦題。ちょっとの出来心が招く転落劇としてとても面白かったです。
ストーリー展開は上記あらすじの通りで、さえなくてやられっぱなしの主人公が女性と出会ってどんどん世界が広がってく姿には他人ながら「よかったね」という気持ちも多少あり、その反面、だからって浮気とかじゃなく直接対決しないと結局は逃避でしかないのでは?とも冷めた目でみたり。
真面目人間だから「商品をネコババして自分のために使う」という発想/勇気がなかった彼が、意を決して使いはじめたらどハマり。あーこれ最後には天罰が降って元どおりのパターンかなと予想して見てたのですが、結構早い段階からピンチを迎えます。それが薬のチェックに来た捜査官。伝票(?)と実際の在庫の差がないか調べるよーって言われてぼーっとした頭でアタフタする姿は面白かったですが、意外にすんなり行けちゃったのはビックリ。だからこそ彼はエスカレートして、殺害計画まで立てることになるんですけどね。
薬を使って浮気相手とハイになる一方で、妻の鼻を明かそうと自転車競技でのドーピングもしちゃいます。これ、彼女がハマってるもので打ち負かして威厳を取り戻そうとしてるところがなんとも言えない微笑ましさがあるんですよ。基本的な部分が変わってないというか、結局のところ相当コンプレックスだったんだなぁって。そもそもスポーツ競技でドーピングして疑われないのかな?とも思いますが、地域のイベントっぽいですし、そこ掘り下げても趣旨が変わっちゃうし。
もう一個の要素としてあったのは、息子との関係性。妻は夫だけじゃなく子に対してもどこか放任主義なところがあって、そのせいで問題行動を起こしがちだった。この父子の交流が、ニンジャごっこというのも意外でしたが、シンプルに楽しそうだったので羨ましかったです。現実にはやっちゃいけないことだけど、どこかワルい父親って良いなぁって憧れがあります笑 義父や妻の手前、一番味方でいて欲しいし自分もそうあるべき相手だものね。
メインである「浮気相手の夫殺害計画とその実行」の顛末についても、そんな息子の信頼を一気に失うのか、っていうハラハラが凄くてちょっと先に進むのが怖かったです。でも現実は一捻りある展開で、意味ありげに描写されたシーンによって多少は予想しやすい方向でしたが、なるほどねーって面白かったです。ダグの運命やいかに。
そうそう、浮気相手役のオリヴィアワイルドさんは気の強そうな美人さんなので、悪の道にリードしていくキャラにぴったりでしたし、一目惚れしちゃう気持ちもわかる、悪女的な魅力が凄く出てました。「トロンレガシー」での役柄が印象に残ってる女優さん。
Amazonプライムにて字幕版が無料対象だったので視聴しましたが、サクッと見れる悲喜劇でとても楽しめました。
人気ブログランキング参加中。
この記事へのコメント