ブライトバーン/恐怖の拡散者 / ジェームズ・ガンが描く、闇堕ちスーパーマン!? とある赤ちゃんを自分たちの子として大切に育ててきたカイルとその妻だったが、成長した息子ブランドンはどこか様子がおかしく……。

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近年ではアメコミ原作映画でヒットを飛ばし続けるジェームズ・ガンが製作を担当、デヴィッド・ヤロヴェスキーがメガホンを取った超能力者・ホラー作品。スーパーマンのような超人的な力を持った子供が、それを悪意を持って使い出したとしたら、という恐怖を描く。
子宝に恵まれなかったカイルとトリの夫妻は、とある赤ちゃんをブランドンと名付け息子として育ててきたが、12歳を迎える彼の様子が少しずつ変わっていく。親に反抗したり、気に入らないと暴力に訴えたり。両親は戸惑うばかりだが、さらに暴走は続き……。
エリザベス・バンクス、デヴィッド・デンマン、ジャクソン・A・ダンら出演。
あらすじ
子供を待ち望んでいたトリ(エリザベス・バンクス)と夫カイル(デヴィッド・デンマン)は、ある赤ちゃんを自分たちの子供として育てることにする。ブランドンと名付けられた男の子は夫妻にとってかけがえのない存在になるが、12歳になると普通の人にはない恐ろしい力を見せ始める。(シネマ・トゥデイより)

↑グロ表現注意

いやー、想像以上にホラー映画だったのでかなりやられましたね。上記予告動画でも「眼球にガラスが刺さる」のが映ってますけど、ショッキングな映像がバンバン出ますので、そこご注意ください。ただグロ映像だけで怖がらせるというタイプではなく、前半は不穏な空気感で何が起きるのかとビクビクさせられますし、文字通りの「ブランドンは何者なんだ」という、何をしでかすかわからない不気味さが怖かったですね。それこそ事前CMとかで目からビームを出したり、記事タイトルで書いてる通り『闇堕ちスーパーマン』っていう宣伝のしかたをされてたのである程度の予想はしてたんですけど、子供という本来無邪気な存在だからこその恐怖がありました。

ホームランダーという似たテーマで作られたキャラクターがいるのでドラマ「The BOYS」を思い出しちゃうと思うんですが、あっちは大人向けのある意味一線を超えてコメディまで行っちゃってる作品なのに対して、この映画は笑い一切ないです。単に反抗期なだけだよね、話せばわかってくれるよね、っていう周りの大人の対応と、ただならぬ気配を感じて「早く逃げてー」っていう我々視聴者の叫びが届かないもどかしさ。『やばい子供が出てくるホラー』というのも一つのジャンルになってると思いますが、そこにスーパーパワーが加わるから映像としてのインパクトがまあ凄まじい。グロさという意味ではThe BOYSとほぼ変わりません。

早い段階で空が飛べることが分かりますが、終盤にかけては高速移動で色々やっちゃうので、こちらとしては「急に出てくる」「一瞬でやられる」という恐怖も追加されてきます。これ子供が直接手を下すっていうシーンを極力映像として見せずにできるのでうまい工夫だと思いました。いくらPG指定しててもそういうのはやっぱり問題ありそうですからね。まあ一切躊躇せずに、漫画とかでよくある表現ですが「足元の虫を殺すような感覚」で人をアレしてしまうので映らないからどうこういうレベルではないのですけど(苦笑) どこか子供みたいな無邪気さで持って、例えば母親だけは特別、とかあるかな、とも思ったけどそういうのもないし。

両親たちが「うちの子やばそうだけど、どう対応するべきか」から「地球の人間とは別の生命体」と考えを改めていく過程もなかなかリアルだったし、それまで大事に育ててきた存在が突如として脅威になる怖さや切なさ(あの日々は帰ってこない)とか、彼ら目線としても感情移入してて見てて辛かった。両親二人とも彼を止めようと(つまり殺す)するんですが、心情を思うと泣ける。序盤の方でいやらしい写真を隠してるうんぬんとか父と息子の会話が嘘のようです。そういえばそのシーンで内臓の写真も一緒に隠しててドン引きなんですが、ある被害者のやられ方的に伏線だったのだなあと。最終的に「たまたま見た目が12歳の子供なだけ」のモンスターってわりきらないと見れなくなりました。

子供が作った感満載のコスチューム(?)で活動してるので見るまでは最初の動機こそ健全だけど暴走してくのかな、なんて予測してたんですけど、映画の中で明確には説明されないものの、ずっと頭の中に引っかかってた<目的>を自覚して彼なりに頑張ってるということなんでしょうね。変なところが子供っぽいからそのアンバランスさも怖かった。

こういう作品はハッピーエンドもあれば、敵の勝ちというパターンも割と見かけるんでそこもビクビクしながら見てましたが、結論からいうと続編を作ろうとすれば作れる映像が出てきまして。ということはつまり……? 母親をあれした時の表情がマジで怖かった。ちなみにその映像の中でジェームズガンの過去作「スーパー!」(エレン・ペイジ他)のキャラがチラッと映ってたりして、世界観を同一にした複数作品=ユニバース展開の可能性もゼロじゃないみたいです。

ショッキング映像満載ですし不穏なムードで本格的なホラー作品。超能力を人に向けたらこういうことができちゃうという問題作ですので、耐性がある方はどうぞ。

スターチャンネルにて吹き替え版録画、視聴。




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