殺されては時間が巻き戻り、を繰り返しながら殺し屋たちの対応を覚え真相に近づく「タイムループ」を扱うSFアクション。主演はフランク・グリロ(キャプテン・アメリカほか)。ゲーム的な演出でいわゆる「死にゲー」的な展開をある意味コミカルに、過激アクションで描写し、彼がいかにしてその体質になったのかの真相に近づいてく様を描く。
元特殊部隊のロイ。目が覚めると次から次に殺し屋がやってきては彼の命を狙い、やられてしまうとまた同じベッドで目覚めるというタイムループに囚われていた。自分の意思に反して起きるコンティニューを繰り返すうちに対応が身につき、複数の殺し屋を倒せるほどになっていくものの、自分の身に何が起きているのかその殺し屋の正体さえ分からない。殺されるまでの間、なかなか倒せない相手のために剣術の修行をしたり、別居している息子と過ごしたりするうちに前日に事故死したとされる元妻が関係していることがわかるのだが……。
妻役にナオミ・ワッツのほか、メル・ギブソン、ミシェル・ヨー、ケンチョンら共演。
あらすじ
元デルタフォース特殊部隊員のロイ(フランク・グリロ)は、朝目覚めた直後に謎の殺し屋たちに殺害されてしまう。だが、命を落としたにも関わらず、また同じ朝を繰り返す形で生き返っては殺される現象が続く。銃、爆弾、刃物と、さまざまな凶器と手口で殺されるが、科学者の元妻(ナオミ・ワッツ)からタイムループに関わる軍の極秘計画オシリスの存在を知らされる。手掛かりをつかもうと、ロイは計画の責任者である軍属科学者ヴェンター大佐(メル・ギブソン)を追う。
特に日本人は(小説が日本産原作なのもあって)トム・クルーズの「オール・ユー・ニード・イズ・キル」を思い出す人も多いと思うんですが、こちらはより『ゲーム的』な演出がちょいちょい見受けられてまた違う面白さがありました。頑張ってもあっけなくやられちゃう、みたいなブラックユーモアとかも含めかなり似ているのは間違いないので、あっちが好きな人はこの映画も気にいると思います。
昨年のゲームオブザイヤー最多受賞の「エルデンリング」という作品もそうなんですが、「死に(覚え)ゲー」という一つのジャンルがありまして。文字通りものすごい強い敵がいてやられちゃうけど、何度も殺されるうちに動きのパターンとかくせ、いつ攻撃したらいいか(隙)が見えたり体が覚えてきて、最終的には倒せる。その達成感が気持ちよくて下手の横好きな僕もどハマりしてるんですが、ロイも同じ。
一番最初「寝てるところにナイフ突き立ててくる殺し屋」なんか、ほんと目を瞑ってても勝てる的な感じなのが笑っちゃいます。その後のヘリでマシンガン撃ってくる奴や、逃走のために車を借りようとすると叫ぶ一般人、爆弾魔。などなど「ほぼ同じ動きだから覚えちゃえばOK」っていうのがゲームと一緒で、すごく共感できたし、集中力が切れて些細なミスしちゃうのとかも笑えます。毎回「何回目の挑戦」って表示されるのもいい。
そうやって順調にきた中でぶつかる壁が、観音(セリーナ・ロー)というキャラ。この人は刀を使うんですが、特殊部隊のロイじゃなかなか勝てない。いつも無惨に首などを斬られ決め台詞(?)を言われてしまいます。この死にまくるのもなかなかシュール。でも殺し屋に居場所がバレない数時間の猶予を見つけて(これもめちゃくちゃ痛そうだったけど、毎回やってると思うと怖すぎる。僕なら気絶してる) 剣術の稽古してもらうのが王道で良かった。コンティニューすればするほど、同じ相手にちょっとずつ上のレベルに引き上げてもらえるからね。この先生役にミシェルヨーなのも豪華でした。
逆にメルギブソンはアクションとしてはそこまで出番ないのであらかじめご注意を。ただストーリーの根幹にはかなり関わってきます。時間に余裕が出ててきたことど、自分の状況とか元妻のことを調べられて敵が見えてくるしどうすればいいのか、何をすればいいのかが見えてきます。そこにいくまでが長かった。
途中どうやっても世界がすごいことになっちゃうから最優先で息子との時間を作るんですが、この「これまでやってこれなかった親子の絆」がちょっとずつ深まっていくのはかなり胸をうちます。こんな風にずっと一緒に過ごせるなら、何度コンティニューしてもいいって思える。一緒にゲームをやるシーンもたくさん出てくるので、改めて製作陣はゲーム好きなんだなぁって思います。
最終盤で妻と話す時に「息子についてこんなことも知ってる」ってやりとりするところが泣けました。ロイは1回目でここに来た、って言ったのに、めちゃくちゃ長い時間かけてたどり着いたのが元妻にもわかっただろうし。
一個だけ欲を言えば、最後の最後でどうなったかをはっきりと見せてくれたらもっと感動したのにな〜って思います。一応ハッピーエンドを示唆するんですけど、「いくぞ!」的なところでバッサリ終わりなのでちょっと驚きます。ネタバレして申し訳ない。
ひたすらコンティニューしてちょっとずつ先に進んでいく爽快感、死に様のシュールな笑い、そしてSF要素とそこに至るまでがすごく引き込まれて面白かったので、ループものが好きな人に特におすすめしたい。
キャプテン・アメリカシリーズとかスカイライン、さらにアースフォールなど主演の人のアクションは何度も見てますが今回もカッコ良かったです。
U-NEXTにて吹き替え版で視聴。

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