ブラッド・ショット / 一度命を失った元海兵隊のレイ。血液の代わりに生体工学ロボを置き換えられて生き返り、超人的パワーを得る。妻を殺した犯人への復讐に燃えるが……。アメコミをヴィン・ディーゼル主演で実写化。

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ワイスピシリーズ他のアクション俳優。ヴィン・ディーゼル主演。ヴァリアント・コミックの同名アメコミを実写化したSFアクション作品。
極秘任務に従事してきた海兵隊員のレイ・ギャリソン。ある日妻とともに何者かに拉致されてしまい、最終的に二人とも命を落としてしまう。しかし次にレイが目が覚めると謎の研究所におり、科学技術で蘇った彼の体には大量の生体工学ロボが血管内に入れられ、どんな傷も瞬時に回復、そして超人的なパワーを持つようになっていた。少しずつ記憶を取り戻した彼は妻の敵を探し出そうとするが……。
エイサ・ゴンサレス、ガイ・ピアースら共演。
あらすじ
アメリカ海兵隊員のレイ・ギャリソン(ヴィン・ディーゼル)は何者かによって妻と共に拉致され、殺されてしまう。ナノテクノロジーによって蘇生されたレイは記憶を失い、血液を生物工学ロボット“ナナイト”に置き換えられ、並外れたパワーと回復能力を持つ超人となっていた。ある日、とあるきっかけで過去の記憶を取り戻したレイは、自分と妻を殺したマーティン・アックス(トビー・ケベル)への復讐(ふくしゅう)をもくろむ。(シネマ・トゥデイより)

<注意>予告動画に結構なネタバレが含まれています。

冒頭で触れた通りマーベルやDCとはまた別の、ヴァリアントコミックスという会社から出ている作品が原作。日本でもまだ数種類しか翻訳されていないものの、実写化が予定されている作品がいくつかあり、もしかすると複数の作品がクロスオーバーしていく可能性もあるとのこと。ド派手な映画も好きなんで、楽しみです。

この作品も「体にナノマシンが入り、どんな傷も瞬時に再生。細胞に働きかけるから筋力も強まるし、情報処理もお手の物」という、設定だけでもロマンあるもの。あらすじ調べた時に目に入った感想で「あえて弱そうな人を主役にしてもよかったかも」って書かれていて笑いましたが、最初から屈強なイメージがあるヴィン・ディーゼルが主演なのでスーパーパワーも合間ってめちゃくちゃ強そうなんですよね。マジで敵に回したくないタイプ。

ネトフリ「オールドガード」もそうですが、『自分が不死身なことを前提とした戦い方』するのが他と違ってて見応えあるんですよね。特に序盤のトンネルでのシーンは、まるで雪のように小麦粉?が舞う中、レイの胸が怪しく光り次々に敵を倒してく姿は痺れます。やられてもまるで体が砂でできてるかの如くじわーって再生してくのは現代のVFXだからこそすごくリアルで、ロマンがあります。妻の復讐っていう動機自体もとても応援できるものだし、強すぎて近寄り難いけど、ヒーローとして魅力的です。

中盤に差し掛かっていくとストーリーにひねりが加えられ(繰り返しますが予告にネタバレがあるから注意です)バトルにも幅が広がっていくのでそこも面白かった。ナノマシンではないものの、SFチックな身体強化を施された敵たちのチームプレイ。それぞれの特色も良かったですし、スピード感があってものすごい緊迫感。さらに彼らに対してレイは一人で立ち向かうわけですから、単に「やられても大丈夫」と安心できないのが良かった。

ただ仲間もちゃんと活躍していて、途中からサポートしてくれるおしゃべり黒人はシリアスな世界観のなかでちょうどいい癒しになってます。ふざけたキャラしてるけど技術はすごいんですよね。そしてヒロインも妖艶な魅力あるエイザ・ゴンザレス。ヴィンディーゼルと共演はないもののワイスピのスピンオフでショウと良い仲の女性をやってましたね。この人の戦闘シーンもあるので、そこもお楽しみに。

終盤は高層ビルのエレベーターでの2VS1の迫力バトル。敵味方ともに人間を超えているだけに1発1発がすごい破壊力ですし、落ちたら流石にやばいという状況の気の抜けなさも凄かったですし、ここのスピード感もかなりのものでした。この映画、結構な頻度でスロー演出をするんですが、その緩急で余計にハラハラされらるんですよね。敵のガジェット的に、次から次に対処していかないと勝てないし。

ただ一番最後の決着がつくシーンは結構あっさりというか、そういう勝ち方なのねっていう意外性があります。もうあと1回しか復活できないというわずかな望みと、1分1秒、間に合うか間に合わないかの絶妙なタイミングという演出としての盛り上げ方が上手いのでものすごい引き込まれて、最後は一瞬。おおっって声でます。

自分にとっての復讐を遂げて、その過程で出会った仲間とともに新たな人生をっていう終わり方は一個の映画としてとてもよくまとまってるし、ダークヒーロー単発映画として楽しめる作品だと思いました。まあヴィンディーゼルはこういう強い男の役ばかりなので、強さに説得力が出ますしね。記憶がない時も、取り戻してからも自分の存在に悩みつつ、でもシリアスになりすぎないでとりあえずこの状況に陥れた奴ら全員ぶっ飛ばす!的なわかりやすさも良かった。

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