ジョーカーと別れたことで精神的に荒れていたハーレイだったが、後ろ盾がなくなったことで以前から恨みを持つものたちが反撃をしかけて来るように。街ではシオニスという悪党が幅をきかせており、かつて壊滅させたマフィアの財産のありかを示すダイヤを探していてのだが、スリの常習犯である少女カサンドラがそれを盗んだことでお尋ね者に。流れで彼女を匿うことになったハーレイや、操作中の刑事、シオニスのバーの歌姫やマフィアの生き残りなどなどくせ者たちの思惑が入り乱れる中、最終的にチームとして協力してシオニスと戦うことになるのだが……。
タイトル通り強い女性が覚醒する物語。サイコパス的な悪役をユアンマクレガーが担当するほか、メアリー・エリザベス・ウィンステッド、ジャーニー・スモレット＝ベル、ロージー・ペレス、エラ・ジェイ・バスコら共演。
あらすじ
ジョーカーと別れたハーレイ・クイン(マーゴット・ロビー)は束縛から解放され、街にはびこる悪党が敵意を持つほど暴れまくっていた。謎のダイヤを盗んだ少女をめぐって、裏世界を支配するサイコパス、ブラックマスク(ユアン・マクレガー)と対決することになった彼女は、くせ者ばかりを集めてチームを作り上げる。(シネマ・トゥデイより)
スーサイドスクワッド＝スースクの時は「悪カワヒロイン」として宣伝の顔にはなっていたものの、活躍としてはメンバーの中の一人という扱いでしたが(それでもかなりの存在感ありました)、今回はタイトルについてる通りガッツリ主役なんで、めちゃくちゃ出番ありますし、彼女の魅力が炸裂してて大満足でした。原題は"BIRDS OF PREY (AND THE FANTABULOUS EMANCIPATION OF ONE HARLEY QUINN)"と超長いし、「バーズ・オ・ブプレイ(とハーレイクインの素晴らしき開放)」ちなみにバーズオブプレイはバットマンのスピンオフの女性ヒーローのチームで、過去にもドラマ化されて『ゴッサム・シティ・エンジェル』として日本でも放送されてたみたいです。(日本版DVD未発売)
なので先に書いてしまうとこの映画ラストで登場キャラの一部がバーズオブプレイを結成するっていう流れがあります。
ただあくまで基本はハーレイ目線ですし、彼女の物語として構成されるんで、この作品としては「ハーレイと仲間たち」なのは変わりません。全体的なテーマとして、女性はそれぞれ悩み抱えて頑張ってる。そこが強いしカッコいいんだよっていうメッセージが強調されていましたけど、他のメンバーたちのサイドストーリーもそれにならっていますので適度に掘り下げつつ、終盤でチームとして共闘というのはちょうどいいバランスだと思いました。途中まで敵対してたり追われてたりしますからね、彼女たち。ちなみに「ワンチームでやりましょ」って言ってたのはやはりアメフトが流行ったからこその翻訳かなと笑いました。
アクション要素も今回かなり見所たくさんありまして、中盤あたりの警察署に乗り込む下りや、カサンドラをかくまいながら大勢を相手にするところはすごくカッコ良かった。特殊なショットガンで鮮やかな色だったりキラキラが炸裂しながら警官が吹っ飛んで行くのはシンプルに絵になりますし、実際ピンクと水色の煙の中で銃を構えてる画像をiMacの壁紙に使っています。バットを見つけてニヤッとしてスースクと同じ武器で戦うのも良かったですし、コカイン？ヘロイン吸い込んで頭が冴え渡るのとか色々アウトだけど楽しかった。後半は後半でチームでの共闘も場所が遊園地のお化け屋敷？しかけ小屋？的な面白ギミックあふれるところだったので、半分くらいふざけてるのかと思わせつつ、抜群のチームワークでバンバンやっつけて行くのも爽快でした。大きな木槌って。これも漫画のハーレイのイメージあるから嬉しかった。あとは予告でも使われてる、カーチェイスシーンね。ハントレスのバイクを活用してのスピード感とハラハラ感ある映像が良かったです。
その他大勢って書きましたけど、個人的にはハントレスがお気に入り。家族を殺された復讐というバックボーンも、名乗るのが下手でクロスボウキラーという自分じゃ不満ある名前で呼ばれてるところとかも笑えましたし、戦闘力という意味でも一番活躍してて、ハーレイの次にキャラが立てたと思います。ブラックキャナリーは海外ドラマの「アロー」に出てきて割とインパクトあったので、あれ、蹴りが強いのしか印象に残らないぞって不安になってたところで最後の方ちゃんと見せ場があったのでご安心を。この作品割と「非現実」な要素は少なめですが、あそこだけメタヒューマン要素ありますね。
映像表現ももちろんすごく良くて、とにかく鮮やかでキラキラしててそれだけでも楽しかったですし、ハーレイもいろんな衣装で登場して、可愛かったです。すでに挙げた以外のところでは、ジョーカーとの思い出の場所を爆破したところとか、スプリンクラーが作動してる中でのバトルのところが見応えありました。4K blu-rayでの視聴でしたが、ほんと綺麗だった。何回も見たくなります。
お話自体もとてもシンプルで、本人曰く「話したいところから話すね」だそうで多少の時間軸のずらしはあったもののダイヤをめぐる戦いの経緯と登場キャラたちの紹介があってラストは直接対決して勝利っていうわかりやすさで頭使わずに見れますし、若干「女性讃歌」の圧力も感じますが共感ポイントも沢山あって、すんなり世界にのめり込めました。アウトローが子供を守るために悪者と戦うっていうのも王道中の王道ですからね、面白いに決まってますよ。
現時点でスースク2作目が決まってるので、そこに至るまでの単発映画って扱いでしょうけど、前作の地続きにしつつよりハーレイの魅力あふれる作品になってたと思いますので、見てない方も見た方もオススメできる映画です。ちなみにエンドロール最後まで見ると、特殊な映像はないものの、ボイスメッセージがありますのでお聴き逃しなく。
4K Blu-rayスチールブックで購入。まずは吹き替え版で1回視聴。6/10発売したばっかり＆場所によってはまだ絶賛上映中なので、感染拡大防止に注意しつつ、ぜひ。
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