カリフォルニアのサンディエゴにあるビーチ。最近焼けただれた魚が打ち上げられる怪奇現象が起きており、ライフセーバーのジーナたちは不審に思っていたのだが、どうやら謎の進化を遂げたサメの存在が関わっているようだった。ドローンの盗撮魔、女性に目がないおませな子供や、料理を紹介する番組のクルーなど、多くの人は危険が迫っていることなど気づかずにいるが、いよいよその影響が大きくなり始め……。
放射能の性質にさえツッコミを入れたくなるB級作品。
ジェフ・フェイヒー、デヴィッド・ファウスティーノ、ボビー・カンポ、マライア・ボナー、イザイア・ラボーデら共演。
あらすじ
カリフォルニア州サンディエゴ。海水浴客でにぎわうビーチに、焼けただれた魚の死骸が次々と打ち上げられる。これを不審に思ったライフセーバーのジーナとカプランは、原因を探る中で炎をまとったような異様なサメの存在を知る。それこそは核実験の影響で進化を遂げた放射能ザメだった。だが、現実離れした2人の話を信じる者はいない。やがて、体内に核エネルギーを持つサメは原子の業火と巨大な顎で人間たちを襲い始め……。(WOWOW番組紹介より)
明らかに昨今の庵野作品に影響を受けた邦題なんですが、意外にも原題は"Atomic Shark"なので、ギリギリ「シンゴジラ」と関係がないわけではない。でも放射能の性質とか理解がちょっと間違っていて、サメ自体もめっちゃ熱を持って赤くただれてるのはまだしも、それで周りの魚も変化して、さらに人間が爆発するというトンデモ展開。
なんというか「サメ=食べられてしまう」という単純な恐怖だけじゃないってのいうのは面白かったんですけどね(笑)
あとツッコミどころはあるものの、一応ちゃんとしたストーリーになってて最低限のクオリティはあります。危険をいち早く察知してどうにかしようとするジーナたちとは対照的に、のほほんとした日常が描かれることで緩急がついてる。まさかやられないだろ、ってタイミングでいきなりガブっとやられる。突然パニックに。というのがサメ作品の様式美ですからね。
例えばインスタ命って感じのやる気ない同僚ライフセーバーとか、彼女とキスしたいがために溺れたふりして人工呼吸を迫るおませな少年。注文のおおい番組制作者たち(Youtuberのような感じかな?)が良かった。環境問題を扱っている方と、なんか料理を判定する方二つとも適度なリアリティがありましたね。特に前者は危険を顧みず「撮れ高最優先」っていうバカっぷりが良かった。
ドローンもこの作品では結構なキーアイテムになってて、確かに救助活動などにうまく役立つだろうなって思うし、その映像越しにサメの恐怖を煽るのもうまい。足を痛めてて動けない代わりに〜っていうキャラ付けにも使われてるし。一方でそれを盗撮に利用する不届ものもいたりして不快だったな。このジャンルにありがちな過度なお色気要素はほぼなかったですけどね。
ただ出てくる人たちはちゃんと肉体美っていうか男女ともに少なくともライフセーバーとしての説得力がある鍛えっぷりだったのでそこは好印象。特にジーナ役のレイチェル・ブルック・スミスさんは腹筋が美しかった。ざっと経歴を見たところ、おそらくまた同じ人物の役で「Nightmare Shark」にも出演しているみたい。吹き替えで見てるのもあるけど全体的に演技が浮いてるとかもなかったのが、B級だけどそこまでチープさは感じない所以かも。
ただ肝心のサメはね……。こういう映画見る人は最初から期待してないと思いますが2016年ということを考えてもかなり雑ですし、それ以上になるべく映さないように努力してるとすら思えてきて笑ってしまいます。だからサメが怖い!って感じはしない。でもなんかやばい存在いて、次々に影響受けてくよ。ヒロイン頑張るよ!って大筋があるから見れちゃう。
ダイナマイトを活用するんだって流れ(シンゴジを意識したセリフが??)や、土壇場になって邪魔をしてくる女性(BGMの使い方)、そして変なところでミスをする恋人など、ちょいちょい緩ませつつも「サメVSヒロイン」の決戦に向かっていく最終盤は結構ハラハラ感、見応えありました。普通に見てて割と肩入れやすい主人公なのが良かったですね。素直に応援できる。
まあその結果とか、ラストの不穏な映像とかも全てセオリー通り、「こういうのでいいんだよ」感で気持ちよく(?)終わらせてくれて、B級好きなら一見の価値ありだと思います。
85分と、サクッと見れます。
アマプラにて吹き替え版で視聴。
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