プレイボーイの外科医、亘との間に子供ができた清掃員のあゆみは本人に連絡するも、日付のこともあり嘘だと一蹴。腹をたてた彼女は、別の女性と食事中の彼の元につめより拳銃で脅す。別の場所では、高貴な老夫婦を乗せたリムジンの運転手は彼らを持てなそうと躍起になってないたり、小学生が柄の悪い男たちに誘拐されれる事件が起きたりしていた。
今や夫婦の松坂桃李、戸田恵梨香を含め、里見浩太朗、滝藤賢一、岡田将生、生瀬勝久、ユースケサンタマリア、寺島進、浜辺美波など豪華共演。
あらすじ
人に対して恐怖心を抱いてしまう清掃員のあゆみ(戸田恵梨香)は、一晩だけ関係を結んだ外科医の亘(松坂桃李)に対して、身ごもっていると打ち明ける。ところが亘は、エイプリルフールだからとあゆみの言葉に耳を貸さなかった。居ても立ってもいられなくなったあゆみは、亘がいるイタリアンレストランに向かう。一方の亘は、きれいなキャビンアテンダントの麗子(菜々緒)とランチを楽しんでいて……。(シネマ・トゥデイより)
2015年公開の映画なので、時系列的には「リーガルハイ」→この映画→「コンフィデンスマンJP」なわけですが、作品を一度でも見た人ならどういう脚本家はなんとなく理解できるはず。ちなみに1シーンだけですが、リーガルハイと同じ役柄で小池栄子さんが出ています。
ざっくりしたジャンル分けでいうとグランドホテル形式、というそうですが、基本的には複数の場所、人物を主役にした物語が並行して進んでいくスタイルで、すでに触れた通り、痴情のもつれでレストラン立て篭り事件(上記あらすじ)、小学生誘拐事件、あとは老夫婦と運転手の旅、さらには宇宙人と交信を試みる少年などなど。タイトルも似ているし、最近テレビで紹介されてたりして、一番最初に「バレンタインデー」に似ている映画だなぁと思ったんですが、考えてみたら三谷作品とかもこのタイプが多いかもしれませんね。それら全然関係ないように見えいて、物語が終わりに近づくにつれて意外な形で繋がっていく。そこの気持ちよさがあります。
ただ、誘拐した小学生に(女性ということを武器に働ける、と本人が挑発したことを受けてですが)性風俗店につれていくとか、エイプリルフールの嘘で親友にゲイだと告白したら相手は本当に好きで……という部分は若干気になったので先にお知らせしておおきます。今だったら炎上しそう。みたらすぐわかると一つだけ思うんでネタバレさせてもらうと、寺島進演じるヤクザは実は誘拐した子供(浜辺美波、まだ幼い)の実の父親で。会えなくなるからと最後の思い出を作ろうとしてるのが、不器用すぎてからわまりしてるという。全てを知った上での別れのシーンは予想しててもジーンと来ちゃいました。(そういうベタな感動入れるなら他も変に尖った流れにしなくてよかったのではと思ってしまいます。)
全体的にはギャグ中心にドタバタが進行して、それぞれいい話風にしめていくのでどの話も割と温かい気持ちになるんですが、やっぱり里見浩太朗、富司純子演じる夫婦のエピソードが一番泣けましたね。一番いい嘘だし、「嘘だと分かっててあえてのる」ことで泣かせる。序盤の展開も子供がはしゃいでるみたいで微笑ましいですしね。勘違いしそうなオーラ出てるから、あの運転手の気持ちも少しわかるし笑
レストランからの意外な影響が出てトラブルになったけど、あれはあれでいい思い出になってそうだし、元を返すと一番の元凶かもしれないけど最後は上手くまとまったんで「男を見る目はあるのよ」が紛れもない真実だよな、って実感にさせるところも好きでした。
群像劇といいつつ一番スポットが当たっている松坂&戸田カップルは結婚しちゃいましたからね。この共演もきっかけの一つだったのでしょうか。あそこだけでも1本映画になりそうなドタバタ劇として完成度高かったですね。ユースケサンタマリが小ボケしつつ、戸次重幸さんがツッコミ入れるっていうのも地味に面白かった。ワインボトルなかなか手放さないとかいうくだらなさツボ。そのレストランでの他のお客さんの一体感といい、みてるこっちまで力入っちゃいました。怪我してるの後味悪いかなぁと思ったらそこも伏線だったし、相関図書いたら色んなところに矢印が飛んでそう。
適度にニヤニヤさせつつ最後にはジーンとくる作品。6年以上前と時代は立ってますが、関係ない面白さ。
伏線回収の気持ち良さを味わって欲しいと思います。
2016年の4月に録画したまま放置してしまい、最近U-NEXTにて視聴。2021年3月現在、アマプラでも見放題対象。
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