赤毛のアン / 世界中で愛されるL・M・モンゴメリーの原作小説を、彼女の孫による製作総指揮で実写化した映画、三部作の第1弾。手違いで老いた兄妹のもとにやってきたアン。彼女の明るさによって次第に家族のように……。

世界中でベストセラーとなっている「赤毛のアン」(L・M・モンゴメリー)を孫であるケイト・マクドナルド・バトラー製作総指揮で実写化したカナダのテレビ映画。主演はエラ・バレンタイン。
プリンスエドワード島で暮らす年老いた男性マシュウとその妹マリラ。働き手として孤児院から男子を引き取る手はずが、なぜか女の子が到着。その子、アンはとても明るくおしゃべりで、最初は困惑するも彼女を受け入れることに。友達ができたり、学校へ行ったり、豊かな自然の中でのびのびと暮らしていく中で、彼らは次第に本当の家族のような関係になっていく。
マーティン・シーン、サラ・ボッツフォールドら共演。
あらすじ
ある日、年老いた兄マシュウ(マーティン・シーン)と妹マリラ(サラ・ボッツフォード)が暮らすカナダのプリンス・エドワード島の家に、アン(エラ・バレンタイン)がやって来る。彼らは手違いで来たアンに困惑するものの、次第に元気なアンの愉快な話に引き込まれるようになり……。(シネマ・トゥデイより)



タイトルこそ知ってはいても具体的にどういう物語なのかいまいち知らなかったのですが、長年にわたって世界中で愛されてきた理由がわかりました。この映画自体はどちらかというと「ダイジェスト」的な、原作で出てきたエピソードの総集編、いいとこ取りのような印象を受けましたし、どこか朝ドラを見ているような気分になったので語られてなかった部分ももっと知りたいなと思いましたね。
前述の通り三部作なので、いずれそちらも見たいと思います。
いくつもの国、キャストスタッフで実写化されてる題材ですが、「アンという名の少女」というドラマシリーズも製作されていて、Netflixで配信中の他、NHKで放送されたりしてますよね。(そろそろシーズン2放送開始)

上記あらすじの通り、アンがマシューとその妹マリラの元へやってくるところからスタートして、さまざまな人との出会い、経験を通していく中で少しずつ絆が深まっていく様子が季節の流れとともに描かれていきます。そもそも働き手として男の子を依頼したはずなのに、手違いでアンが到着。もうそこからすごかった。怒涛のマシンガントーク。あらゆるものに興味を示して、一人で喋り続けてます。ここから彼女が賢く、想像力ゆたかで、ちょっと生意気かってのがありありと分かります。帰りたくなくてオーバーに落ち込んでみせたりハンガーストライキ起こしてて序盤から面白かったです。

こうなると二人も根負けして目処が立つまで家に置くことになるわけですが、その生活において彼女の魅力がわかっていく。もちろん本来想定していた仕事という面でも助かるのはもちろんのこと(と言っても女の子なので結果的にマシューの負担が劇的に減ったわけではなさそう)、こういう子が一人いるだけで家が明るくなるんですよね。最初こそおしゃべりが若干鬱陶しいと思ってたのに、会話が楽しい。容姿、とりわけ髪の色のことに触れるとものすごく怒って悲しむという、弱い部分も見えるし、口が達者でも年相応のところもある。そこがまた可愛らしい。

おそらく次作でフューチャーされるであろう、ギルバートをはじめ、学校に通い出したりダイアナという友人などアンの世界がさらに広がっていく。容姿や育ちのことを馬鹿にしたりいじめたりと、彼女自身にはどうにもできないことでとやかく言うのは嫌な気持ちになりますが、彼女も負けてないのがいいですし、ダイアナがとても優しいので救われます。二人のお茶会ごっこ、てっきりわかっててアレを飲ませてしまったのかと思ったら完全に事故で、大事に至らなくてよかったです。その後の勇気ある行いによってダイアナの母との関係も修復されたのも後味悪くなくてよかった。天真爛漫というタイプですが、いたずら好きってわけでもない。

ヒヤッとする要素というと、マシューの病気関連。無理はいけない、っていうのが悪い方に伏線回収されなきゃいいなぁとちょっと怖かったです。それなのにあんなことになるし。単純に彼がどうにかなるのも悲しいけど、それがアンのせいで、って流れだったら本人もめちゃくちゃ辛いだろうなぁって。年齢的には祖父と祖母くらいですけど、ある意味父親みたいなものだからね。結果的には良かったし、サプライズプレゼントの件は泣けました。マリラはマリラで彼女が大事にしているペンダントのエピソードでさらに絆を深めるし、マシューに比べて厳しめだった彼女までがアンを家族として認めてるのはほんと泣けました。

予想通り最後には「引き取り手が見つかる」という方向へ行くんですが、それに対してマリラにはっぱをかけるのがちょっと意外な人物で笑ってしまいました。初対面の時とえらい違い。誰にとっても、アンがいた日々ってのは失いたくない、失っちゃいけないものなんですよね。こうなるのは誰もが読めたと思いますが、実際見るとめっちゃ泣けます。

おそらく原作で出てきたんであろうエピソードを拾い上げつつまとまっていたので本当に見やすくて、また原作者の孫が携わってるだけであって「忠実に再現」してるのかな、と思ったりしました。緑の切妻、グリーンゲイブルズの景色も素晴らしかった。
最初に触れた通り三部作なのでこの続きも存在してるんですが、ざっと探した限りでは見放題に来ているのはこの1作目だけ。課金や、DVDセットも出ていますのでそちらもどうぞ。

Netflixにて吹き替え版で視聴。

三部作のセットはこちら

赤毛のアン コンプリートDVD-BOX



赤毛のアン(2015)(吹替版)


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