ジェイク・ギレンホール&ヤーヤ・アブドゥル=マティーン二世主演。妻の治療費のために疎遠だった兄弟を頼り、結果として銀行強盗に協力させられた正義の男が、自分が撃った相手を治療中の救急車で逃亡劇を繰り広げることになるアクションサスペンス。監督はマイケル・ベイ。
元軍人のウィルは病気の妻のために高額が必要になり、悪事に手を染めて疎遠になった血のつながらない兄弟に相談することに。そこで銀行から3200万ドルを強奪する計画を提案され、仕方なく引き受けるが偶然が重なって現場に警察官がおり、ウィルが撃ってしまう。逃走計画もずれた結果救急車を奪って逃げようとするとそこには治療中の警察官が。犯人、救急隊、患者を乗せたまま逃走劇がスタートする。
ヒロインの救命士にのエイサ・ゴンサレス(「ブラッドショット」)のほか、ギャレット・ディラハント、キーア・オドネル、ジャクソン・ホワイト、オリヴィア・スタンブーリアら共演。
あらすじ
妻の手術費を用意するため、元軍人のウィル(ヤーヤ・アブドゥル=マティーン二世)が血のつながらない兄ダニー(ジェイク・ギレンホール)に相談すると、3,200万ドルを奪う銀行強盗を提案される。襲撃当日、犯行は当初のもくろみ通りにいかず、警察に追われる事態になってしまう。追い詰められた二人は逃走用に救急車をジャックするが、そこにはウィルに撃たれて瀕死(ひんし)の警察官と、救命士キャム(エイサ・ゴンサレス)が乗り合わせていた。(シネマ・トゥデイより)
これぞカーチェイス、って映画でアクション要素としてもかなり満足感のある映画でしたが、それと同時に各登場人物のキャラが立っててすごく世界に入り込みやすかった。主人公の兄弟はもちろんのこと、救命士のキャムや撃たれた警官、彼らを追うことになる地元警察など見てて飽きなかった。
「救急車で逃げる」っていうのだけで『逃げ切れるか』に加えて『患者は無事に治療できるか』って要素が組み合わさって単純に緊迫感が2倍ですからね。それだけでも目が離せないのに、根っからの悪人と、お金のために従ってる弟というタイプの違う犯人たち。警官も最終的には人質がいても強行手段に出るかもしれないし、一方で悪人仲間たちが色々準備してるし。
兄弟の関係性自体は割とありがちというか「善人だけどお金のために反抗に協力」はかなり多い題材ですよね。ただずっと見ていくとわかりますが単に能力があるからウィルを仲間に入れたっていうよりもダニーはマジで慕ってるって感じ。「困った時だけ連絡するのか」っていう言い方の寂しそうな顔が良かった。回想シーンとかも入ってきてるし、奥さんからは距離を置くように言われてても結局は兄弟なんですよね。血の繋がりとか超えてる。終盤での「お前らがなんというと本当の弟だぜ」って言い切るところや阿吽の呼吸でピンチを乗り切るところが好きです。だからこそ最後が切ないけど。
※犯罪を犯しているので当然ですが、犯人側にとってはハッピーエンドとは言えない終わり方です。これだけは先にネタバレしてしまいます。すみません。僕も予告の時点でそうだと確信してたし。
ただあまりにも住む世界が違いすぎた。ダニーは親の才能を引き継ぐ、という悪のカリスマっぽい表現をされてますが逃走劇ではパニクるシーンもあるためにそこまでの切れ者という印象は受けませんが、躊躇なく悪事を働けるしすごく計算しながら動いてるのはわかります。何をやったら刑が重くなるかとか、何をすべきかは弁えてる。そしてこれまでの犯罪ネットワークで同じような輩と繋がりがあり、ただの逃亡から思いもよらない規模の銃撃戦になってしまう。
一方で部下に1人間抜けがいるのがシュールで、見てる分には笑っちゃうけどあれイライラするだろうなぁって見てました。ちょいちょいユーモアが挿入されていて適度にリラックスできる作りなのも良かったですね。思い出の曲を2人で聴いて歌い出すところとか、麻酔の代わりに殴って気絶させるとか。その後の「何してくれちゃってるの!?」って言い方が面白かった。離れていても兄弟だからこそ出てくるやりとりで、犯罪者だけどなんか妙に癒された。撃たれた彼も『銀行員に一目惚れしたからこっそり会いにいく』ていうのが運の尽きで、それによって強盗のまっただ中に入っていっちゃうという、最初からギャグみたいなものだしね。
3人目のメインキャラのキャスもすごくて、この手の作品にありがちな「タフな女性」であるのは間違いないのだけど、どっちかというとどこか冷めて仕事している変わり者的な要素があるので今回の経験によって命そのものの重さを再確認したり、絶対に救わなくてはいけないことを改めて実感してたと思う。リモートで指示を受けながら外科的な処置をするのとかもめちゃくちゃ緊迫感ありましたし、最序盤で意味ありげに写った髪留めが活躍するのも(こう書くと何に使うか予想できちゃうかな)良かった。全てが終わった後に彼女がとる行動も変化を感じさせていいんですよね。
追う側も個性的で、モンローというLAの捜査官がなかなかのクセもの。まず口喧嘩というかダニーとのやりとりだけでもニヤニヤするし。そうかと思えば犬が大事でそのためだけにチャンス逃しちゃうし、お菓子の食べ方とかで女性捜査官に小言を言われまくりだし。宿敵って印象。他があんまり有能じゃないから余計に際立ってました。今の技術はすごくて救急車の中の様子がけっこう筒抜けなんだけど、それでもなかなか止められない。そう考えるとやっぱりダニーが一枚上手なのか?
前述の通り最後の最後はけっこう切ない終わりなんですが、正義が勝つのは間違いなのでそこはご安心を。最後数分まで目が離せなくて面白かったです。カーアクション、サスペンス好きな方はぜひ。
ちなみにジェイクギレンホールは今回も高橋広樹さんでした。
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