依頼人の嘘に現実味を持たせるためにさまざまな「アリバイ工作」をしてくれる会社を経営するグレッグ。運命の出会いをしフローという女性と恋人になるが、彼女の家に招かれると父親が仕事の依頼者だと判明。下準備もし本人の希望もあることから迷いながらもアリバイ作成を続けることにするも、それはフローにも嘘をつくことになり、なんの因果か旅行先で鉢合わせしてしまう可能性が出てきて……。
ヒロインにエロディ・フォンタン、父親役にディディエ・ブルドンの他(ともにシティハンターでも共演) ヒャッハーシリーズ(後述)のジュリアン・アルッティとタレク・ブダリら出演。
あらすじ
依頼人のために誰にもバレないようにアリバイを作る会社「アリバイ・ドット・コム」を経営するグレッグ(フィリップ・ラショー)は、恋人であるフローの実家を訪れ、彼女の父親ジェラールが顧客の一人だと知る。ジェラールと浮気相手との旅行中のアリバイを作らなければならなくなったグレッグは下準備を進め、ジェラールの旅行先のカンヌに飛んでアリバイ作成を始める。しかし、ジェラールが泊まるホテルにフローと母親もいて……。(シネマ・トゥデイより)
シティハンターの時にも書きましたがフィリップ・ラショーといえば「真夜中のパリでヒャッハー!」「世界の果てまでヒャッハー!」なので、この映画の邦題にもヒャッハー!がついてしまったという。原作はシンプルに「アリバイドットコム」だけです笑 そちらでの共演者とか、シティハンターの共演者ばっかり出てくるので、過去作品見てる人は懐かしく思えるかも。ちなみにカオリをやっていたエロディ・フォンタンは今回もフィリップの相手役やってます。
あれは原作ありきというか、一応シティハンターのノリとしての笑いでしたが、「おバカ」を強調してる通り、お下品でブラックなネタがバンバン出てきます。ヒロインとの出会いのきっかけとなるのが、犬が轢かれるというあれですし、完治した後も毛が燃える⇨プールに向けて蹴っ飛ばされて無事消火など可哀想な目にあっちゃいます。あとはフランス大統領を揶揄したり。別方面でいうと両親が激しく愛し合うのを娘が見ちゃうとか(お尻丸出し)、下半身に猫がちょっかい、酔っ払ってておばあさん相手に濃厚なキスなどなど、そういうのを「くだらないなぁ」って思いながらもゲラゲラ笑いながら流せる人向けのコメディです。
でも次から次へとトラブルが発生し、嘘に嘘を重ねてどんどんピンチになっていくのをテンポよく描いていくのでめちゃくちゃ面白かったし、他の作品を見てるからこそ「嘘はダメだよね」という綺麗に終わってくれるだろう安心感を持ちながら見れるのはいいんですよね。実際ラストは綺麗に落としてくれますし、中盤あたりからジェラール自体がもう妻の方を向いて改心していくから不快感は少ない。その分振り回されてしまうグレッグが可哀想だし、部下二人も散々な目に遭うし。
随所に他の映画のパロディがあって、予告でもスポーツカーでのカーチェイスっぽいのが映ってますが何を隠そうワイルドスピードです。虫の羽音が絶妙な音色でライトセーバーぽくなっちゃうのとか、高いところから藁に落ちるところでアサシンクリード(実写映画化もされたゲーム)の演出になったりとか小ネタにニヤニヤしました。棚に招き猫が置いてあったのも日本人的には反応しちゃう。
ある程度結果を予想させるところも好きなんですよね、例えば睡眠障害もそうですが「絶対こうなるよなー」ってトラブルをきっちり描いてくれる気持ちよさ。その上で斜め上を超えてくるし。コスプレパーティの衣装にさらにオチが用意されてるなんて驚きです。絡まった糸を解こうとしてるのに、やっちゃダメな方向に勢いよくひっぱっってさらにカオスになっていく。これぞドタバタコメディだなぁって。
例によって終盤全てがバレてしまい、グレッグとフローの間に溝ができてしまうんですが、復縁してハッピーエンドに向かう方法もなかなか洒落ててて最後まで楽しませてもらった。見てるこっちも「あなたって人はほんとにもう!」みたいな、ダメ男なのに憎めない、そんな魅力ある主人公でしたね。大事な人を裏切ってる輩の片棒を担いでる時点であまり褒められた行いではないんですけど、依頼人のために一生懸命、ある意味仕事熱心なのは間違いない。現実にもこういう会社ありかもな、って少し思っちゃいました。
前述の通り人を選ぶ笑いですが、あまり難しいことを考えずにゲラゲラ笑えるのでおすすめ。積極臭くなく、嘘はダメだな、ってしみじみ感じさせてくれます。
そうそう、エンディングには劇中のとある曲が使われてるんですが、歌詞に妙な魅力があってそこもご注目です。
U-NEXTにて字幕版を視聴。
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