リンクル・イン・タイム / 突然姿を消した研究者の父を探すため、姉弟たちは不思議な3人の女性に導かれて時空を超える旅をする。ディズニーによるSF児童小説の実写版。

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デレイン・レングルによる児童向けSF小説「A Wrinkle in Time(邦題・五次元世界のぼうけん)」を実写化したディズニー作品。突然姿を消した父を探すため、タイトル通り次元を超えた冒険が描かれる。
研究者である父がいなくなったことでだんだん周囲に溶け込めなくなっていた少女メグ。ある日謎の女性が現れ、彼は5次元世界にいると告げられます。突然んことに動揺する彼女ですが、対照的に弟はかなりその言葉を信じ、他にも何かを知っている様子。別の不思議な女性と出会い、最終的に父を探す出す旅に出かけることを決意するメグでしだったが……。
主演はストーム・リード。
主人公の少女を導く3人の女性をオプラ・ウィンフリー、リース・ウィザースプーン、ミンディ・カリングが演じ、父親役にクリス・パイン。
あらすじ
メグ・マリーは大好きだった天文物理学者の父が行方不明になってから、学校に馴染めない日々が続いていた。ある晩、彼女の家に不思議な女性が訪ねてきた。彼女はミセス・ワッツイットと名乗り、メグの父が研究中に五次元に消えたと告げる。弟のチャールズは何故か彼女を知っているようだ。メグは、いても立ってもいられなくなる。翌日、ミセス・ワッツイットが仲間を連れて裏庭に現れたとき、メグは父を探すため、弟そして一緒にいた友達カルヴィンと共に時空を超えた冒険に出ることを決意する…(ディズニーHPより)


DlifeでCMが流れていた時からその映像の美しさにすごい楽しみにしていたのですが、導入部分が[5次元]とか色々と科学的でびっくり。ただインターステラーとかみたいに理詰めで全部説明されているというわけでもなくてあくまでそういう要素もあるって感じ。「お父さんがワープ(テッサリング)する方法を発見しっちゃったせいで遠くに行ってしまい、3人の女性に導かれて主人公たちもワープしながら探しに行く」ということがわかってれば十分楽しめると思います。同じ振動を見つけてやれば〜とかそれっぽい単語も出てきますけど、なんか透明な波の「ここだ!」ってタイミングで入ってくとワープできちゃうし。

とにかく摩訶不思議感、常識を超えた物や場所を体験できるって意味ではとても面白くて、まずは3人のミセスの衣装だけでも凄かった。劇中でも色々変わりますけど、「人間の姿をしてるけど別の何か」というオーラがすごい。個人的には「ミセス・フー」がお気に入り。シェークスピアとか、有名人の名言を引用することで会話する女性なんですが、クリス・タッカー とかも出てきてニヤけました。予告動画でも使われている、住宅街で同じような子供、母親が出てきて似た動きをする不気味な世界観とか、逆に人で賑わうビーチとか、ワープしてすぐの「大自然」全開の世界とはまた別の雰囲気にガラッと変わるのでなんだかページをめくるたびに変わっていく絵本を読んでいるようでした。

最初こそ科学ワードが出てくるものの児童小説ということもあって、かなり単純というかメッセージとしてはとても分かりやすかったですね。そもそも父親が「愛」の重要性に気がついたのもそうでしたけど、家族の絆とかそういうものの強さがかなり意味を持ってましたし、弟が養子っていう設定があるので単に「血の繋がり」って意味じゃないのもわかる。その弟は物わかりが早く好奇心強くてどんどん先に進むタイプだけど、主人公メグは預言者の言葉もすぐに信じられなかったり、と「ザ・主人公」というタイプではないんです。でも父親に会いたい気持ちは本当だし、それと同じくらい弟も大事に思ってる。その強さがあの結果をもたらしたんだろうなぁと。
同時に「ありのままの自分の良さ」というのもヒシヒシと感じて、見終わった後に調べたらなんと脚本家が「アナ雪」監督脚本のジェニファー・リーらしくてちょっと納得。元々原作の大ファンだったそうです。

囚われてるお父さんをついに発見、そこからの展開はちょっと予想してたのと違う流れで、主人公の前に立ちはだかる相手が意外性ありましたね。まあ1番の親玉としては序盤から示唆されてた「どんどん広がってくる闇」なんですけど、なんとなく「ドクターストレンジ」の敵を思い出しました。ただメグは魔法が使えるわけじゃないし、誰かが助けてくれるわけじゃないですからね。ディズニーなんで負けることはないだろうけど、それなりに緊迫感ありましたし、この辺りもすごい映像表現だったので肩に力入っちゃいましたよ。
ちょろっとしか触れられませんでしたけど、その敵がもたらしてるのが嫉妬などと言ったネガティブな感情というのも面白くて、すでに触れたこととも重なりますが、対照的にポジティブな気持ちは大切だよ、家族が、仲間がいるよっていうシンプルゆえに響く内容だったのも良かった。メインターゲットとしては子供だと思いまが、十分伝わると思います。
最序盤で悲しみのあまり他人を遠ざけ、また傷つけてしまってたメグが、ということを思い返すと余計にジーンとくる流れだったなぁと。

CMが少なめだったり、なぜかBlu-rayなしでDVDしか発売されてないのはおそらくそういうことなんでしょうけど(汗)、個人的には割と楽しめましたし、映像の綺麗さはさすがとしか言いようがないので、摩訶不思議ワールドを体験してもらいたいと思います。
ジョジョ風にいうと「引力、即ち愛」という映画ですし、普通にいいお話。

そうそう、メグをいじめて逆にボールぶつけられてしまう同級生役で、「それいけゴールドバーグ家」の準レギュラーであるローワン・ブランチャードが出てました。

WOWOWにて字幕版を録画、視聴。






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