王様のためのホログラム / トム・ハンクス主演。IT企業の会社員が、売り込みにきたサウジアラビアで見舞われるトラブルの数々。で精神的にもまいっていく中、彼が得たものは・・・。

王様のためのホログラム(吹替版)

クラウド・アトラスのトム・ティクヴァ監督が再びトムハンクスとタッグを組んで描いた人間ドラマ。取締役を勤めていた会社が潰れ、IT企業に再就職した中年男性アラン。サウジアラビア王国への出張を命じられ、そこで国王にホログラム技術を売り込むように言われたが、その王に会えないどころか、満足に準備もさせてもらえない。トラブルが続き精神的にも参っていくが、気のいい運転手と、美しい女医に出会い・・。
終始困った顔のトムハンクスが笑え、優しい気持ちになれる作品。
あらすじ
大手自転車メーカーの取締役を解任され何もかも失ったアラン・クレイ(トム・ハンクス)は、何とかIT企業に再就職する。早速出張を言い渡された彼は、祖国から遠く離れたサウジアラビアのジッダにやって来る。アランはまな娘の大学の学費を稼ぐためにも、何とかして国王に最新鋭のテレビ会議システムである「3Dホログラム」を売り込もうとするが……。(シネマ・トゥデイより)


邦題は直訳なのでオリジナルもA HOLOGRAM FOR THE KING何ですが、あんまりホログラムは関係ありません。終盤になって「やっとか!」って感じでお披露目シーンがある分、ある種のカタルシス(待たされた分、スカッとする)があるものの、メインとなるのはそこに到るまでの日常であり、翻弄される中年会社員の悲喜劇、という表現がしっくりきそうな作品でした。

序盤はひたすら不運の連続で、準備をしろと与えられたテントにはロクなネット環境もなく、近くのビルで会う予定の担当者もいつも不在で面会すらできず。そのうち空調システムが壊れて部下も気を失うほど。一応衣食住としてホテルがあるのですが、毎日毎日そことテントの往復はうんざりするほど。ご丁寧に靴の中の砂を払う、シャワーする、歯を磨くっていうシーンがなんども描かれるので最初こそ笑えるものの「心中お察しします」ってなります。

そんな中での癒しが運転手のユセフで、精神的疲労から毎回寝坊した彼を送り届ける中での彼との会話はニヤニヤしっぱなし。別れ際に「(どうせ寝坊するだろ)明日は何時に迎えに来る?」って聞くところめっちゃ好きです。劇中で色々なカルチャーショックを体験するアランですが、この友情はまさに人種や宗教を超えててて、グッときます。仲良くなって色々なところを案内してももらったり、狼を退治しに行ったりと劇中、結構な割合で一緒にいましたね。予告動画のおちに使われていますが、彼に接するノリで「CIAのパートタイマー(フリー)だ」って答えちゃって一触即発になる展開は爆笑でした。ちなみに映画の舞台は2010年あたりらしいです。

もう一人はヒロインである女医さん。彼がなかなか進展しない仕事同様に気がかりになっている「背中のコブ」
の治療の中で出会うことに。劇中、終盤にかけてアラン本人も言及していますが、彼の悩み、そのものを象徴してる存在で、コブが解決するにしたがって色々なことが好転していくのが面白かったです。もちろんそれが繋がったというよりもユセフを含めた出会いや経験が彼に新しい価値観をもたらして、新しい一歩を踏み出すきっかけになってるという感じでした。

そう、これも大別するならば「人生の再生」をテーマにした作品とも言えて、会社を潰し、新しく入ったIT企業でも頑張ろうとするもののどうにもならなかった男性が、これまでと全く違う土地で新たな人生について考えていく物語。彼は娘に対して「お前は若くて時間もあるし強い」って言ってますけど、アランの年だって、遅いってことはない。なんだかとても爽やかで勇気をもらえる終わり方で気持ちよく見れました。

WOWOWにて吹き替え版を録画、視聴。

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