99.9-刑事専門弁護士- THE MOVIE / 松本潤主演。逆転不可能と思われる事件の真相解明に挑む人気ドラマの劇場版。15年前の毒物混入事件。無実を実証できないまま死んだ父親の無念を晴らすため、調査を開始するが……。

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数多くのヒット作がある日曜21時台ドラマの中でも珍しくシーズン2まで放送された人気シリーズの劇場版。主演は松本潤。起訴されたら99.9%有罪になってしまうという今日において、そこをひっくり返して真実を明らかにしていく刑事弁護士チームの奮闘を描く。ドラマで演出を担当した木村ひさしがメガホンを取る。
刑事専門弁護士の深山たちはこれまで難事件に隠された真相をいくつも暴いてきた。縁がある弁護士、南雲にはかつて担当した被疑者が獄中死した過去があり彼の娘を引き取って実子として育てていたことが明るみに出てしまう。戸惑いながらも「無罪の可能性がある」ことを信じた彼女は正式に依頼。15年前、とある村のイベントで振る舞われたワインに毒物が混入していた事件の調査に乗り出す。
香川照之、片桐仁、マギー、馬場園梓、映美くららといったお馴染みのキャストに加え、直前に放送されたSPドラマから引き続きヒロインに杉咲花、西島秀俊、蒔田彩珠。新キャストとして道枝駿佑や渋川清彦らが参加。
あらすじ
弁護士・深山大翔(松本潤)が所属する斑目法律事務所の刑事事件専門ルームでは、佐田篤弘(香川照之)が所長になり、新人弁護士・河野穂乃果(杉咲花)を迎え、日々さまざまな事件を担当していた。そんな彼らのもとに、15年前に起きた毒物ワイン事件に関わる依頼が舞い込んでくる。深山たちは事件が起きた村を訪れ調査を始めるが、巧妙に仕掛けられたわなによって窮地に追い込まれてしまう。(シネマ・トゥデイより)


先日のラジエーションハウス同様に、ドラマの続きを劇場版で、というパターンですが、こちらは公開当時に2時間くらいのSPドラマまで放送されていたので、なおさら前後編の後編ってイメージが強かった。連ドラ同様に1話完結が基本なのですが、十分に世界観が出来上がってるのでスッと入ってくるし「普通に美味しい」とか「調味料持ち歩き」「駄洒落」など深山節を違和感なく見れました。初見だと『なんなんだこの人は』ってなると思う。【変わり者だけど仕事としては有能主人公】を地でいってるタイプですからね。

〜節でいうと、「アウトサイダーズ」でもそのノリが出ていた木村ひさしさんが監督なので例によって小ネタの応酬が大量にあり、本筋の合間合間で独特のギャグが出てきます。ワインのイベント再現に読んだ劇団員がヤクザ作品の見た目だったり、今回もプロレス関係者出てくるし。正直全然詳しくないから置いてけぼり感が強いんですけどね。割と本筋がテンポよく進むのでそこまでうざったくは感じなかったかな。疲れるけど(笑) 新ヒロインのオタクお嬢様・穂乃果が漫画のセリフを大声で引用するっていうお決まりの流れが出てくるようになったのでそこだけ空気がすごくなってる印象。逆に深山の駄洒落は個人的には「つまんなすぎて逆に笑える」の領域に入っていて【ワイナリー】でたたみかけてくるところがお気に入りです。佐田先生が大袈裟に笑うから釣られちゃうんだよ。

SPドラマからとはいえ一応人となりがわかってる状態での西島さん演じる南雲弁護士とその娘の物語はそれぞれの立場で感情移入しちゃうし、ずっとテーマにしてきた「真相が闇の中になることで起こった悲劇」を扱ってるから今回もすごく引き込まれたし深山の境遇ともリンクするところが劇場版らしかったなぁと。一応前半20分くらいで別の事件も扱うけど、メインはほとんどワイン事件。なんか怪しさ満点なんだけど、なかなか展開が読めず。

実際に演じてみることでいかに難しいかとか違和感が明らかになっていく様子はチームが可能性を潰してく作業を一緒になってやってる気分になりましたし、例によってめちゃくちゃ働かされる明石さん(片桐仁)も笑った。珍しくヒロインが深山に懐いてるパターンなので、良き相棒の座をかけて競い合うという新しい関係性もなかなか面白いし、悪くいえば利用されてかわいそうです(笑)

最終的に明らかになる真実。結論から言うと僕は予想できなかった方向だったのですごかった。ちょっとでも書くとネタバレになっちゃうけど、個人的には事実を隠したことは良くなかったと思う。こうやって後になって明らかになる方が何倍もきついし、実際無実なのにって言う後味の悪さがあるからね。相変わらず深山もあんまりフォローとかしないで「真実に辿り着けた」で満足しちゃってるのがなんともいえない。依頼者のエリにしてみれば冤罪を晴らせたわけだけど、手放しのハッピーエンドとはまた違う印象でした。ふざけまくってただけに最後にピリッとする変化がすごかった。

ちなみにドラマシリーズのキャスト陣が顔出ししてくれて、そこも追ってきた身としては嬉しいポイント。榮倉奈々、木村綾乃、青木崇高、岸辺一徳、鶴瓶。それぞれのその後がなんとなく察せられましたし、凸凹で噛み合ってないやり取りも笑えました。鶴瓶さんの役柄としては一応スカッとポイントでもあったし。

ドラマを追ってきた人向けの映画ですが、これもまたあの世界をまた見れたと言う嬉しさあり捜査ものとしての面白さありで楽しめました。


WOWOWにて録画、アマプラにて視聴。
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