ただ、君を愛してる / 「いま、会いに行きます」原作者による小説を、玉木宏・宮崎あおい主演で実写化。大学時代の三角関係。切ないラブストーリー。

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いま、会いに行きますの原作者、市川拓司の小説「恋愛寫眞 もうひとつの物語」を玉木宏、宮崎あおい、黒木メイサらで実写化。
突然姿を消した女性に会うため、ニューヨークへやってきた主人公・誠人。彼女との出会いは6年前の大学入学式。あまり人と打ち解けて来なかった彼だったが、彼女もまたどこか周りとは違っていて、共に行動するように。しかし誠人には同級生のみゆきに一目惚れしており……。
学生時代の実らない恋。切ない物語。
あらすじ
何も言わずに自分の前から姿を消した静流(宮崎あおい)に会うため、誠人(玉木宏)はクリスマスでにぎわうNYへとやってきた。6年前、誠人は個性的な静流と出会い、静流は一目で彼に恋をした。写真が趣味の誠人と一緒にいたい一心で、静流もカメラを扱い始めるが、誠人は別の女性みゆき(黒木メイサ)に片思いをしていた。(シネマ・トゥデイより)


宮崎あおいさんの「小さくて(?)可愛らしい」「どこか子供っぽい」魅力が出ていた作品。

スタートは大人になった現在のNYであるものの、ほとんどのシーンが6年前の出会いから始まる大学時代の日々を回想する形になってるので、出演者はみんな大学生役。にも関わらず宮崎さん演じるシズルはなんか子供みたいで、その結果主人公との関係も兄と妹みたいな感じ。

ただ明確になってないけど、明らかに好きだったんですよね。マコトも。劇中では深く触れませんが、彼は腹部に皮膚の持病を患ってて、定期的に塗り薬が必要なんです。その匂いがバレるのでは?と思い、ずっと他人と距離を置いてた。大学ではみゆきをはじめ、普通の友人たちに囲まれてるものの、いつもビクビク。極端な言い方をすると、他人の目をかなり気にしてるタイプ。
だからこそ、ちょっと浮いてて、下手したら影で色々言われてそうななのに、それを全然気にするそぶりを見せないシズルの姿、強さに憧れていた。あまり描かれてないので言い切っちゃうのは乱暴かもしれませんが、マコトのみゆきに対する気持ちは、単純に美人だから一目惚れって感じ。一方シズルとはあまりに自然体なので恋とかほとんど意識してなかったんだと思います。

でもあそこまでアプローチされるって凄いですよ。最初はマコトをとられた、って拗ねていたのに(この時点でかなり可愛い)、すぐにみゆきと打ち解けて、それを不審がられた際の「自分が好きな人が好きな人を、好きになりたかっただけ」って言い切っちゃう。相手にされなくても、妹みたいな存在でも、それでも好き、それでもただ愛してるっていう思いの強さ。

僕はこの作品を前から大塚愛さんの主題歌だけは聞いたことがあって、流れた時はああこの曲かって納得したのですが、調べると出来上がったこの曲のタイトルから映画タイトルをそのままつけたそうで。確かにシズルの思いを表すビッタリな題名だと思います。そしてもちろん、マコトの思いという解釈もできるし。

「彼女はよく嘘をついた」という伏線めいたモノローグと、「泣ける」という感想から、なんとなく抱いていた予感が、ストーリーが進むごとに確信に変わっていって。分かってても正直あの終盤あたりに畳み掛けるようにくるのはかなり泣きましたよ。そして原作の元々のタイトルである、「恋愛写真」の意味。

学生時代はずっとシズルはメガネをかけているんですが、序盤あたりの『私がメガネを外したら凄いことが起きるよ』という前フリからの、あのシーン。(予告動画でネタバレしすぎな気もしますが) ほんと幻想的でしたね。後日みゆきにも知られますけど、あの「二人しか知らない秘密の場所」っていう設定がもう凄いドキドキしますよね。

全部マコト目線から描かれた物語なのに、最後まで見るとシズルのお話だったのだと気がつく。ラストは切ないのですが、大学時代の、写真撮ったり、鳥をおったりっていう二人の時間は確かにあって、その思い出を噛みしめながら爽やかに泣ける作品でした。

前述の通り宮崎あおいさんの魅力がとても出ていて、より感情移入できると思います。

Netflixにて視聴。

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