三銃士(ポール・アンダーソン)やホビットシリーズなどでもカッコよさを見せつけてくれたルーク・エヴァンスが今度はあのドラキュラを演じる。舞台は15世紀。トランシルヴァニアを治めていたヴラド公に、オスマン帝国皇帝から国民を兵として差し出すよう命令される。その中には彼の息子インゲラスも含まれていた。妻に懇願され、最終的に民を渡すより戦うことを決意したヴラドは、山にすむ怪物(古来のヴァンパイア)に力をもらいに行くのだが……
あらすじ
15世紀、ヨーロッパのトランシルバニア地方。この地を治めるヴラドは愛する妻とひとり息子と幸せに暮らしていた。ある日、同国を属国と見なす大国オスマン帝国の皇帝、メフメト2世がヴラドの息子を含む少年1000人をオスマン軍の兵士として差し出すよう要求してくる。だが、ヴラドはその要求を断わり、自分の家族と国民を守るため、古くから伝わる闇の力を持ったヴァンパイアの始祖と契約を結んで無限の力を得る。(WOWOWより)
最新CGを駆使した圧倒的なスケールのヴァンパイアアクションと、家族や国の未来を願う良き君主の切ない物語。
B級ホラーを含め、吸血鬼を扱った作品は数多くありますが、この映画は非常にシリアスに重厚に描いていて面白かった。そもそもヴラド自身がヴァンパイアになるのが苦渋の決断で、血の渇きや日光を浴びれないといった、強大すぎる力の代償についての苦悩だけでなく、それを知った国民たちから『怪物だ』と怖がれてしまう展開はなんとも言えないもどかしさがあって。他ならぬアンタらを守るためにその怪物になったんじゃないかよ!って叫びたくなりました。そんな彼を支え、最後まで一緒に戦った妻ミレナは立派でした。
順番が前後しますが、ヴァンパイアの強大な力の魅せ方も非常にカッコよくて、五感が敏感になったことの表現、他の動物や人間の動きがサーモグラフィみたいに見えるシーンや、ムシが出す小さな音まで聞こえるというのもびっくりでしたし、メインとなる戦闘シーンもその圧倒的なパワーは大迫力。もともとが『串刺し公』と恐れられていたほどなので、そこに闇の力が合わさって超無敵状態。『力の差を見せつければ戦意喪失しておのずと逆らわなくなる』ことを狙ってあえて残忍な行動をとったという本人の独白もあるのですが、昔から人知れず平和のために憎まれ役をやってきた男だったのです。ここも切ない。
『3日間、人の血を飲まずにいればもとの人間に戻れる』というこの映画オリジナルのルールがありまして、終盤にかかるにつけその期限に近づくのですが、どう考えてもそんな簡単にハッピーエンドになってくれるわけもなく。予想してたとはいえ、あの展開は正直かわいそうでしたね。約束通り息子は守れたけど……
ただ救いがあるとすればラスト。なるほどそういう終わり方なのかとちょっとびっくりでしたが、二人の住む世界が変わっても、愛だけは不滅だった。そんな感じがしてグッときました。
そうそう、銀が苦手なヴァンパイア相手に皇帝がとった作戦がなかなか上手かったなと思いました。あのアイテムは一つの時代を象徴してて、物語での使い方もナイスでしたし。
スターチャンネルにて吹き替え版録画、視聴。
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