恋する輪廻　オーム・シャンティ・オーム / 生まれ変わって、君の無念をはらす。ボリウッドの王シャー・ルク・カーン主演の傑作エンターティメント。: 映画感想.net ～映画ファン「きよ」のオススメ作品紹介～

2015年07月16日 19:00

恋する輪廻　オーム・シャンティ・オーム / 生まれ変わって、君の無念をはらす。ボリウッドの王シャー・ルク・カーン主演の傑作エンターティメント。

これまでも何度か主演作を紹介してきた『キング・オブ・ボリウッド』ことシャー・ルク・カーンと、新人女優ディーピカー・パードゥコーンが過去と未来、それぞれ一人二役を好演。
スターに憧れる脇役俳優のオームは、大女優で自分とは住む世界の違うシャンティに想いを寄せていたのだが、とある事件をきっかけに彼女と急接近。しかしシャンティはいけ好かないプロデューサーと結婚しており、事故に見せかけて殺そうとする。なんとか彼女を救おうとするオームだったが……
時を超えた愛に涙し、ミュージカルシーンにこころおどる傑作エンターティメント。
あらすじ
1970年代。駆け出し俳優オームは、憧れのトップ女優シャンティが実は売れっ子プロデューサーのムケーシュと人知れず結婚していた事実を知ってしまう。だが一方、ムケーシュはシャンティをうとましく思い、事故に見せかけて殺そうとしていた。オームはムケーシュの罠から彼女を救おうとするが、無念にも力及ばず命を落としてしまう。30年後。インド映画界にはくしくも同じオームの名を持つスーパースターが君臨していた。(WOWOWより)

長い！(170分)けどかなり面白い。女性への愛は時空を超える！

冒頭でもふれたようにこの映画の主演二人はそれぞれ一人二役やってまして、火事で命を落とした二人によく似た人物が、30年後に登場するわけです。それぞれ全然違う人物として。

前半は例によってオームがどれほどシャンティを好きかというがこれでもかと伝わってくるミュージカルシーン満載で、彼女が出演してる映画を見てたと思ったらいつの間にか自分が相手役になってる妄想をしてみたり。脇役ということを隠し主演映画撮っている(バレバレ)様子をかっこよく見せたり。
後半は本当に売れっ子俳優のオームが登場し、撮影する作品の数だけ、色々なシーンで歌って踊っています。とにかく全体的にバラエティに富んでいるので全然飽きが来なくて、楽しめました。気がつくと一緒になってリズムに乗ってしまう感じ。『恥ずかしいから素肌は見せられない』『今夜だけは一緒に踊ってくれ』みたいなストレートな愛情表現なのでボリウッドそこもいいですよね。

そういう楽しげなシーンがある一方で、悪のプロデューサーに天罰を、という思いもだんだん強まっていって。過去にそういう悲しい事件があったことが判明し、シャンティの無念を晴らすためにオームがいろいろと動いて行くハラハラ感もスリルがあって良かったです。『殺人現場を見ながらも助けられなかった青年が、生まれ変わって犯人を問い詰める』という内容の映画を撮ろうと持ち掛けたりとか、ムケーシュはかなりビビってたと思う。

極め付けが、シャンティと(顔だけ)そっくりさんを見つけてきたこと。ヘソだしでガムクチャ系の今どき女性を、気品ある女優にするための変身大作戦も面白かったですね。シャンティと全然違うタイプの女性を演じ、さらにまたシャンティぽく振舞う。ディーピカー・パードゥコーンさんという新人女優なのですが、この作品で一躍注目されるようになったとか。確かにうまかったです。

前世の記憶、だとかファンタジーチックなところは大いにあるんですけど、すべては愛が起こした奇跡ということで文句のつけようがありません。息子を失った母親や、親友の心情を思えば、帰ってきたんだと、素直に喜ぶべきだと思いました。

生まれ変わっても、というと『マッキー』を彷彿とさせますが、虫苦手な人には少しお勧めできない部分もありまして。こちらはよりエンターティメント作品、誰にでも安心して見せらるので、ぜひ楽しんでほしいとお思います。