シコふんじゃった。/卒業の条件は、相撲部に入ること！？しかも部員は先輩たった一人で……周防監督が本木雅弘主演で贈る、スポ根コメディ。: 映画感想.net ～映画ファン「きよ」のオススメ作品紹介～

2015年03月13日 19:00

シコふんじゃった。/卒業の条件は、相撲部に入ること！？しかも部員は先輩たった一人で……周防監督が本木雅弘主演で贈る、スポ根コメディ。

１９９１年公開の傑作スポ根コメディ。大学生活を満喫し、親のコネで就職も難なく決まった秋平だったが、とある講義に一度も出席していなかったことが教授にばれてしまう。卒業したければ、大学の相撲部として試合に出ろと言われてしまうのだが……
主演の本木雅弘のほか、柄本明、竹中直人、田口浩正、六平直政、清水美砂ら共演。
あらすじ
父親のコネで就職も決まっていた教立大学4年の秋平は、ある日、卒論指導教授の穴山に呼び出され、授業に一度も出席しなかったことを理由に、卒業と引き換えに穴山が顧問をする相撲部の試合に出るよう頼まれる。しかし、その相撲部にいたのはまだ一度も勝ったことのない8年生の清水ひとりだった……。(allcinema.comより)

周防監督の代表作『Shall We　ダンス？』と同じく、その競技にまったくの素人が挑戦し、奮闘するというのを時に面白く、時に感動的に描いている作品で、とても面白かった。

卒業のために仕方なく、といういやいやながら始めたにも関わらず、度重なる敗北。ライバル大学の存在、そしてチームワークという絆。だんだんと本気で相撲に取り組み、そして勝利をつかんでいく姿はかなりかっこよかったです。

ほかの部員たちも非常に個性豊かで、それぞれのストーリーがあって。大学自体の勝ち負けと言う大きなテーマとは別に、それぞれの成長も描き切ってるのがさすがでした。
一挙一動がコミカルな先輩青木(竹中直人)なんかは毎回お腹にきちゃうかなりのヘタレっぷりだったのが最後には……でしたし、ふんどし姿をあれだけ嫌がっていたスマイリーが……などなど。どの人も共感できるところがあって、感情移入しやすかったです。

それに地味によかったのが顧問の柄本さん。決して強要せずに、部員たちが自分から勝ちたい、強くなりたいと思わせるようにじっと見守って、そして信じてる。ただ弱い弱いとののしるだけのOBとは違って人間性を感じました。

最後の勝負の結果はまだしも、そのあとに秋平がとった行動がちょっと驚きでしたが、弱小チームの成長を描いたスポ根の王道をきちんと踏襲してて。笑うところで笑い、そしてグッとくるところでグッとくる。
ツボをおさえた色あせない傑作映画だなと思いました。