カレ・ブラン / 近未来。人類は『社畜』と『家畜』に二分化され、秩序を守るばかりで人間性を失った"怪物"が出来上がってしまっていた。衝撃のディストピア。

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近未来を舞台にいわゆるディストピアを描いた衝撃作。メガホンをとるのは新鋭ジャン=バティスト・レオネッティ。
秩序や権力に忠実に生きる『社畜』と、人間扱いされない『家畜』人間が二分化された世界で、秩序を守るあまり人間性を失い"怪物"となっていることに気づかない人々。この設定だけでかなりショッキングではあるのですが……
あらすじ
思考や感情までもが統制された近未来。人間は社会の権威や秩序に忠実な《社畜》と、人間扱いされず、死ねば食料となる《家畜》に二分化されていた。少年フィリップは人肉加工場で働く母と2人で暮らしていたが、ある日母が自殺し、施設へと送られる。そこで未来の伴侶となるマリーと出会った彼は、やがて優秀な《社畜》へと成長した。だが、何不自由ない生活を送る一方、妻マリーは彼との溝を深め、情緒不安定に陥っていく。(WOWOWより)


フルカラーの映像なのにどこかモノクロ映像を魅せられているような、独特の恐怖を感じる作品でした。冒頭からいきなり家畜を食料として処理する工場のような場所を映したり、とにかく不気味。

基本的には『社畜』である主人公目線で物語が流れていくわけですが、家畜に対する理不尽な行いには正直なんど目をそむけたくなったか。きつい映画ですよ。ホントに。

人道的に間違っていることをおかしいとも感じず、ただ命令に従うだけの"怪物"となっていく自分。そんな人生に絶望し、フィリップの母は『心を隠しなさい』と言って自殺してしまうわけですが、送られた施設の描写もなかなか。
フィリップもまた耐え切れずに自殺未遂をするんですが、女性教師に"更正"させれらるんですよ。そんなに死にたいなら家畜を収容する袋の中に入ってみなさいと言われ、従った子は……

そうやってすっかり『教育』を施され、立派な社畜になってしまったフィリップ。それが当然であるかのように行われる、家畜への理不尽な要求。実験ゲームと呼ばれていますが、壁に背中をつけた状態で、後ろに下がれと命令されたり(無理ですよね?)その試験官みたいな仕事をしてる彼は、まったく疑問をもたないから怖すぎる。それと対照的に、彼の奥さんは自分たちが怪物と化してることに気がついて……

その奥さんのおかげで、だんだんと目が覚め始めるフィリップ。悲しい結末になったらどうしようか不安だったのですが、これはかなりよかった。ハッピーエンドと言ってもいい、救いのある終わりなので本当よかった。
ただただ胸糞悪くなるだけの映画じゃねぇ。もちろん風刺的な意味だったり、そういう作品があってもいいとは思うのですけど、やはり後味悪いまま終わるのは精神的にきついので……

大胆というのか奇抜というのか。人類の二極化をここまで極端にしてみたり、食糧にしてみたり、非常にインパクトのある設定ながら、『母親だったり妻だったり、愛する人が本当に大切なことを教えてくれる』という王道の感動要素でうまくまとまってて面白い映画だなと思いました。

散々書いてますが、理不尽さやショッキングな描写も多分に含んでますので、ハッピーエンドではありますが、そのいうの苦手な人にはお勧めしません。

WOWOWにて字幕版録画、視聴。

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