悲しい運命を背負い、父同様にピエロとなった男が怪物へ変貌していく様子を疾風怒涛の展開で描き、第67回ヴェネチア国際映画祭の監督賞ほか受賞したカルト映画。
サーカスの泣き顔ピエロとなったハビエルは、一座のマドンナ・ナタリアに恋をするが、彼は同じくピエロでサーカスのボスと付き合っており…
ラブストーリー、暴力、ホラー、さまざまな要素を含み、ダークで不気味な雰囲気(に戦争への風刺も交じった)傑作、いや怪作。
あらすじ
1937年、サーカスの人気道化師だった父親は、ある日、ピエロの扮装のまま、スペイン内戦に無理やり駆り出されて戦場の地獄を味わう。それから時代は下って1973年。父親に憧れて同じく道化師となったハビエル。彼とコンビを組む道化師のセルヒオは気性の荒いならず者で、サーカス団きっての花形の美女である恋人のナタリアに対し、日常的に暴力をふるっていた。ハビエルは、そんなナタリアにはかない恋心を抱くのだが…。(WOWOWより)
ピエロという時点でおどろおどろしい雰囲気を醸し出している本作ですが、物語の後半予想以上の展開を見せてびっくり。悲しきモンスターという言葉がぴったりの映画でした。
前半の、暴力彼氏から彼女を救おうとする心優しき青年というパターンはある意味王道ですが、ピエロゆえか、方向性が少しずれてしまっていました。
オリジナルタイトルはBalada triste de trompeta訳すとトランペットの悲しいバラッドということで、劇中ジュークボックスから流れてくる曲とも関係してるのですが、その暴力男をトランペットで殴りつけるというもうがむしゃらな愛、みたいなシーンがありまして、すごく印象的です。
後半にかけてのゆがんだ愛、変貌っぷり、そしてラストの切ない展開にはただただ驚くばかりですが、冒頭でもふれたとおり、ラブロマンスにホラー、バイオレンスなどなどなんでもありの、面白い映画でした。
WOWOWにて字幕版視聴
次回は9月2日放送予定
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