ジェイ・アッシャーの同名小説を実写ドラマにしたもので、その衝撃的な内容も、メインプロデュースをセレーナゴメスが務めたことも話題。ネットフリックスで先月全13話を見たのでご紹介。
内気な高校生クレイ。彼と同じ高校に通い、バイト仲間だったハンナという女子生徒が突然自殺をしてしまい、彼を含め周りには大きな波紋を残していた。ある日クレイの元にカセットテープが届く。7枚のA面B面、13番まであるそれの最初のものを再生すると、なんとハンナの声がして・・・。
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先ほど全13話と書きましたが、概ねハンナの残したテープと話数が一致していて、それぞれ1話は1本目のA面、2話がB面、という風に、彼女の「13の理由」=自殺に至る前での出来事が少しずつ明らかになっていきます。そして必ず各エピソード、テープで語られる物語にはそれぞれ中心となる人物がおり、「テープにようこそ。今回はあなたのお語よ」みたいな感じで始まっていきます。
1エピソードが大体1時間くらいですが、ハンナを失って悲しみ、そして困惑する現在のクレイと、彼女のテープを聞く中で描かれる回想シーンという構成で、テープに登場する同級生たちもクレイより先に聴いているようで、「今いくつだ」とか「ハンナのいうことが全部ほんとだと思わないで」って対応をしてきます。
バスケ部だったり、チアリーダーだったり、関わっている人物の大部分がいわゆる陽キャラに対し、クレイは典型的な冴えない系主人公。しかしハンナのことを好きだったし、彼女もまた、、、なのでテープに対しての反応が違うんですよね。ドラマは彼中心なのでわかりませんが、おそらく過去にテープを受け取った人たちはクレイほど影響されなかったでしょうし、途中からは「自分の話が来るのはいつだ?」ってほうが多かったかも。
というよりも一気に聴いちゃってるんでしょうね。クレイはテープで語らえれるハンナの経験したこと一つ一つに感情移入して、辛くなって、なかなか先に進もうとしない。劇中でもそれをイライラする同級生ってシーンもあったくらいですから。視聴者としては毎回彼と一緒になって「そんなことがあったのか・・・」ってなれるし、うまい構成だと思いましたけど。
それにクレイがテープに登場するのかしないのか、ってのもかなり気になりましたし、テープが回ってきた順番として、(彼の自覚とは別として)ハンナの死にどの程度の影響を与えてるのかなっても重要なポイントだと思いましたし、「時間が許すなら一気見したい」ドラマでしたよ。早く次のテープ聞きたい!って感じ。
終盤になるにつれ、クレイ同様に聴くのが辛い、、って内容になっていくわけですが、そこで終わらなかったのがすごい。あまりネタバレにしたくなりませんが、彼が次にテープを渡す相手を含め、クレイの行動が泣かせましたね。どんなに後悔しても、1話の時点でハンナは死んでいて、その事実は覆らない。だけどテープを聴いた人間は何ができるのか。彼女は何を思って残したのか。確かにショッキングな内容ではあるのですが、登場人物のそれぞれの反応などリアルに描き、また演技も光っていてすごいクオリティのドラマだなぁと改めて感じました。
この手の作品の場合、見た人が影響されてしまうというのもわからなくないのですが、ハンナがテープに残したように、何かしら自分の辛さ、抱えたものを誰かに伝える手段ってあると思うんですよね。彼女は吹き込んですぐ死という選択をしてしまいましたが、誰か一人でもあれを聴いていたら変わっていたはず。そういう意味で、「誰かに伝える勇気」という方向で影響したらいいなぁと思いました。
まだドラマ版のDVDなどは発売されておらず、春にネトフリで配信されたばっかりですが、原作本は発売中のようです。
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