007/ノー・タイム・トゥ・ダイ / 大ヒットスパイアクション最新作にして、ダニエル・クレイグが演じる最後のボンド。誘拐された科学者を救うミッション。愛した女性の過去にまつわる宿敵を前に、最大の危機が迫る。

21作目のカジノロワイヤルから5作品ボンドを演じてきたダニエル・クレイグがこの作品での引退を表明している大ヒットスパイアクションシリーズ最新作。愛する女性と共に普通の生活を送ろうとしていた矢先、倒したはずの敵組織から狙われピンチに。旧友からのためのみで任務にあたるものの、別の脅威が判明。世界を、そして親子を救うために古巣に戻った彼は最大の危機に立ち向かう。
リタイアし、ジャマイカで恋人マドレーヌと共に暮らしていた元スパイのジェームズだったが、墓参り中に敵に襲われる。彼女のことも信じられないため別の国に潜むものの、旧友からの頼みで誘拐された科学者救出の任務に駆り出され、そこで自分の後釜となった007とも遭遇。兵器の恐ろしい強さを目の当たりにした彼は世界の危機を救うために再び古巣に復帰。敵のアジトへと向かうのだが……。
前作からひきづづきヒロインにレア・セドゥ、ジェフリー・ライト、ベン・ウィショー、ナオミ・ハリスの他、ラミ・マレック、ラシャーナ・リンチ、アナ・デ・アルマスら新キャストも参戦。
あらすじ
諜報(ちょうほう)員の仕事から離れて、リタイア後の生活の場をジャマイカに移した007ことジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)は、平穏な毎日を過ごしていた。ある日、旧友のCIAエージェント、フェリックス・ライターが訪ねてくる。彼から誘拐された科学者の救出を頼まれたボンドは、そのミッションを引き受ける。


いやー、ダニエル・クレイグ版ボンドのフィナーレにふさわしい作品でした。007は基本的に1話完結というイメージが強いのですし、メインとなる敵たちも間違いなく新キャラなんですが、前作「スペクター」の残党が出てくるし、メインヒロインはレアセドゥ演じるマドレーヌだしで普通に続編という意味合いが強いです。さらに終盤の展開なんかはもっとジェームズボンドという一人の男としての選択(何を大事に生きるか)が見えてきて、彼が演じた5作品を通じての人生の歩みみたいなものが感じられて余計に魅力的でしたね。

上映時間もめちゃくちゃ長く3時間近くあるんですが、舞台も色々と変わってボリュームもたっぷり。今回のもう一人のボンドウーマン、アナ・デ・アルマス演じるパロマが本当に最高で、個人的には歴代で一番好きかもしれません。元々過去の出演作「ナイブズアウト」などで好きだったんですけど、ちょっと天然ボケっぽくて最初大丈夫か?と思わせてからの本気アクションでめちゃくちゃ痺れました。あんなドレスやヒール履いてるのにあそこまで戦えるなんて。さすがエージェントです。序盤だけの登場なのがちょっと寂しいですが、それでも物凄いインパクトを残していくのでお楽しみに。単純にヒロインとして出てきてボンドと恋仲になって終わり、なキャラじゃない。

そのあたりこそ古巣を離れてずっと宙ぶらりんな状態ですが、マネーペニーとかQとかの協力を得るので実質いつも通りになってきて、途中から完全にMI6に復帰。上司に憎まれ口叩き合いながらのやりとりは軽妙でイギリスっぽいです。それと公開当時に「次は黒人女性が」って話題になってましたが、劇中でボンドの後釜として007のコードネームを継いだノーマという女性が登場。そういう意味だったのかってちょっとびっくりです。新007の彼女と、所属なしCIAの手伝い中のボンドという絶妙な位置関係も面白かった。称号を得るくらいだから彼女もまためちゃくちゃ強くてかっこよくて。特にサブタイトルにも重なる「タイム・トゥ・ダイ」をいうところが痺れます。

マドレーヌの因縁であるメインボスのサフィン(ラミ・マレック)もそこの見えない不気味さが顔の怪我と共に全身から漂ってて存在感がありましたし、多くの人間を、あるいは特定の人間をピンポイントで殺せる兵器を持ってるからこその無敵感たるや。おまけに人質取ってるようなものだしね。そこに至るまでも裏切り者がいたり、おとぼけ担当を兼任しつつ、敵に協力させられている科学者。義眼の男。刑務所にいるのに全てを操ってるかのようなブロフェルドなどなど立ちはだかる壁はいくつもあって、ずっと緊迫した状態でしたね。

だからアクション要素がてんこ盛り。パロマが出てきたあたりのドンパチも好きだし、終盤の敵アジトに侵入するハラハラも最高。というか序盤からいきなり爆発&敵の襲撃っていうコンボでジャマイカを疾走するんでスピード感がたまらないです。ボンドカーが色々と活躍してそれだけでもテンション上がりますし。ボタンを押すだけで色んな機能があるってのはロマンがあります。

スパイグッズといえば電子機器をいじる機能つき(電磁パルス?)腕時計や、敵側のアイテムですが磁力を利用して落下の衝撃を殺すスーツなどそういうのも良かった。ちなみに義眼の男との対決するたびに「目をいじるジョーク」を言うんですが、『彼に時計を見せたら、かっこよさに目から火花が出てたよ』とか言うのが地味にツボでした。

最終盤あたりの展開はこれまでのボンドのイメージとは少し違っていて、見ていて賛否が分かれそうだなと感じました。が、最初に触れた通り一人の男としての物語として見たときに、彼の人生でどういう意味を持つかとか感情移入すればするほど切なく、またカッコ良く感じられる気もします。あんまり言うとネタバレになっちゃいますが、ハッピーエンドとは言いずらいものの、一つのサーガの、伝説の男の物語の締め方としてどこか爽やかさもあるラストだったなぁと。

単純なアクションのボリュームも大満足ですし、そういったストーリー部分、ダニエルクレイグ主演ボンドの過去作を見てきた我々にとっても一つの区切りとして集大成的な作品になってますので、前作と合わせて、ぜひ。

U-NEXTにて399円で48時間レンタル。吹き替え版で視聴。

ソフトは来月発売です。

B09PTSH2YK
007/ノー・タイム・トゥ・ダイ ブルーレイ+DVD (ボーナスブルーレイ付) [Blu-ray]

この記事へのコメント