身代わり忠臣蔵 / 土橋章宏による時代小説をムロツヨシ主演で実写化。嫌われ者の吉良が死んでしまい、弟が身代わりとしてやりすごそうとするのだが、大石らの例の討ち入り計画が進んでいて……。あの事件をコミカルにアレンジした時代ドラマ。

「超高速!参勤交代」シリーズなども実写化されている土橋章宏の小説を原作に、ムロツヨシが一人二役で主演を果たした時代コメディドラマ。土橋自らが脚本を担当し、監督は河合勇人。
江戸時代中期。わがままで意地悪な吉良上野介が、赤穂藩藩主である浅野内匠頭に切り付けられるという事件が起きる。この責任をとって浅野は切腹するのだが、主君の無念を晴らそうと赤穂藩の面々、家臣である大石内蔵助らが仇討ちの計画を立て始める。そんな中、吉良本人が亡くなってしまう。急遽彼にそっくりな弟・孝証(たかあき)を身代わりにして、幕府にも死んだことをひた隠しにする。いきなり殿様になった孝証はあそびあるき、吉原で大石と意気投合してしまう。仇討ちする方とされる方が親友になり……。
大石役に永山瑛太、ヒロインに川口春奈のほか、ツッコミ役(?)で林遣都、寛一郎、森崎ウィン、橋本マナミら共演。
あらすじ
江戸時代中ごろの江戸城内。嫌われ者の旗本・吉良上野介(ムロツヨシ)が、彼に恨みを募らせた赤穂藩藩主・浅野内匠頭に斬りつけられ、瀕死(ひんし)の状態となる。逃げて死んだとなれば武士の恥、そればかりかお家取りつぶしの危機となってしまうため、吉良家家臣は彼にそっくりな弟・孝証(ムロツヨシ)を身代わりに仕立て、幕府をだまそうと画策。一方、切腹した浅野の家臣・大石内蔵助(永山瑛太)が、主君の敵を討つ機会を狙っているかのような動きを見せる。(シネマ・トゥデイより)


ムロツヨシに当て書きしたのか?ってくらいぴったりハマっていて、めちゃくちゃ面白かったです。予告だと全面的にコメディ色を強く描かれていますけど、いざ身代わりになってみて本物の吉良がやってきた悪政を改善したり、相手側の無念もわかるから討ち入りにたいして真剣に対応したりと、シリアス要素、感動要素が後半にかけていっきに増えていくので、3枚目やりつつ決めるところは決めるムロさんの真骨頂でしたね。
マジで孝証がすごく良いやつだから、最初からこっちが殿様だったらそもそも「殿中でござる」事件も起きなかっただろうなぁって。

そういえば最近は忠臣蔵わかるんだろうか?24年末もBSで昔やったやつの再放送がやってましたけど、結構なスパンで新作時代劇作られててある程度の年齢の方は「関ヶ原」レベルで有名な事件だと思うんだけど(偏見)。上記あらすじのとおり、雪の降る日に主君の敵討ちで赤穂藩の義士47人がいくっていう話。キアヌリーブス主演で『47RONIN』って映画もあるのでね。そっちも当然アレンジ加えられてるんですが、こんかいは身代わりがテーマなんで、「吉良が別人」っていう大胆な変更されてる。

すっごい汚いみなりでお坊さんとして暮らしていたところからいきなり殿様だから、格好とか振る舞いとかをそっくりに教え込まなきゃいけなくて。それが林遣都くん扮する斎藤宮内。もうこの人はずーっとツッコミ担当って感じで、これはこれで超面白かった。「勘弁してくれ!」みたいな不機嫌そうに叫んでるのがほんとしっくり来るんだよなぁ。予告にあるとおりちょっと暴走したりとか、最終盤の伏線にもなっている「とある趣味」だとか、準主役級の活躍だった。最初は孝証に頼るしかないから仕方なく、って感じだったのに予想よりもいい人だから本気でサポートしようと変わってくとこもグッとくる。

瑛太扮する大石が実は乗り気じゃなかったと言うのも面白いアレンジだけど、現実逃避で遊んでて、そこで吉良(偽物)と仲良しになっちゃうのも馬鹿馬鹿しくて笑った。花魁役の橋本マナミさんでちょっとしたお色気要素があるのでそこ注意ポイントではあるんですが、一緒にふざけまくって仲良くなった相手が因縁だった切なさ。お互いの立場がわかってるからこその決断に関しては切ないけど感動的でしたね。
てっきり二人で作戦を練って「討ち入りしたこと」にして逃げるんだとばかり思ってたのでね。

討ち入りシーンで終わるわけでもなく、そこから筒井康隆さんの「万延元年のフットボール」を想起させる、めちゃくちゃ不謹慎な展開があるのでそこもブラックユーモア全開。シリアス全開からの温度差がひどい。基本的に森崎ウィン君ら大石の仲間の志士とか、あとは吉良側のめちゃつよ用心棒(寛一郎)なんかはちゃんとした時代劇アクションの登場人物って感じなので、しっかりと【忠臣蔵】もやってるのでご安心を。

残念ながら最終的には史実通りに全ての決着がついてしまうのでそこも悲しいのですが、全体を通して笑って泣けて、というタイプの作品ですので不思議と爽やかさもある。こんなはずないだろーって思いながらも、どんどん物語に引き込まれて、とても面白かったです。

アマプラにて視聴。
25年1月現在、Amazonプライム会員は見放題対象ですのでぜひ。

動画はこちら
https://amzn.to/3PFIf8h

B0D3TZRG2Q

身代わり忠臣蔵 豪華版 [Blu-ray]

楽天はこちら

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック