奈落のマイホーム / 11年越しの夢だったソウルでのマンション購入で浮かれていた平凡サラリーマン家族。引っ越し祝いとして同僚たちを招いた翌日、土地が陥没しマンションだけが丸ごと地下に落下してしまう。韓国ディザスタームービー。

キム・ジフン(「ザ・タワー 超高層ビル大火災」「第7鉱区」)がメガホンをとった、韓国産ディザスターパニック映画。主演はキム・ソンギュン。念願かなってマイホームを手に入れたのも束の間、床が傾いている欠陥住宅だと判明。さらに突如としてマンション1棟が土地丸ごと地盤沈下し地下奥深くへと落下してしまう。取り残された人たちのサバイバルを描く。
サラリーマン、ドンウォンは11年という長い年月をかけソウルにマンション購入という夢を実現させたが、床はビー玉が転がったり、風変わりなご近所さんなど理想とはかけ離れていた現実に少しがっかり。同僚たちを引っ越し祝いとして招いた翌日、突如としてマンションが揺れだし、建物全体がそのまま地下へと沈んでいってしまう。深すぎてドローンの電波さえ届かない距離で救助も難航する中、マンションに残っていた人たちは協力しあい……。
チャ・スンウォン、イ・グァンス、キム・ヘジュン、ナム・ダルムら共演。
あらすじ
平凡なサラリーマンのドンウォンは11年間の節約生活の末、ソウルにマンションを購入する。引っ越し当日はあいにくの雨で、同じマンションに住む妙な男マンスとのトラブルにも見舞われる。雲行き怪しい新生活の始まりだったが、ドンウォン一家は都会の一等地の部屋を満喫する。だが息子がビー玉を床に転がすのを見たドンウォンは建物が傾いているのではないかと疑問を抱く。やがて、マンションは巨大陥没穴に落下してしまい……。(WOWOWより)

地震及びショッキングな映像が流れます。ご注意ください。

映画最終盤、全てが解決し後日談にて「花火の音に怖がる」ってシーンが出てきますが、ディザスター=災害をテーマに扱っている作品なのでそういうのが苦手な方は予告編含め回れ右でお願いします。

とはいえ全体的にシリアスなシーン自体は割と後半に偏っていて、前半はコメディ映画と言っても差し支えないほどニヤッとするシーンの連続。意図的に「マンションに取り残される人々」にこれでもかって日常の風景を入れててて、結果としてすごく感情移入できるんですよね。
一応メインとしては上記あらすじにも出てくるサラリーマンでパパのドンウォンなんですが、マンションの住人たちやたまたま来ていた同僚たちも個性的だし、バックストーリーがある。特にマンスという怪しげなおじさんはサバイバルでもかなりの活躍をするし最初からキャラが立ってましたね。

そもそもせっかく買ったのに欠陥住宅になっちゃたってだけでも「他人事だからこそ面白い」いや笑えないんだけども、中年サラリーマンの切なさ出てますよね。ウッキウキで「マイホームだ」って言ってたのにだんだんシュンとなっていくし、わざわざ同僚を招いたタイミングでボロいってどんどんバレていく。
怪しげなおじさんも、ご近所さん、ジムインストラクター、運転代行と「またお前なのか」って繰り返しのギャグになってるから主人公にとってみれば嫌だけど、一方で彼もまた息子を育てるシングルファーザーとしての一面がある。突然崩落したからまず誰がマンションに残ってるかも把握できなくて、いるのかいないのか必死になるところとかこっちまで熱くなりました。
キノコヘアー?のちょい間抜けな若者と、インターンの女性。サバイバル編の最初は出てきた4人が中心になりますが、実は他にも残っていて……。
救助活動を見守る側にいないってことはマンションの中に残ってるわけで。大丈夫かな、いつ合流するのかな?ってハラハラしながら見ちゃいます。

緊迫した状況下でのアクションとしても、急に車やブロックが落ちてきたり、あるいは傾斜になっているために建物から落ちそうになって必死でロープで掴んだり。一時的に土砂に埋もれちゃうことも。ただ最終盤にならない限りはなんとかなる→和やかな雰囲気、コミカル描写ってパターンが多いのでそこまで肩に力入れずに見れますね。例えば救助隊を主役にした映画とかみたいにずーっと緊張感が続くタイプの映画ではありません。

ですよね〜ってコテコテのギャグも多くて、特に引っ越し祝いで買ったご自慢のロッキングチェアの運命が……。そうやって少しずつサバイバル組のチームワークができていくのが微笑ましかった。特に同僚二人はインターンだろって手伝いすらしてくれなかったのに、急激に距離が縮まって吊り橋効果のお手本みたいな感じ。電話するところグッときた。

残念ながら犠牲者ゼロってわけにも行かなくて、終盤あたりはそういう意味でキツかったしドンウォンの主人公として過酷なことやってて最後に向けて一気にサスペンス要素一本に集中していく感じが見応えあります。あとはマンスの大活躍ね。予告でもちらっと映ってますが、「先に順番を譲ってる」ことで何をしようとしてるか予測できちゃって、その時点でうるっと。

先に触れてる通り大多数は無事に生還できるわけですが、この「シンクホール」ってやつが現実に絶対起こらないとは言えないわけで地震のおおい国に生まれ住んでいる以上、日本もありえるよなってちょっと怖くなります。液状化現象って耳にしますし。適度にコミカルだから見れたけど、そういうこと考えちゃってビビってたかも。この映画を見たほとんどの人が床にビー玉を転がしてみたはず。そのくらいインパクトがありました。

ディザスターパニックものではあるものの、マンションに住んでいる人、一人ひとりにスポットを当てて家族や隣人愛火事場の馬鹿力みたいなもので胸が熱くなる作品。怖かったけど最後まで見入っちゃったので、耐性がある方は見てみてくださi。

WOWOWにて吹き替え版で録画、視聴。

B0BS92KWNC
奈落のマイホーム

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