太閤秀吉にまつわる品々を集めた「秀吉七品」のうち、鳳凰という名前のものだけは詳細が分からずにいた。大阪秀吉博というイベントが開催されることになり古美術商の小池は友人のつてもあって顧問として呼ばれるが、一方野田は世間を賑わせていた波動アーティストTAIKOHに依頼され、幻の茶碗「鳳凰」を作ることに。秀吉にまつわる人々の思惑に振り回される二人だが……。
アーティスト役で安田章大の他、中村ゆり、笹野高史ら新キャストが参加。
あらすじ
冴えない古美術商・小池と、いつまでたってもうだつの上がらない陶芸家・野田という、相変わらずくすぶり続ける骨董コンビ。そんな彼らの前に一攫千金が狙えそうなお宝が現われる。それは日本一の出世頭、太閤秀吉の縁起もの“秀吉七品”の中でも唯一所在不明の光輝く茶碗“鳳凰”。その幻のお宝を巡り、開催間近の大阪秀吉博の実行委員会、カリスマ波動アーティストTAIKOHと彼の財団を仕切る女性・寧々が絡んでくる。(WOWOWより)
過去2作は確か贋作、つまり偽物を作ることが主になっていましたが、前述の通り今回は「詳細が一切わからない茶碗」という無茶振りも無茶振り。1作目しかみていなくて今回この映画を見る前に2作目「京町ロワイヤル」も急いでみてきました。そっちも面白いのでおすすめです。
「贋作を作って悪者の鼻をあかす」的だったこれまでとガラッと変わるので難易度も上がってるし、連続で見ても新鮮でしたね。
というかそもそも今回も脚本が凄くて、「秀吉七品」って実在するのかもって思ってたくらいですもん。超有名な草履の話とか史実を織り交ぜてくるからかなり説得力があるし、劇中の小池同様に脚本家にうまく騙されてしまっている感じ(笑)ないんだよね? でもすごくロマンある話だったし、もしかして茶碗じゃなくて……?みたいな説も面白かったです。
新キャラであるTAIKOHは、劇中でも「霊感商法」って揶揄されるシーンこそあるもの当の本人は別にだまくらかそうとしてるわけでもなく、本当に自分の思いを絵にしてるだけって感じ。それを中村ゆりさん演じるマネージャーがなんとかお金にしようと奔走しててその温度差がシュールだし過去作のような悪人と言い切れないところが絶妙。ものすごい高値がついてても、それは買った人が波動のパワーがあると信じてるわけだからな……。僕はちょっと理解不能ですけどね。100万の絵を買ったら100万の仕事が舞い込んできた、って喜んでる時の「プラマイゼロじゃないか」って反応が超面白かったです。この人の過去のエピソードもベタだけどなんか良かったし、仕事の原点みたいな部分で小池の娘との絡みを出したのも世界観広がってて好き。野田の息子も前回に引き続いて結構仕事させられてたなー。
すでに触れてますが小池は秀吉博、野田は鳳凰づくりって半分くらいまでは完全に別々の道筋で秀吉に関わっていくんですが、ある理由から顧問じゃなくなった小池と、なかなかアイディアが出ずにクビになってしまう野田がいつものようにコンビになってからの一気に駆け上っていく感じは本当にたのしかった。まぼろしの鳳凰はどう作ればいいのか。野田の腕は本物だから捏ねて作って焼いて、っていうシーンも絵になるしこうやって作るんだ〜ってワクワクします。
2作目でも活躍したテレビクルーや飲み屋を中心としたそれぞれの専門家(おっちゃんたち)が再び力を合わせて、獺チーム(主人公)、秀吉博、TAIKOHと三つ巴の様相でラストに傾れ込んでいく。ここに出てくる笹野さん扮する専門家のキャラが濃くてまた爆笑。あれアドリブ入ってるよ絶対。いい感じで小池に誘導されてすごい感動的なラストに着地していく。この勢いというか気持ちよく煙に巻かれるのが嘘八百映画の魅力だよなって再確認しました。今回も登場する学芸員の塚地さんもナイス。
他にも胡散臭い外国人とか過去キャラ多数出てきてニヤッとしますので、繰り返しになりますが過去作見てるとより楽しめます。
後日談的なエピソードも良くて、ちゃんとTAIKOHさんとこもハッピーエンドだったのがいい。いつも通りの最後の運のなさが名コンビらしいし、次回作の構想なのか「次は〇〇行かない?」なんてセリフが出てたりするんで続編期待しちゃってます。
グレイトフルギフトってドラマだと佐々木さん超悪役なのでこういう映画で中和しないとご本人に対するイメージまで悪くなっちゃいそうで。主役二人ともいいキャラで面白かった。
WOWOWにて録画、視聴。
動画はこちら
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