兄弟分に押し付けられる形で、経営難の高校の理事になってしまった阿岐本組。組織のナンバー2である日村たちは組長からの無茶振りによって高校の立て直しに取り掛かるが、夜な夜な学校の窓ガラスが破られる事件が起きていたり、花壇が放置されていたりとよくない雰囲気を感じる。言葉もわるく大人にくってかかる女性徒・ちひろが犯人だと思われていたのだが、想像以上の闇があって……。
組長役に西田敏行の他、伊藤淳史、池田鉄洋、生瀬勝久、光石研らベテラン勢が好演。生徒役には葵わかな、桜井日奈子、葉山奨之ら。
あらすじ
経営難の仁徳京和学園高校に、昔気質のヤクザ一家・阿岐本組の阿岐本組長(西田敏行)やナンバー2の日村(西島秀俊)らが新しい理事としてやってくる。見た目が怖く荒っぽいが、義理人情を重んじる彼らの言動に、少しずつ周囲の空気が変わっていく。あるとき、学校の乗っ取りをもくろむ欲深い連中が策略を仕掛けてくる。(シネマトゥデイより)
たしか去年?とかにネトフリの配信開始で見つけてそのままなかなか見れずにいたのですが、なんと2019年の作品。生徒役でてくる葵わかなさんや桜井日奈子さんがさらにお若いというか今とはまた違う魅力があって新鮮でした。
木村ひさしさんはのちに「アウトサイダー」でも西島さんとタッグを組みますが、このブログでもたびたび触れているように福田監督とはまた別の【彼特有のギャグ描写】がある方なので、スタッフを調べる前にすぐにわかりました。なので人情でグッとくるシーンも多々あるものの、けっこうなコメディです。
例によってプロレスネタも登場しましたし、99.9でも出てた佐藤蛾次郎さんもちょい役で出ています。結構大真面目な顔してばかなことをやるっていう、ちょっとクドいけどくすくす笑っちゃうネタが随所にあって面白かったなー。
窓ガラスを割っている犯人を探すために学校で張り込みしてる時の、無線連絡の「どうぞ!」のなぞの張り合いだとか、派手すぎるシャツを後輩にあげたのにきてもらえらない問題。「あきもと組3箇条」の唱和とかね。
ここぞというときに出てくる組長こと西田さんもさすがのひとことで、締めるところはしめつつ、この人もコメディ適性めちゃくちゃ高いからほんと笑った。最後の最後、校長との「いつからヤクザだと気づいてた?」っていうやりとりの顔芸が劇中で一番面白かった。タイトルに任侠っていう言葉があるとおり、ヤクザではあるけど人の道として正しいことしかしてない。反社だから褒めちゃいけないけど、カッコよく見えますよね。
ちなみに原作小説シリーズでは次から次へと社会福祉として「建て直し」を部下に指示するようで、いつかそちらも読んでみたいです。
メインとなるヤクザと生徒との交流についても王道ながらジーンとくる要素が多くて。わかりやすく不良少女のレッテル貼られている子はやはり犯人ではなく、別の目的で学校にきていた。荒療治するぎるというか、「窓割ってみろ」ってやるのはかなり異例。GTOっぽさありましたw あとはベタといえば優等生に見える方が実は……っていうね。
でもお嬢様本人が悪いっていうよりも、その親でPTA会長(光石さん)とその背後の、って展開で、彼女もまた振り回されている感。写真を悪用してつるしあげたり、ナイフとかはダメだけどね。
葉山くん演じるストーカーもとい写真部くんは、おどおどしたステレオタイプのオタク演技がめちゃくちゃハマっていて、これも見どころだった。なんかこうなつてくる犬みたいな感じで個人的には不快感ないし、あれもまた一つのヒロインへの応援だったって感じだし。この子の才能もうもれさせないぞっていう日村たちの奮闘も良かったしね。
基本的に子供達をただしく導いてやるのが大人の仕事だ、それが任侠だって熱さがありました。お嬢様をはげまそうと語られる過去の話(組長の出会い)も好き。
アクション要素もあって、ヤクザ連中と半グレ集団との乱戦は結構見応えありました。始まる前に上着抜いで背中の刺青をひろうするところかも盛り上がりましたし、それぞれ連中がそれぞれの良さ出しながら戦ってるし。このメンバー個性的で面白かったなー。時間的な制約であまり掘り下げできなかったけど、前田航基くん演じる一番の若手のエピソードとか、ほんといい組だってのが伝わってきました。
ヤクザらしい解決方法で相手を黙らせる展開もスカッとするし、カッコよかった。何か大会で優勝するとか劇的な変化こそないんだけど、通っている生徒の顔が明らかに変わっていて、それが花壇にも象徴されているのがナイス。花道は似合わないといいながら笑顔で見送られるラストがすごくさわやかでした。
Netflixで視聴。
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原作小説。現在6冊出ていて、これは2冊にあたります
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