認知症の症状もすすむ祖父のもとを訪れた一家。ジェロームは小さい頃に父ギルバートとやった思い出の「人狼ゲーム」を家族と共に遊ぼうと考えていたが、誰も乗り気にならず。あきらめて片付けようとすると突如地震が起き、逃げ込んだ地下室からふたたび地上にもどると、なんとまるごと中世にタイムスリップしていたのだ。透明人間、読心術など人狼ゲームの役割が与えられたことに気づき始めた彼らは元の世界に戻るためにゲームクリア=人狼の発見を目指す。
スザンヌ・クレマン、リサ・ド・クート・テシェイラ、ラファエル・ロマン、アリゼ・コグニエ、グレゴリー・フィトゥーシら共演。
あらすじ
謎めいたカードゲームを見つけたことをきっかけに、中世の村にタイムスリップした一家。毎晩姿を現す恐ろしい人狼(じんろう)たちから身を守ることはできるのか。(予告動画概要欄より)
ネトフリ上では10歳+向け、人狼との戦いだったり、直接描写されないものの処刑するくだりがあるのでそこは注意ですが、ある程度の年齢なら家族で楽しめる作品だと思います。「キッズ」のタグがついてる。
それこそ人狼ゲームは若手俳優陣が出演する邦画が大量に存在していますし(騙し合いデスゲーム的なもの)、人知れず犠牲者が……という設定はホラー向けではあるのですが、この作品はけっこうコミカル。どちらかというと【ジュマンジ】と似たジャンルでしょうし、同時に【タイムスリップもの】でもあると思います。
冒頭で触れた通り基本的に4人(?)の人狼を探すことが目的になってくるわけですが、まず主人公一家がよそ者だから怪しまれてしまう。それこそ人狼じゃないのか、ってね。必死にとりつくろうのが面白いけど、ここでジェロームが「音楽教師」の設定が生きてくる。彼の演奏は後半でもがっつりあって結構ノリノリになるのでお楽しみに。バックトゥザ・フューチャーみたいに新しい音楽だからすごい!ってのとも違うんですが、フランス語?でも歌詞が表示されるので見てて盛り上がれました。村の女性陣からモテモテなことに奥さん嫉妬してたのもベタだけど好き。
祖父ギルバートが怪力、娘が透明人間、息子が盗人、とそれぞれ能力が割り振られているのにその妻マリーだけなかなかわからなくて。最終盤で判明するのがなかなか良かった。その分家族のためや現地の人のために活躍シーンがありましたね。特に時代ゆえの女性の権利の低さみたいなもの、さらには同性愛とか結婚の重さみたいなジェネレーションギャップがあってそこに憤りを感じたりするので、まだまだ課題は多いけど、すこしずつ確実に価値観がアップデートされてることを実感します。
家族以外でいうと、賑やかし担当が2人。片方は牢獄にいれられた彼らの遠い子孫で、基本的にずっとおバカで可哀想な役柄でしたね。特に弓で射らられたあとの展開は「繰り返しのギャグ」もあいまってニヤニヤしちゃった。痛そう。もう1人は通称ピエロというマッドサイエンティスト枠。ちょっと透明人間の解決法はツッコミどころというかガバガバなんだけど、この発明のおかげで透明になれることのいいとこどりできたし、かなり貢献してた。しかも映画全体のオチにも関わってくるのでね。タイムパラドックスが起きないように、なんてフラグ立ててたけど、こう回収されるのねーと面白かったです。
家族同士の関係性については、主にジェロームとギルバート。ここにきたことでギルバートの頭がめっちゃはっきりしてたのでこの父と息子のやりとりとか(のちにわかる手紙)グッとくる部分も多かったし、普段は思春期って感じでちょっと距離があった子供達も一致団結してクリアを目指してく感じも王道ながら好きでした。
人狼も着ぐるみっていうか割と造形頑張ってたので、とくに終盤に長めにあるアクションシーンとかもそこそこの見応え。アドベンチャー作品として満足感は高かったし、これまた家族の連携が熱かった。
最初に書いた通りファミリー向けなんで、サクッと見られる映画。タイトルとは裏腹に画面もめっちゃ明るいし、おすすめです。
Netflixで吹き替え版視聴。
ジェロームの声はウィルスミスとかの東地さんがやってるんですが、ご婦人方に歌を褒められたあとにめちゃくちゃいい声になってたのがマジで面白かったです。
24年10月より独占配信中。
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