ミステリと言う勿れ / 人気漫画原作ドラマの続編的劇場版。とある一族の遺産相続をめぐる事件に整が挑む。広島で我路の知人だという女子高生に出会い、両親の死の真相を解明することに。

洞察力の高い天然パーマの大学生、久能整が事件を解決していく田村由美の漫画「ミステリという勿れ」を原作に、大ヒットした実写ドラマの続編となる劇場版。広島を舞台に、不審死がつづくとある一族の遺産相続問題に巻き込まれていく。ドラマ版と同じく、松山博昭が監督、相沢友子が脚本を担当。主演は菅田将暉。
広島の美術館を訪れた整(ととのう)は、そこで我路の知人だという女子高生・汐路に出会う。彼女の父は兄弟ともども自動車事故で亡くなっており、彼らの子供4人での遺産相続の詳細が明かされようとしていた。それぞれ蔵を与えられ、遺言書の謎解きをすることになる汐路だったが、一族の過去にまつわる秘密が少しずつ明らかになっていく……。
ヒロインに原菜乃華のほか、萩原利久、鈴木保奈美、滝藤賢一、柴咲コウ、松下洸平、町田啓太ら豪華共演。
あらすじ
美術展のために広島に来た大学生・久能整(菅田将暉)は、犬堂我路(永山瑛太)の知人だという女子高生・狩集汐路(原菜乃華)と出会い、ある相談を持ちかけられる。それは彼女の家系・狩集一族の遺産相続を巡るものだった。当主の孫にあたる汐路をはじめ4人の相続候補者たちは、遺産を手にするために遺言書に記された謎を解かなくてはならないが、狩集家では遺産相続のたびに死者が出ており、汐路の父親・弥(滝藤賢一)も8年前に交通事故で他界していた。(シネマ・トゥデイより)


ミステリと〜は単純な謎解きというよりも主人公である整くんの独特のテンションと、いいにくいことを言ってくれる優しさ&スカッと感にあると思おうのですが、今回ももちろんその良さがたっぷり詰まっていて。
でも1本の映画としてすごく豪華で見応えある作品だったのでミステリとして見ても満足感あるものだったと思います。
地方の金持ち一族、遺産をめぐる不審な死、ってまさに王道ですよね。金田一耕助とかの世界だ。

犯人そのものに関してはかなり最初の方から違和感があったので個人的にはすぐにピンと来たのですが、蔵の謎解きそこから判明してく秘密に関しては少しずつ見えてくるので全部が繋がった瞬間が気持ちよかった。
まず蔵の名前からして「一つ足りない」ってぼやくシーンがあったりして。僕もミステリ好きとしてどんな伏線も見逃さないようにしようと、先に当ててやろうと注意深くみたんですが、この映画もちゃんと最初から示してくれるのでありがたいですし、そういうことかーって悔しがれるからいいです(笑)

先ほどふれた「ととのう節」とも言えるメッセージとしては、「コンクリートが固まる前にできた凹み」というのがやっぱり作品のテーマともあっていて、小さい頃に植え付けられてしまったトラウマとか、間違った考え方っていうのはいつまでも尾を引いてしまう。それが持たらす悲劇。だから大人はなるべく凹まないようにしてあげなきゃいけない。
一方で映画のラスト付近では、人との出会いとか人生を生きていく中で少しずつ埋まっていくから大丈夫って希望を与えていて、それがあるだけでもかなり救われた気持ちになりましたね。この辺のバランスがすごく好き。
これくらいならネタバレにならないはずですが、今回整君が介入して謎をといたおかげで「もう不審死は起きない」わけですからね、一族にとっての傷はうまっていく。癒やされていくはず。

他には「女性は家事をしてる方が楽なんて誰の意見」だとか、小さいところでは「椅子のリクライニング倒します」(許可をとるくらいなら宣言して、嫌がられたらやめればいいのかな)などなど面白かったですし、『〇〇する人が優しい人だとは限らない』も印象に残りましたね。

兄弟たちもキャラが立ってて、すぐにカッとなってしまう新音とか、基本的に従兄弟連中は最初はギスギスしてるし、この世代もお互い殺し合うのか?みたいなムードが出ててみんな怪しく見えてくる。でも親たちの足取りをさぐる中で一致団結してくのはやっぱり絆を感じたし、前述のとおりこれからは手を取り合っていくんだろうなって思えたのが良かった。汐路と父(滝藤さん)が主に描写されてたけど、みんな交通事故の遺族なんだものね。ゆらが子持ちだからこそ「次の世代」のことを考えるって構成なのも上手いと思うし。

演劇の中身が明らかになったあたりで過去の出来事がつながるのですが、結構おどろおどろしいし、交通事故とは別の犠牲者の殺害シーンはグロさがないとはいえ結構エグくてそこはきつかったなー悪人って感じ。こっちもまた「思い込まされたルール」に縛られ、犯行が露見してしまうのは皮肉なものでした。

最終盤にはこれまた豪華共演できっちりとフォローがなされてそういう後味の悪さはなくなるし、最後に汐路がマフラーをしてるのをみてグッと来ました。そして1分程度ですがドラマ版の刑事メンバーも登場。セリフ2つくらいなのに尾上松也さんの顔芸で笑ってしまった。続編やって欲しいなー。

ドラマの続きではあるものの、今回限りの舞台、主人公以外は基本的に新キャラなので映画単体でも楽しめますし、ファンとしても良さがいっぱいつまってた新作が見れてほんと面白かったです。
何処かのインタビューで菅田さんは役作りが大変だってコメントしてましたけど、たしかに普段やる役柄とも違ってるのでそういう意味でもおすすめ。

Netflixにて視聴。
24年10月中旬より見放題配信中。

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