現代のインド、ハイデラバードのハルシャはバイクレーサーとして過激なショーを行ったりしていたが、道すがらとある女性と手と手が触れた時謎の映像が見え、「運命の相手」だと確信する。来た道を戻って必死でその女性を探すがなかなか出会えず、当の本人であるインドゥは「知り合いだ」と嘘をついて、自分がそうだとは名乗りでない。二人は1609年、愛し合いながらも悲劇の死を遂げた勇者と王女の生まれ変わりだとも知らずに……。
現代、400年前そしてまた現代と舞台を移し描かれる勇者とその転生者の運命。今度こそ大事な人と幸せな未来を勝ち取れるか。
あらすじ
1609年のウダイガル王国。近衛軍戦士として国を守るバイラヴァは、国王の娘ミトラ姫と愛を誓い合う。しかし、ミトラと王国を奪おうと考える軍司令官のラナデーヴのたくらみによって命を落としてしまう。それから400年後のインド、ハイデラバード。バイラヴァの生まれ変わりであるバイクレーサーのハルシャは、町で出会った女性の手に触れた瞬間に前世の記憶が一気にあふれ出す。ハルシャは、見失ってしまった女性を懸命に捜すが……。(シネマ・トゥデイより)
ちょっと最序盤がだいぶコメディよりで、全然関係ない女性との「スタントが成功するかの賭け勝負」をめぐるすったもんだ(ここでダンスシーンのノルマ達成なのか?)があったりとか、冒頭で触れた通り「運命の女性インディはどこへ」って流れが続くので、バーフバリとかRRRの!って言われて期待してみてるとあれって感じになります。
とはいえ、ものすごく必死でインディを探すハルシャの姿を面白がってみてたのに、もう見つけたからじゃあね。と冷たくされた途端逆に追う側になるインディはニヤニヤしちゃいます。前世の記憶が片方しかないっていうのもいい設定ですよね。ちなみに最終盤にならないと蘇りません。
他の転生者というか前世をなぞるような関係性もまた登場し、特に二人のなかを引き裂こうとする従兄弟がかなりの悪人。「欲しいものは是が非でもてにいれる」これは400年前にも出てきますが、自分が気に入らないものは殺しちゃうし、インディの父を手にかけてその罪をハルシャに着せるという極悪っぷり。お話の都合とはいえそれをインディが信じちゃうのも切ない。
そこからしばらくしてメインとなる1609年に舞台が映りますが、ここから本格的に歴史物、アクション要素がググッと増えます。最序盤で人数をカウントしてた意味とかそれぞれの関係性が明らかになります。国の英雄であるバイラヴァだけど、勇者はみんな35歳で命を落としてきたから王女のミトラヴィンダが未亡人になるのわかってて結婚許すことはできない。みたいな理論で愛し合う二人が認めてもらえなかったり、従兄弟の前世であるナラデーヴがめちゃくちゃ邪魔してきたりとハラハラの連続。流砂とかね。お馬さんとの絆が泣ける。
あとはインド征服を目論むシェイルカーンという別の悪者も登場してきますが、「100人斬り」の伝説があるなら、100人の刺客を差し向けるっていうこれまたひどいやり方。伝説とか関係なく体力的な意味でも多勢に無勢って意味でもキツすぎだろ。アドリブをよく入れる岩崎ひろしさんが吹き替えてるんですが『100人斬っても大丈夫ってか!』とかイナバ物置のCMキャッチコピーをパロディしたりして笑いました。この人の生まれ変わりはかなり陽気なおっちゃんで、そっちも基本的にずっと面白かった。どけ、ババア!とか絶対オリジナルのセリフじゃないだろ。
己の肉体を武器に次々と敵を倒し、ボロボロになりながらも王女の元へ辿り着こうとする姿もかなり見応えあったし、さすがインド映画って感じでした。ポスターにも使われてるし、やっぱり過去編がメインだね。2009年だから映像技術的には今とは比べ物にならないけど引き込まれて十分だった。
そして最後には現代に戻り、彼女の記憶を取り戻そうとまた危険な場所での対決。当然ハッピーエンドで、気持ちよく見終われました。
見始めた時はバーフバリやRRRの監督、ってだけだったのですが、後からRRRのラーマ役だと知ってびっくり。10年以上経ってるので言われないとわからない。ましてや吹き替え担当が違うしね。違う一面が見られますので、ファンにもおすすめ。
WOWOWオンデマンドにて吹き替え版で視聴。
U-NEXTでも見放題対象のようです。
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