新居をさがしていたトムとジェマは、立ち寄った不動産屋にて郊外の住宅街をすすめられる。独特の雰囲気をもつ職員に戸惑いながらも内見するだけならと向かうが、いざ帰ろうとすると男は消えており、いくら車を走らせても延々同じデザインの家々が並ぶその街からはまるで迷路のように抜け出せなくなってしまっていた。太陽をめざしてすすんでもいつの間にか元の家に戻ってきていて、さらに家事をおこしても気づくと元通り。精神がすり減っていく中、「育てれば解放される」と書かれた段ボールの中にはなぞの赤ん坊がいて……。
あらすじ
手頃な新居を物色中のトムとジェマ。とある不動産会社に立ち寄った2人は、ここがイチオシと、ヨンダーという名の住宅地を紹介され、早速彼の案内で現地へ見学に出掛ける。そこは見渡す限りミントグリーンの家が立ち並ぶ、メルヘンチックな集合住宅地だった。内見を終えて帰ろうとすると、不動産会社の職員はなぜか消え失せていて、車をいくら走らせても同じ風景ばかりがいつまでも続き、2人はそこから抜け出せなくなってしまう。(WOWOWより)
※絶叫するシーンがあります、音量注意。
教師であるジェマの設定をいかして、冒頭で「托卵」の説明がはいったり(代わりに自分の子供を育てさせる)、【動植物を育てるための環境】=『ビバリウム』というストレートなタイトルなので、冒頭で触れた赤ちゃんがすごくキーになってくるのだな、と直感させます。
ちなみにアクアリウムやテラリウムもビバリウムの一種です。
おなじ家が延々と続くだけなら最悪ありえないこともないんですが、日用品が勝手に段ボールに入って出てくる、しかも無人で一瞬で。いくら太陽を目指しても同じ場所に戻ってくる、ってことから、もうここが普通じゃない場所だってことがそうそうにわかります。「世にも奇妙な物語」の題材になりそいうな、まさしく迷い込んじゃいけない場所にきちゃったという感じ。
そこに極めつけの赤ちゃんですからね。おそらく通常スピードよりもずっと早く成長していってるこの子はきっと人間じゃないんでしょうがとにかく不気味。子供なのにサラリーマン風にきっちりした髪型なのも怖いですし(ヤングシェルドンは可愛いのに笑)、自分の要求が通らないと大音量で叫ぶっていうのがとにかく嫌だ。まるで目覚まし時計をとめるように急いでシリアルの準備をしなくちゃいけない。
だんだん人語でのコミュニケーションを取れるようになっていきますが、最初の方はまねっこばっかりしてくるからシンプルに腹立ってくるし。二人が愛し合ってるのをのぞいてるシーンも気持ち悪かったな。
それでも一応本人としては「パパ・ママ」だと思っていて、なついている。得体の知れないものとは関わりたくないトムと、結局はだんだんと母性が出てきてしまうジェマとの違いがちょっと興味深かった。うっかり怪我させてしまった時の反応とかね。たぶんオリジナル言語だと"It" と "He" っていう風に、人間として扱うかどうかの差があるんだと思います。
もう見てるこっちも結構神経すり減らすんですが、後半にかけてトムはもう取り憑かれたように穴掘りに夢中になっていく。というかあの子がいる家に戻りたくないっていうのが大きいと思う。自分の恋人がわけわかんないものを実の子のように接してるのきついよ。なまじ人間の姿しているだけにね。自分が心狭すぎるのかな、とかも考えちゃうし。この辺が「托卵」っぽさ全開だなって。
最終的に掘り当てるものとか二人を待ち受ける運命だとか、終盤にかけてもすごく不気味で怖かったんですが、なによりも「はっきりとした説明」がされないところが一番モヤモヤさせられて、なんともいえない視聴体験だった。もうターゲットにされた時点で二人は蟻地獄の中。不思議な映像はありましたが、グロさがすくないのが救いかな……。
最後に全部がつながって、また違うターゲットが餌食なることを示唆するのもゾッとする。
非日常を体験したい方におすすめです。
字幕版をWOWOWにて録画、U-NEXTで吹き替え版で視聴。
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