パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女 / 親子の海外逃亡を助ける依頼を受けた凄腕ドライバーのチャン。金を持ち逃げしたと犯罪集団に追われるが、彼の正体は警察。さらに国家情報局まで加わり、韓国産ド派手アクションサスペンス。

パク・ソドム主演。依頼を受けた運び屋の荷物は、海外逃亡を図る親子。犯罪組織という裏の顔を持つ警察、国家情報局など2方向から追われる三つ巴の逃走劇。韓国産アクションサスペンス。

あらすじ
ペク社長(キム・ウィソン)が釜山で営むペッカン産業は、表向きは廃車処理場だが、裏ではどんな荷物も配達する「特送」の仕事もしていた。金になるならどんな依頼も引き受ける社長の指示で、ドライバーのチャン・ウナ(パク・ソダム)は確実に荷物を目的地まで送り届けなければならない。一方ソウルでは、元プロ野球選手のキム・ドゥシク(ヨン・ウジン)が、息子のソウォン(チョン・ヒョンジュン)を連れて海外に逃亡するため荷造りをしていた。(シネマ・トゥデイより)


上記あらすじを引用するためにシネマトゥデイにアクセスしたところ、寄稿られた短評のタイトルで「ベッソン風」って文字が見えちゃったのですが、確かにリュック・ベッソンが得意とするかっこいい女性主人公のアクション作品として同じ魅力がある映画だったと思います。
でもそれ以上にやはりステイサム兄貴の「トランスポーター」とか、あるいは「レオン」をはじめとした「凄腕の人物+子供」っていうフォーマットの要素が強かった気がします。個人的に大好きなジャンルなので、もうほんと最高だった。

しかも何がいいって、子供が「自体を悪化させる舞台装置」になってない点。比喩という意味で【お荷物】になって敵から逃げられないパターンって結構あるんですが、劇中では勝手にいなくなって心配されるくだりが1回ある程度で、基本的にお利口、さらには命を救うためにかなり有能な働きを見せていてすごく良かった。小さい体で必死になって戦っている強さが健気でした。お父さんやられちゃってるのに……。

順番が前後しますが、構図としては元野球選手のソウォンの父と悪徳警官が悪いことしていて、やられる前にお金を盗んで逃げようとするところからスタート。依頼を受けた主人公のチャンがその悪徳警官ら犯罪集団から無事に海外に逃がせるか、ってところなんですが、数の多さで子供しか守れず。警察パワーも動員して追ってくるクズチーム長からの逃亡劇がメインとなるわけですが、チャン本人の背景に関連して「国家情報局」にも追われることに。

凄腕ドライバーなのでカーチェイスがものすごい見応えなのはもちろんのこと、本人の戦いとしてもかなりのアクション要素があっていい意味で裏切られました。ドライバーを武器にしたり、釘打ち機、機転によってスプリンクラーの活用、停電など女性というハンデをもろともしないダイナミックなバトル。かなり頭がいいんですよね。特にホテルに潜伏した時のとある秘密は見事で、視聴してる僕もすっかり騙されてしまった。リアルに「すげぇ!」って叫んじゃったよ。

悪役もほんと酷くて、結構コミカルな役を吹き替え担当される佐藤せつじさんの独特の声で純粋なクズやってて怖かった。一応、部下であるぶっ飛んでる殺し屋にも頼んでチャンを追わせますが、失敗したら……。何というか躊躇なく人を攻撃、殺せるっていうのが一番ビビりますね。だからこそ登り詰めたし、平気な顔して警察チーム長/犯罪のトップの二重生活ができちゃう。途中から参加する情報局の人に対してあからさまにイラついてるので殺したりしないか不安でした。それこそレオンのゲイリーオマージュっぽい。

脇役としては解体工場の社長さんがドライで、面倒だから子供なんか専門の業者に引き渡しちゃえ的な対応でちょっと嫌な印象を受けたんですが、考えてみたらいろんな事情ある人に仕事与えて、グレーな仕事でもなんとか生きていけてるっていうのは法律的にはアウトでも善人なのかなってだんだん見方が変わりました。放送での暗号とか、必死になって部下を守る姿にグッときた。

ホテルでのトラップしかり、細かい部分ですごく「全部意味があるシーン」にしてるのも好きで、リュックを大事そうに抱えてると思ったら失禁したのを隠すためだった、とかね。テンポよく進むし、ずっと見いっちゃいます。三つ巴がどう収束していくのかも気になるしね。真相を知ったら情報局は当然味方してくれるよなー、間に合ってくれよー的な。

もちろんそれだけど息が詰まるのでソウォンの母親関連など心理的な山場もいろいろあって。あれはかなり切なかったけど、少しずつ彼の境遇に同情して、厄介な荷物から守るべきものって変わっていく主役二人の絆が深まっていくのがいいんです。だからこそあのラストが涙なしに見れない。

あんまりいうとネタバレになっちゃうのですが、子供がメインなので幸せな結末なのはご安心を。僕の大好きなパターン。ほんとにくいね。ぜひ実際に見てほしい。

主演のパクソダムさんはパラサイト半地下の家族などに出ていた方。今回全然違う役に挑んでるみたいですね。前述の通りアクション・マシマシなのでカッコよかった。僕はまだ見れてないので、いずれ(あまりにも有名作品は後回しにしがち理論)


多少痛そうだったり過激なアクションはあるものの、いきつく暇無いハラハラの連続、かっこいいアクションてんこ盛りの極上サスペンス、万人がほっこりするハッピーエンドでおすすめです。

WOWOWで録画、huluにて吹き替え版で視聴。
24年3月末現在、Amazonプライム会員でも字幕、吹き替えともに見放題対象です。


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