シング・フォー・ミー、ライル / 売れないショーマンが出会った、歌うワニ。彼らは良き相棒になるが、ステージ恐怖症で歌えない。屋根裏に残しショーマンは去るが、そこにとある家族が引っ越してきて……。

コメディを手がけてきたウィル・スペックとジョシュ・ゴードンが監督を担当した、『歌うワニ』を主役にしたミュージカル作品。原作はバーナード・ウェーバーによる絵本シリーズ「ワニのライル」売れないショーマンが話せないけど歌を歌えるワニに出会い一攫千金を狙うが、舞台では緊張で歌えず。そこから時はたち、とある家族と出会うことで大冒険をすることに。
ショーマンのヘクターは夢があるもののスターとは程遠く、オーディションでも門前払い。そんな彼が偶然出会ったのは歌を口づさむワニのライル。最初は小さくて怯えてていた彼もヘクターと暮らすうちにどんどん大きくなり、良き相棒となった二人のハーモニーは素晴らしいものだった。それを披露しようと計画するも、実際のショーに出ると緊張からかライルは歌えなくなってしまう。お金を稼いでくる、と言い残しヘクターはライルを置き去りにするが、そこから時はたち同じ建物にとある家族が引っ越してくる。
ハビエル・バルデム、コンスタンス・ウー、ウィンズロウ・フェグリー、スクート・マクネイリー、ブレット・ゲルマンら出演。
あらすじ
ショーマンのヘクター(ハビエル・バルデム)が、ニューヨークの古ぼけたペットショップに足を踏み入れると、どこからか魅惑的な歌声が聞こえてくる。彼は歌っていたワニのライルを相棒にしようとするものの、ライルがステージ恐怖症だとわかり、去って行く。その後ライルは一匹で長い時間を過ごしていたが、ある日ライルが隠れ住んでいた家に、一人の少年と家族が引っ越してくる。(シネマ・トゥデイより)


原題がLYLE, LYLE, CROCODILEなんですが、それを「シングフォーミー、ライル」としたのが素晴らしい。僕のために歌って、という意味だと思うんですが、これがヘクターでありジョシュの立場から言ってるのがキモで、基本的にライルは「スターとなって脚光を浴びること」を望んでいるわけではないんですよね。これが明確に「SING」とかと違う部分で。歌うのは大好きだし、人間たちと共に歌って踊りたいけそれとどNYで成功してお金を稼ぐことがイコールではない。贅沢もいいかもしれないけどそもそもゴミを漁って生きてるわけだから、気持ち一つでそこはパーティ会場になり得る。

最序盤の出会いのシーンにてまだ小さい頃のライルを出したのもありますが、基本的にちょっとオドオドしてて所在なさげにしてる姿が本当に愛らしくて。それでいて「人間にとって何が大事か」を思い出すためなら勇気を出して歌い出しちゃう大胆さがある。「あ、これだ」的な表情(?)して歌で主張したり考えを伝えるシーンが何回も出てきますが、ほんとガラッと雰囲気変わるのでそのギャップもいいです。

そもそもワニが主役なんで身構える人もいると思いますが、そういう姿を見てるせいか可愛らしさが優ってよっぽど苦手な人以外は大丈夫だと思います。CGによってかなりのクオリティ、しかもそこまでデフォルメされてるわけじゃない=リアルよりだから四足歩行ではってくる時のインパクトはすごいけど、大きさもあって一人の人間に見えてくる不思議。引っ込み思案な、でも才能ある人物。
最終盤でペットのヘビが出てくるのでそっちの方が閲覧注意かも。

上記あらすじにある通りヘクターは早い段階で一人でお金稼ぎに出てしまうので、どうしてもライルにとっては「見捨てられてた」と感じてしまうのはあると思いますし、個人的にも酷いやつだな、って思いは最後までありました。でもまあ劇中で自分で後悔してるし、歌えなかっことを残念がるもののライルに直接辛く当たることはなかったからね。後半のピンチも自分を犠牲に助けてくれたし。
なんと言ってもテレビでライルの姿を見た時のあの笑顔はジーンときちゃいました。ライルにとっては確かに相棒だった(再会した時に拗ねてたの可愛い

その分劇中でどんどん絆が深まっていくのはジョシュとその家族。急に環境が変わった彼にとってライルとの日々は何より救われたと思う。それまでいわゆる温室育ちだったのにバンバン危険なことやるようになっちゃって。そこはまあPG12なのでツッコミどころというか、現実は真似しないような助言が必要なのは間違いないです。子供がバイク乗っちゃうシーンとか、屋上は危ないし。そもそも喘息持ちなのにバイキンとか深く考えず残飯食べるのはやばいだろっていう(笑)これコメディですからね。

母親とももっと激突するかと思ったら歌で一気に陥落しちゃうのが面白かったし、なんなら一番ノリノリだったまである。この人が一番自分を押さえ込んでたから反動もでかかったのだろうね。吹き替えを水樹奈々さんがやってるので、歌唱シーンのクオリティはさすが。見覚えあると思ったら「クレイジーリッチ!」の主演女優さんでしたか。もう家族みんながライルを受け入れて一員になっていった。二人に比べると出番少なめだけど気弱なお父さんもいい変化してたし。あとの登場人物で言うと、敵?っぽく登場する大家さんは典型的なキモキャラでしたが、溺愛する猫ちゃんまでライルファミリーになってて少しかわいそうかなと。

メインとなる歌唱シーンは期待通りの良さ、ノリですごく明るい気分にさせてもらえましたし、特に失敗しても大丈夫!的な歌詞が沁みます。人生うまくいかないからこそ面白い。耳に残るんですよね。アマプラで字幕表示+吹き替えで見ましたが、歌っている言葉と表示されてる歌詞に微妙な差があるのでそれも楽しめました。吹き替えはより歌いやすいように作られていた気がしますね。
石丸さんは本業なので言わずもがなですし、すでに触れた通り水樹さんもいい歌声。大泉さんも違和感を覚えないちゃんとライルっぽい感じですごく良かったと思います。一部英語歌詞のままのシーンもありますが、そちらも英語で歌ってくれています。

見終わってからオリジナル版の主題歌とか聞きましたが、ライル役のショーンメンデスさんは本物の歌手なのでね……。ぜひyoutubeで検索して聞いてみてほしいです。"Take A Look At Us" いい曲。

PG指定なものの、家族で見るのにぴったりな心あたたまるミュージカル映画なのでぜひ。

アマプラにて吹き替え版視聴
23年11月現在Amazonプライム会員は見放題対象
そしてDVDなどの発売情報がないので各種動画サービスかWOWOWなどでしか見れないようです。来月かな?

動画はこちら
https://amzn.to/3MAgpta

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック